
「地獄の事典」は19世紀のフランスの文筆家、コラン・ド・プランシーが書いた著書です。1818年に初版が発行され、悪魔学、オカルト、迷信、俗信、占いなどに関連した内容で、ヨーロッパのみならず全国の伝承などを幅広く取り扱っています。この著書は後世の作品に大いに影響を及ぼし、巨大な蠅の姿で描かれたベルゼブブはその好例です。しかし、内容の信ぴょう性は乏しく、誤りを含んでいるので注意が必要とのことです。今回は著書に描かれた挿絵に注目し、M・L・ブルトンが描いた個性的な悪魔達を紹介していきたいと思います。
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「ベルゼブブ」
本来はカナンで崇拝された神でしたが、蠅の王となってしまいました。
16世紀の著書によれば七つの大罪では暴食をつかさどっています。

「ベルフェゴール」
便器に腰かけた悪魔。排泄物を供物にすると良いと言われています。
七つの大罪では怠惰をつかさどっています。

「バアル」
かつてヘブライ人が崇拝していた豊穣神が悪魔とされてしまったもの。
知識や戦闘に長け、信仰する者に邪悪な知識を授けます。

「ベヘモット」
ベヒーモスとも呼ばれています。旧約聖書の「ヨブ紀」の中で
巨大な怪物と描写されており、悪魔の一員となってしまいました。

「アモン」
エジプトの神アモンが由来とされていますが、定かではありません。
過去や未来のあらゆることを語ることができるそうです。

「アンドラス」
不和を広める悪魔であり、トラブルや仲たがいを引き起こします。

「バラム」
かつては中東の土地神でしたが、悪魔となってしまいました。
策略に長けており、千里眼の力を授けてくれるといいます。

「ヴォラク」
ギャンブルや異性、財産などなんでも欲するものを授けてくれる。
ただし、破滅というおまけつきで。

「ブエル」
ブエルも地獄の事典によってこの姿が定着してしまいました。
博物学の知識を持ち、召喚した者に教えるといいます。

「ストラス」
天文学や宝石、薬草の知識を持ち、召喚者に授けてくれます。

「アスタロト」
カナンの地で崇拝された異教の女神から悪魔になってしまいました。
中傷者とも呼ばれ、ものすごく口臭が臭いのだとか。

キリスト教に関連した悪魔は、異教の神が悪魔とされてしまったものが多いです。エジプト神話のイシス、北欧神話のロキなども悪魔に分類されている本もあります。キリスト教、イスラム教は唯一神で、他の神はすべて敵対者の悪魔であるという考え方なのでしょう。乱暴に言えば、ややこしい分類はすべて悪魔にぶちこんじまえみたいな感じです。だからなのか、西洋の悪魔は知識に富み、召喚した者に優しい者も存在します。個人的には悪魔達の方が個性的で変化に富んでいて、素敵だなぁと思います。皆様も悪魔学の中にどっぷりとはまってみてはいかがでしょうか?
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>> もち様へ
こんばんは。
転生する女神様のゲーム、想像以上に悪魔(神?)がいるんですね!
ベルゼブブやベルフェゴールとか、そのままですね(笑)
バアル・ゼブルとバアルは本来では同一の神であるはずなのに、二つの悪魔になってしまったとは。
ベルゼブブという蔑称も酷いですが、二倍の悪魔になってしまって、なんだか二重に可哀想です…。