Thor_und_die_Midgardsschlange

 北欧神話はノルド人がキリスト教徒になる以前に信仰していた、宗教における神話です。一般に北欧神話と呼ばれているものはノルウェーやアイスランドに伝えられた「エッダ」や「サガ」と呼ばれる物語と、デンマークの「デーン人の事跡」の説話をもとにしています。
 神話の中で有名なものとして「ラグナロク」という神々の終焉の話があります。ラグナレク(神々の黄昏)とも呼ばれ、長い冬の後、巨人たちは炎の民と共に神々の元へ攻め込み、双方が熾烈な戦いを繰り広げます。主神オーディンやトールなどの神々はこの戦争で命を落とし、神々の世界は一度滅びます。ですが、終末からやがて命の萌芽が起き、世界は再生されるのです。
 画像17点と共に、神々の運命「ラグナロク」を見ていきましょう。


PR
   

「Emil Doepler作 ギャラルホルンを吹くヘイムダル」
戦の到来を告げるのは、ヘイムダルの角笛ギャラルホルン。
猛々しい笛の音を聞き、神々は最終戦争の準備をします。
Doepler-Heimdallr

「Emil Doepler作 オーディンとフェンリル」
巨人らは魔物たちを引き連れ、神々に戦いを仕掛けます。
主神オーディンの前に現われたるは魔狼フェンリル。
Freyr_und_Surt Emil Doepler

「作者不詳 オーディンとフェンリル」
双方は一歩も引かず、激しい戦いを繰り広げます。
odin-and-fenrir

「作者不詳 オーディンとフェンリル」
オーディンは槍グングニルで応戦するものの、
フェンリルに呑み込まれて命を落としてしまいます。
オーディンとフェンリル

「作者不詳 ヴィーザルとフェンリル」
すかさず現れたのはオーディンの息子ヴィーザル。
彼は狼の下顎を踏み、心臓を剣で突き刺して父親の仇を討ちます。
images3ZZHV34Q

「作者不詳  ヴィーザルとフェンリル」
こちらも父の仇を討っている場面ですが、フェンリルちっちゃ!
オーディンどうやって呑み込まれたのでしょう・・・。イリュージョン?
fenrir vidar

「作者不詳 トールとヨルムンガンド」
横で戦っていたのは、神々の守護者トールと世界蛇ヨルムンガンド。
彼等も激しい戦いを続けています。
thor jormun

「Emil Doepler作 トールとヨルムンガンド」
世界蛇はトールに毒を吐きかけました!彼は一瞬たじろぎましたが、
間髪入れずに武器ミョルニルを相手の頭に叩きつけます。
Thor_und_die_Midgardsschlange

「作者不詳  世界蛇の毒で息絶えるトール」
ヨルムンガンドを倒しましたが、トールは九歩後ずさり、ばったりと倒れて
しまいます。蛇の毒が体内に回り、彼も息絶えてしまったのです。
thor

「作者不詳  ロキとヘイムダル」
裏切者となったロキと戦っているのは白き神ヘイムダル。
激しい斬り合いの末、彼等は互いを剣で突き刺し合います。
heimdall4

「チューダー・ハンフリーズ作 ロキとヘイムダル」
相打ちとなった二人。こっちの顔まで渋くなりそうな、戦闘の激しさが
伝わって来る絵画ですが・・・。二人とも近すぎやしませんかね?
LokiHeimdal

「作者不詳 ラグナロク」
軍神ティールもガルムと相打ちとなり、ヴァルキリーやエインヘリヤルも
巨人や悪霊と戦い、次々に命を落としていきます。
ragnarok

「作者不詳 ラグナロク」
血は大地に染み渡り、死体は連なっていきます。
その戦いの熾烈さは世界を震わすほどでした。
rag

「John Charles Dollman作 (1851-1934)  スルト」
現われたるは炎の民スルト。彼は輝く剣を振り上げ、世界を炎で
埋め尽くしてゆきます。神々は成す術なく倒されるばかり。
surut

「チューダー・ハンフリーズ作 スルトとフレイ」
スルトに立ち向かったのは妖精の王フレイ。しかし、フレイは自らの剣を
失っており、一刀の元に切り伏せられてしまいました。
ragnarok2

「Emil Doepler作 炎上するアースガルズ」
神々の国アースガルズは炎に包まれ、世界樹ユグドラシルは悲鳴を
上げて燃え、全てが無に帰していきます。
大地は海に呑み込まれ、星は天から落ちて行きます。
終末の時は訪れたのです。
varhalla炎上Ragnarok

「Emil Doepler作 再生」
・・・しかし。全てが崩壊した訳ではありませんでした。
僅かな芽吹きが大地に起こり、死を免れた動物たち、人間の男女も
いるべき場所へ帰ってきました。そして、オーディンの息子が復活し、
新しい世界を統括するのです。
The World Anew

 管理人が神話の中で一番好きなのが北欧神話なんです。初めてラグナロクを知った時の衝撃は凄まじく、こんな格好いい物語があるんだ!と思ったのを覚えています。それから本を貪り読み、エッダの世界にのめり込み、今では立派な北欧神話ファンになりました(笑
 今日で2016年が終わり、新しい年となります。年の節目という事で、あえて終末の話ラグナロクを紹介しました。もし世界に終焉が訪れたとしても、新しい神々が降臨して世界は再生する。このサイクルを信じ、2017年は輝かしい再生の年になって欲しいです。
 それでは皆様、来年もよいお年を!



PR