• メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

    ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

    あけましておめでとうございます。2018年も「メメント・モリ」をよろしくお願いいたします。

    奇天烈な怪物32連発!画家ヒエロニムス・ボスのような怪物だらけの16世紀の画集

    François Desprez - The Droll Dreams of Pantagruel (1565) 9

     パンタグリュエル物語はフランスのフランソワ・ラブレーによって書かれ、1532年頃に出版されました。パンタグリュエルはガルガンチュア王の息子で、超怪力で超大食らい、行くところ騒動を巻き起こす博識の巨人です。この作品は風刺や滑稽さに満ち、卑猥や下品さ、笑いも交えつつ、当時の風潮や身分をこきおろしています。
     1565年に出版された画集「パンタグリュエルの滑稽な夢」(Les Songes drolatiques de Pantagruel)はその物語を下敷きに生まれました。本の作者はRichard Bretonで、絵を描いたのはFrançois Desprezと言われています。ボスやブリューゲル調の人間と生物、物体が組み合わさった怪物が全120体描かれています。
     不気味で滑稽な怪物たちをご覧ください。


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    辺獄へ降りてゆくキリストの絵画9点。未洗礼の者が集う、天国と地獄の中間地点

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     キリスト教の教えが広まる前に生きた善人は、天国か地獄かどちらに行くのだろう? 辺獄(リンボ)はそんな疑問から生まれました。キリスト教の洗礼が行われていなければ天国には行けないし、地獄に行くほど罪人ではない。では、その間の辺獄を作ってしまおう!という訳です。
     辺獄と煉獄は異なり、辺獄は未洗礼の善人、煉獄は地獄に行くほど罪深くはないけれど、天国へ行くほど清らかではない人が入る場所です。辺獄は産まれてすぐ亡くなってしまい、洗礼を受けられなかった赤子も行くらしいです。善人たちを救うためにキリストが辺獄へ降りたという逸話があり、それを「キリストの辺獄降下」と言います。ただ、辺獄と地獄は混同される部分があり、キリストは地獄へ降下したという逸話もあります。
     キリストが下っていって人々を救ったという「辺獄降下」を見ていきましょう。


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    ブラント作の風刺文学「阿呆船」。あらゆる愚者たちが阿呆国を目指して航海する物語

    shipoffools

     「阿呆船」は「愚者の船」とも呼ばれ、15世紀のドイツ作家セバスティアン・ブラントによって書かれた風刺文学です。あらゆる愚者たちが集結し、阿呆の国ナラゴニア目指して航海するという筋書きですが、物語形式ではなく一章ごとに異なる愚者を皮肉り、風刺していく形式となっています。例えば知識ある本を買い集めるだけで全く読まない者や、法に反した裁きをした者、強欲の者、流行をおっかける者など、全112種類の愚者が風刺の対象になっています。今回は書籍に掲載された挿絵と、本文を一部抜粋して紹介したいと思います。


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    色彩の魔術師ディルク・ボウツの絵画9点。遠近感を初期に用いたフランドルの画家

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     ディルク・ボウツは15世紀前半に生まれた初期フランドル派の画家です。ヤン・ファン・エイク、ロヒール・ファン・デル・ウェイデンの影響を受けており、北方で消失点のある遠近感を用いた初期の画家でもあります。また、鮮やかな色彩を用いており、書籍では「色彩の魔術師」と紹介されていました。
     洗練された作品9点をご覧ください。


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    2017年公開映画「エゴン・シーレ 死と乙女」。エロスは芸術なのか、犯罪なのか…

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     エゴン・シーレは1890年にオーストリアに生まれ、若干28歳で命を落としました。
     その短い生の間にシーレは死やエロスの芸術を追究し、女性の裸体を描き続けます。そのスキャンダラスな一生を描いた映画「エゴン・シーレ 死と乙女」が、2017年1月28日に公開を決定しました。映画の動画とあらすじをご覧ください。


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    大エルミタージュ美術館展はレンブラント、ルーベンス、ヴァトーなど巨匠が大集結!

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     2017年の3月18日(土)~6月18日(日)に、森センターアーツギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)で、大エルミタージュ美術館展が開催されます!(東京展は終了してしまいましたが、愛知県と兵庫に巡回展があります。日付や場所は記事下にあります)エルミタージュ美術館はロシアのサンクトペテルブルクにある美術館です。この展覧会は、ティツィアーノ、クラーナハ、レンブラント、ブリューゲル、ルーベンス、ヴァトーなど、教科書で紹介されている画家たちがまとめて来日します!出展される作品を一部紹介します。


