holy face_icon - コピー

 キリスト教の始祖イエス・キリストは西暦の始まりから今まで、多くの画家に描かれてきました。西洋絵画の多くはキリストを肩までの茶色い長髪と髭、痩せていて思慮深い表情に描き、その容姿は共通しています。長い歴史の間で形式化され、その枠をほとんどの画家は守っていました。
 しかし、中には「・・・ん?」と思ってしまう作品が存在します。中世の作品はリアリティより抽象を重視し、内面さえ伝えれば良く、リアルに描く必要はない、という考えなのですが、それを加味しても「なんでそうなった?」と思わずにはいられないものがあります。描いている本人は至って本気で、キリストに敬意を払ってはいても、何かが違う。「いや、なんでこうなった?」という作品をご覧ください。

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「ディルク・ボウツ作 15世紀」
こちらは若干目が充血しているけれど、まともなお顔のキリスト。
茨の冠が痛そうで、涙を流しています。 
Wokshop_of_Dirk_Bourt_-_Christ_crowned_with_Thorns-900-326x340

「フラ・アンジェリコ作 15世紀」
充血しすぎで恐ろしい容姿のキリスト。唇の赤さも際立っています。
あと、髪の巻き方がわらびみたいで可愛らしい。
Fra Angelico, Christ Crowned with Thorns, 1450s

「ロシアのイコン」
顔は素敵だけれど、髪がおさげのように見えて可愛らしい。
いや、そのおさげだけの為に掲載しました。
holy face_icon

「アントネロ・ダ・メッシーナ作 15世紀」
すっごい不満そうなキリスト。うーわ、かったりーやりたくねー。
といった感じに見えるのは私だけでしょうか・・・。
eccehomogenua700_gif

「アントネロ・ダ・メッシーナ作 15世紀」
アントネロさんどうしてこうなった。
このキリスト、あまり徳が高そうに見えないのですが・・・。
Christ Crowned with Thorns (1470)

「作者不明」
頑張ったけれど、顔が、顔が。なぜこんなにまん丸。
手に持った球のようにまん丸です。
Salvador Mundi - Savior of the World

「マイスター・フランケ作 15世紀」
キリストの溶けたような表情が怖い・・・!
それ以上に、背後にいる天使の目線が怖い・・・!
Meister_francke,_uomo_dei_dolori,_1425_ca,_lipsia,_04

「14世紀後半‐13世紀前半の三連祭壇画」
顔がある種の浮遊生物になっているような気がします。
そらされた目が死んだ魚のようになっています。
Master-Bertram-Triptych-The-Holy-Visage-of-Christ-1345-1415

「2012年 スペインに住む80代のおばあちゃん」
オチはこれ。以前ニュースになった修復されたキリスト壁画。
「なんでこうなった」というキリストは、これに勝るものはないでしょう。
キリスト

修復される前がこちら。天を仰ぐ見事なキリストの御姿。
2012年話題

それがこうなった。猿の惑星みたいになってる・・・。
「世界最悪の絵画修復」と言われてしまっています。
キリスト

  彼ら描いたキリスト像は個性的としか言いようがありません。変と言ってしまえばそれまでですが、キリストへの愛は伝わって来るので、広い心で受け止めたいです。美術は自分の癖が出るものだから、しょうがないと思うんです。それにしても80代のおばあちゃんの修復は目に余るものがあります・・・。修復事件についてもっと知りたい方はこちら
以上、キリストの御顔拝見でした。



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