• メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

    ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

    ケクロプスの娘達の絵画13点。開けてはならぬ禁断の箱とヘルメス神との愛憎物語

    Mercury Herse  Aglauros by Louis-Jean-Francois -

     あけましておめでとうございます。
     今年もよろしくお願い致します^^ 2019年一発目の記事はこんな内容です。

     アテナイの王ケクロプスの娘達は、禁断の箱を開けて破滅した話と、ヘルメス神を巡る愛と嫉妬話の二つのギリシャ神話の逸話に登場します。
     娘達はアグラウロス、ヘルセー、パンドロソスの三人姉妹で、ある日彼女たちはアテナイの守護女神であるアテナから箱を預けられました。「開けてはならない」と厳命されていたにも関わらず、アグラウロスとヘルセーは興味に負けて開けてしまいます。入っていたのは下半身が蛇の赤ん坊エリクトニオス。この赤子はヘパイストスの暴走(?)によって産まれた子で、アテナは一人前の子に育てようと蛇と一緒に箱に入れていたのでした。禁断を侵した二人は蛇に噛み殺されたとも、アテナの怒りを買って気が狂い、アクロポリスから身を投げたとも言われています。

     また異なる逸話によると、姉妹達はアテナの約束通りに箱を預かっていましたが、アグラウロスだけが中身を見てしまい、「開けたよ~」とカラスが女神にそれを知らせました。この時アテナは彼女の所業を許したかに見えましたが、実は根に持っていました。月日は流れ、ヘルセーがヘルメス神と恋仲になりました。アグラウロスは激しい嫉妬を覚え、二人の仲を引き裂こうとあらゆる事を行います。この感情を生じさせたのがアテナであり、女神は嫉妬の擬人に「やってちょうだい」と頼んだのでした。ヘルメスが家に再びやってきた時、アグラウロスはヘルセーの部屋の前に座り込み、「私の方が良いのよ!」と神の侵入を妨害しました。怒ったヘルメスは彼女を石に変えてしまったそうです。
     では、ケクロプスの娘達にまつわる絵画13点をご覧ください。

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    中世写本の装飾文字人間の作品13点。アルファベットがシュールな生物に変化する

    GiovanninoDeGrassi 1390 -

     皆様は中学か高校の美術の授業で、漢字をイラストで表現するという授業をしたことはありますか?例えば「雲」という漢字をもくもくとした雲で描いてみたり、「猫」と言う漢字を寝転がる猫として描いてみたり。
     なんと、似たような事を中世時代の西洋人もやっていたのです。
     中世の彩飾写本に描かれている頭文字は、イラストで描かれているものがあります。それらの多くは人間や怪物、物語のワンシーンで表現されています。漢字は一文字で意味が通じるもので、一文字だとほぼ意味を成さないアルファベットとは異なりますが、西洋の人は様々な面白いイラストでアルファベットを装飾しようとしていたのです。
     では、13点の写本の装飾文字をご覧ください。

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    ダヴィデに怒るサウルの絵画13点。嫉妬に狂った王が音楽を奏でる少年に牙を向く

    Francisco Fernández, 1606 – 46 -

     旧約聖書に登場するダヴィデとサウルは、神に選ばれし誠実な少年と王位に執着するイスラエル王です。
     神に見放されて悪霊に苦しめられていたサウルの為に、部下は竪琴の名手を呼んで音楽を奏でてもらう事にしました。そこで呼ばれたのがダヴィデで、彼が弾く美しい音色にサウルの心も少しは晴れました。その頃、イスラエルはペリシテ人と争っており、将軍ゴリアテの半端ない強さにイスラエル軍は太刀打ちできませんでした。誰もが尻込みする中、ダヴィデは「僕が倒す」と進み出て、石を投げて見事ゴリアテを倒してしまったのです。

     鮮やかな勝利にイスラエル軍は沸き起こり、ダヴィデは大人気となりました。サウルはそれに深い嫉妬を感じ、自らの王位が奪われはしないかとダヴィデに憎悪を向けるようになります。ある日、ダヴィデがサウルの為に癒しの音楽を奏でていると、サウルは怒り狂って槍を投げ付けたのでした。ダヴィデはそれを間一髪で避け、槍は壁に突き刺さりました。ダヴィデが音楽を奏で、サウルが槍を投げようとするこのシーンはなかなか画家に人気があったようで、沢山の絵画が残されていました。
     では、音楽で癒そうとするダヴィデにキレまくるサウルの絵画13点をご覧ください。