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    勇敢かつ魔性の女ユディトの絵画9選。祖国の為に男をたぶらかし、首を斬り落とす女

    judith GALIZIA, Fede 1596 2

     ユディトは旧約聖書の「ユディト記」に登場するユダヤ人女性で、国の為に敵陣へ潜り込み、騙して信頼を得ることで将軍の首を斬り落としたことで知られています。
     アッシリアの王ネブカドネザルは、将軍ホロフェルネスをユダヤの町ベトリアという町へ派遣しました。 ホロフェルネスは軍勢を率いてやって来て、町を包囲してしまいました。人々は絶望に打ちひしがれましたが、ユディトが現れ、一つの作戦を立てます。それはユディトが美しく着飾ってホロフェルネスの元へ赴くというものでした。ユディトは敵将軍に近寄り、まんまと敵陣に入ることができました。四日間経つとホロフェルネスの警戒も解け、ユディトを酒宴へ招きます。彼は飲みまくって泥酔し、眠り込んでしまいました。その隙を見計らい、ユディトは短剣でホロフェルネスの首を斬り落としました。彼女は侍女を連れて首を町へ持ち帰り、出来事を報告しました。ユダヤ人達は歓喜し、アッシリア軍を打ち負かしました。
     物語を読めばジャンヌ・ダルクのような女性の英雄のようにも思えますが、ルネサンス以降の画家たちの中には、危険な妖艶さで男をたぶらかし、破滅させるようなユディト像を描いた者もいました。ホロフェルネスの首を斬る様々なユディトをお楽しみください。一部閲覧注意です。


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    洗礼者ヨハネの首を所望する、悪女サロメの絵画10選。妖艶な踊りで求めるは首…

    Guido RENI; 1640 - コピー

     サロメは1世紀頃に古代パレスチナで生まれた女性で、「ユダヤ古代史」や新約聖書の「福音書」にその存在が書かれています。父はユダヤの王子ヘロデ・ピリッポス、母は王の孫のヘロディア。

     ある日、サロメと母ヘロディアは義父の異母兄弟であるアンティパスの宴へ招かれました。屋敷の牢屋には洗礼者ヨハネがいました。ヘロディアとアンティパスが不倫関係であり、結婚をしようとしていることを糾弾したのが、捕まった原因です。祝宴は楽しげに催され、サロメはそこで極上の舞を踊ります。一説には服を一枚ずつ脱いでいくセクシーな踊りとも言われていますが、その踊りは定かではありません。妖艶な舞に大喜びしたアンティパスは「お前の望むものを褒美に取らせよう」と言います。サロメは間髪入れず「ヨハネの首を」と答えます。

     結婚を非難したヨハネを母アンティパスは強く憎んでおり、娘にそう言うよう仕向けたからです。アンティパスは祝宴の場だったので困りましたが、誓った手前、約束を破る訳にはいきませんでしたので、衛兵にヨハネの首を斬ってくるよう命じました。衛兵は牢屋へ行ってヨハネの首を斬り、盆に載せてサロメに渡しました。
     聖人の首を報酬として願ったサロメは悪女(ファム・ファタール)として中世から近代まで、多くの画家に描かれました。盆を持った姿は共通しますが、首に対する反応は様々で、喜んでいる姿もあれば顔をそむけている姿もあります。
     母の陰謀によって悪女にされてしまったサロメの姿を紹介します。一部閲覧注意です。


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    楽譜はお尻。ボスの「快楽の園」の楽器地獄にある音楽を、女子大生が再現

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     15-16世紀の北方ルネサンスの画家、ヒエロニムス・ボスの作品「快楽の園」。その右側の地獄パネルにある楽器地獄では、音楽で堕落した罪人たちが怪物と楽器によって責めさいなまれています。2014年に、アメリカの女子大学生が罪人のお尻に描かれた楽譜の音楽を再現しました。その音楽をお楽しみください。

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    我が子を食うサトゥルヌスの絵画7点。子が己を殺すという予言を恐れ、狂気に走る神

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     時の神であるクロノスは、ギリシャ神話の主神ゼウスの父親です。ローマ神話ではサトゥルヌスと呼びますが、ギリシャ神話の物語の為、記事ではクロノスと記述させていただきます。なお、絵画の題名がサトゥルヌスである為、タイトルはそう記述させていただきました。
     クロノスは最初の支配者であるウラヌスを倒し、権力を手に入れました。しかし、ウラヌスは死の間際「お前は自分の息子に権力を奪われ、討たれるだろう」と予言を残します。予言を恐れたクロノスは自らの子供、ヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドンと次々に呑み込んでしまいます。妻であるレアはその所業を恐れ、末っ子であるゼウスをなんとか守ろうと考えました。「あなた、ゼウスですよ」と渡したのは産着にくるんだ石。クロノスはそれをごくりと呑み込み、権力を奪う者がいなくなったと安心しきりました。しかし、妻レアは息子を逃がし、成長したゼウスはクロノスを討ち取ったのでした。そして呑み込まれた子供たちは、父の腹から無事に救出されたのでした。
     この物語を画家たちは読み、そのショッキングな内容に心打たれました。彼らは息子たちを食う神を描き上げ、後世に残しました。ただ、神話では呑み込んだとされているのに、絵画ではがっつりと食べています。皮を伸ばし、肉を食らっています。より残酷になってしまった作品をご覧ください。以下閲覧注意です。


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    中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
    師匠はヒエロニムス・ボス。
    神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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