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    サウルとヨナタンの絵画13点。ダヴィデを憎悪した王と、親友となった心優しき王子

    Death of King Saul 1848 Elie Marcuse -

     旧約聖書の「サムエル記」に登場するサウルとヨナタンは、紀元前10世紀頃に生きたとされるイスラエル王国の初代の王と王子です。
     預言者サムエルがイスラエルの民を率いていた頃、王が欲しいという声が民から上がりました。サムエルは神の指示を頼りに王を探し、サウルを選びました。民は王となったサウルを歓迎し、彼は息子ヨナタンと部下達と共に国を守る為に懸命に戦いました。しかし、「アマレク人にまつわる者全て滅ぼせ」という神の指示に従わなかったので、神はサウルから離れ、サムエルはエッサイの子ダヴィデを次の導き手と決め、彼の頭に油を注ぎました。

     ダヴィデは敵将ゴリアテを討ち取って有名となり、神に見放されたサウルは王位に執着し出します。しかし、実直な息子ヨナタンはダヴィデの親友となり、義兄弟の契りを交わしました。竪琴の名手であるダヴィデはサウルを癒そうと音楽を奏でますが、サウルは嫉妬に狂って彼を殺そうと槍を投げ付けます。対するダヴィデは何度もサウルを殺める機会はありましたが、決して実行しませんでした。サウルは苦悩しながらも、嫉妬に燃える日々を送っていました。
     
     ペリシテ人が行軍してきた際、サウルは神の預言を得たくてもサムエルが他界していた為、降霊ができる魔女にサムエルの霊を呼び寄せさせました。サムエルは「イスラエルの軍勢はペリシテ人の手に渡る」と言い残します。サウルとヨナタンは懸命にペリシテ軍と戦いましたが、ギルボア山で追い詰められてヨナタンは戦死し、サウルは剣を立てて自ら倒れ込んで命を絶ちました。二人の遺体はペリシテ人に奪われてさらし者にされてしまいましたが、取り戻され、後に王となったダヴィデによって丁重に墓に葬られたそうです。
     では、サウルとヨナタンにまつわる絵画13点をご覧ください。

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    イクシオンとタンタロスの絵画13点。神々の怒りを買い、残酷な処罰を受ける者達

    Jusepe De Ribera  1591-1652 Ixion -

     ギリシャ神話に登場するイクシオンとタンタロスは、神々の怒りを買って罰を受けることになった人間です。
     ラピテス族の王子イクシオンはデイオネウスの娘ディーアと結婚する事になりました。彼はデイオネウスを殺してしまいますが、その罪はゼウスの取りなしによって許され、神の宴に招待される事になります。ところが、イクシオンは神の宴でゼウスの妻ヘラを誘惑しようとしたのです。
     しかし、その企みは筒抜けで、ゼウスはあらかじめ雲でヘラの化身を作っておきました。雲相手に思いを遂げたイクシオンは、神々の怒りを受けて奈落タルタロスへと送られます。彼はその罰として、燃えさかる車輪に縛り付けられ、空中を絶え間なく回転し続けることとなったのでした・・・。

     一方、タンタロスはリュデイア(トルコ周辺)の王でした。彼は人間にも関わらずゼウスと親しく、不死の身体を得ていました。しかし、タンタロスは神々を国へ招いた時に息子ペプロスを殺して料理し、シチューに入れてしまいました。神々はそれに気付いて食べませんでしたが、デメテルは口をつけてしまったそうです。(その後息子は神の力で復活しました) また、タンタロスは神の食物を盗んで友人に分ける事もしました。
     その行いに怒った神々は彼を奈落タルタロスへ送り、沼の上にある果樹に吊るしました。口が乾いて沼の水を飲もうと身をかがめると直ぐに引いてしまい、お腹が空いて樹の果物を取ろうとすると、直ぐに風が吹いて枝がそれてしまいます。こうして不死であるタンタロスは、永遠に渇きと飢えに苦しみ続けるのでした・・・。
     では残酷な罰を受けるイクシオンとタンタロスの姿13点をご覧ください。

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    ヨセフとポティファルの妻の絵画14点。誘惑を拒否して濡れ衣を着せられた美青年

    Carlo Francesco Nuvolone - Joseph wife Potiphar 1640 -

     前回に引き続きヨセフに関するストーリーです。
     父ヤコブの寵愛を受けていた為、嫉妬した兄達によって隊商へと売られてしまったヨセフ。彼はそこからエジプトへと渡り、彼は王宮の侍従長ポティファルの下僕となります。真面目に働いたヨセフはポティファルに気に入られ、家の全財産を任されるまでとなりました。しかし、美青年であったヨセフは妻に誘惑されてしまいます。

     ヨセフは全力で拒否し、逃亡しますがその場に上着を置いてきてしまいました。プライドを傷つけられた妻は逆に「ヨセフに乱暴されそうになった。これが証拠よ」と上着を持って夫に訴えたのです。ポティファルは怒り、濡れ衣を着せられたヨセフは牢屋にぶち込まれる事となったのでした。このシーンは旧約聖書の中でも特に目立った場面ではありませんが、画家に大人気のテーマだったようで、驚くほど多くの作品が残されています。
     恐い妻によって誘惑されまくるヨセフの絵画14点をごらんください。

    → ヨセフの物語についての絵画を見たい方はこちら


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    旧約聖書ヤコブの息子ヨセフの絵画13点。兄弟に売られエジプトの宰相となった青年

    Joseph Being Sold Into Slavery  Alexander Maximilian Seitz -

     旧約聖書に登場するヨセフは、兄達に売られてエジプトで夢説きを行い、宰相となって人々を飢饉から救った青年です。
     ヤコブとラケルとの間に生まれたヨセフ。彼には弟ベニヤミンと、11人の異母兄姉がいました。父親がヨセフばかりを可愛がるので兄達は嫉妬し、彼を隊商に売ってしまいます。隊商によってエジプトへと渡ったヨセフはポティファルの下僕となりますが、彼の妻の誘惑を拒絶した為に濡れ衣を着せられ、牢屋へぶち込まれてしまいます。ヨセフは牢屋へ一緒に入っていた二人の者の夢を解き明かし、その能力がファラオの耳へと入り、王の夢を説くことになりました。「七年の豊作の後、七年の大飢饉が来る」というファラオの夢を見事に説いたヨセフの能力は認められ、彼はエジプトの宰相へと昇格することになります。

     豊作の間にエジプトは食糧を大量に保存しました。七年の後、実際に大飢饉が世界中を襲い、貯えのあるエジプト以外は飢えに苦しむことになりました。飢えはヤコブと兄弟たちの住むカナンにも及び、彼等は食糧を買いにエジプトへと訪れます。ヨセフは兄弟達に気付きましたが、相手は気付きません。そこで、彼は兄達を間者だと決めつけ、弟であるベニヤミンを連れてくるよう強要しました。シメオンを人質に取られた兄弟達は仕方なくベニヤミンを連れていきます。
     ヨセフは兄弟達にご馳走をし、穀物を大量に持たせますが、もう少し兄弟を試そうと、帰りにベニヤミンの穀物の中に銀の盃を入れておき、彼を盗人に仕立てあげて「奴隷にするぞ」と脅しました。すると、兄弟達は「自分が奴隷になってもいいから、ベニヤミンは家に帰して欲しい」と懇願したのでヨセフは安心し、自らの素性を明かしました。兄弟たちは酷く驚いたものの、再会を喜んで和解を果たし、ヨセフはヤコブのいる故郷へと帰ったそうです。
     奴隷から宰相になり、結果的に家族を救うことになったヨセフの絵画13点をご覧ください。


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    ドリアン・グレイの肖像&ジキルとハイドの挿絵12点。善悪が分裂した二人の紳士

    dorian-gray 1930 majeska 4 -

     「ドリアン・グレイの肖像」はオスカー・ワイルド作の長編小説であり、「ジキル博士とハイド氏」はロバート・ルイス・スティーブンソン作の中編小説です。いずれも善と悪の二重人格を題材にした物語として知られています。

     美青年ドリアン・グレイは奔放な生こそ最高の美だというヘンリー卿の言葉におだてられ、画家のバジルに描いてもらった肖像画に向かい「絵の方が歳をとればいい」と零します。ドリアンは女優シヴィルと婚約したものの見捨て、彼女は悲しみの余り命を絶ってしまいます。
     肖像画が醜く変貌していくのを見て見ぬふりをし、ドリアンは20年間歳をとらずに奔放な生を送っていました。醜い肖像画を非難したバジルをドリアンは殺してしまい、その後シヴィルの弟が不慮の事故で他界してしまいます。改心しようとするドリアンは、醜悪な肖像画をこそ自分の良心だと知って壊そうとします。しかし、悲鳴を聞いて駆け付けた者が見た光景は、美青年の肖像画と醜い老人の遺体だったのでした・・・。

     一方、弁護士アターソンはジキル博士から「私が消えたらハイド氏が財産を相続する」という遺言状を託され、困っていました。というのも、ハイドは少女を踏みつけるような外道で不気味な若者だったからでした。弁護士が問い質しても博士は「問題ない」と言うだけでした。その一年後、ハイドが老紳士を撲殺する光景をメイドが目撃します。ハイドの住居を捜索すると、ジキルのステッキが凶器として発見されました。次第にジキルは訪問者を拒み始め、ラニョン博士は彼の秘密を知ってショック死を遂げてしまいます。
     ある夜、ジキルの執事がアターソンの元を訪ね、書斎にこもった主人の様子が変だと告げます。二人が扉を壊すと、ハイドの遺体が横たわっていました。ジキルの姿はありません。事務机には手記が残されており、「私の欠点は欲望を求める二面性。善悪を切り離す為に薬を開発し、ハイドという別人が生まれた。だが、薬を投与しなくてもハイドに変わってしまい、ジキルのままでいる新薬が底を尽きた。私はこうして生涯を閉じる」という真実が書かれていたのでした・・・。
     では、人格分離により破滅した二人の男についての絵画12点をご覧ください。

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    ベルギー象徴主義の絵画14点。世紀末に興った、神話や歴史を題材にした幻想芸術

    Death at the Ball, by Felicien Rops, 1875 -

     象徴主義は19世紀後半より始まった芸術運動です。
     この時代は科学的な進歩がめまぐるしく、街並みや自然の風景、時事問題など現実的な側面に目を向ける風潮がありました。しかし、一部の者達はそれに反発し、神話や聖書、伝説などの古典的なテーマを好んで取り上げるようになります。彼等は現実の世界では描写できないような象徴(シンボル)を描きだすことで、生死や宗教性、神秘性などの観念を表現しようとしました。象徴主義はイギリスのラファエル前派より始まり、フランスやベルギーに伝播していきました。
     ベルギー象徴主義の画家はヴィールツやロップス、クノップフなどが代表に上げられます。フランドル地方は古来より独立した芸術形態を持ち、彼等はその流れを受け継いでいます。また、16世紀の画家ヒエロニムス・ボスやピーテル・ブリューゲル(父)からも影響を受け、幻想的で皮肉めいた世界を表そうとする者も現れました。
     ベルギー象徴主義の作品といっても多数ある為、このブログらしく生死をテーマにした作品を取り上げたいと思います。では、14点の絵画をご覧ください。


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    名古屋のクリマに「めめんと・もり」が再出店します!概要と新商品をお伝えします

    かいぶつ

     バリバリの宣伝失礼いたします!去年の10月より管理人が運営を始めた、怪物専門のネットショップ「「めめんと・もり -美術と神話の不思議かいぶつ雑貨-」。
     12月1日(土)の一日限定で、名古屋のクリエーターズマーケットにて出店いたします!半年前に続いて二回目の出店となり、仲間も増えましたので、よろしければ詳細をご覧くださいませ♪

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    中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
    師匠はヒエロニムス・ボス。
    神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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