
Schembart Carnival (仮面仮装カーニバル) と呼ばれるお祭りは、1449年から1539年までドイツのニュルンベルクで行われていました。
木製のヒゲ付き仮面を被るのが通例のようですが、人々はお構いなしに様々な派手衣装に身を包みます。街は音楽、歌、食べ物と飲み物で溢れかえり、人々は「地獄」と呼ばれる道を行進し、政治家、権力者、政府を大声でからかいました。今回紹介するのは1590年に創刊されたカーニバルに関する本の挿絵。
派手でシュールなデザインの衣装をご覧ください。
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謎のおたまじゃくし模様と、紅白歌合戦のようなツートンカラー。

ベルセルクのグリフィスのようなロン毛に、植物柄の白衣装。

手に持っている緑のふさふさは祭りで使うものだとは思いますが、
詳しいことは不明です。知っている方、ご教授ください。
(追記) 読者の方が調べてくださいました!感謝です。
これはLebensrute(命の棒)と言うそうです。

お花柄の衣装に、道化のようなカラフル衣装。
命の棒は春を迎えるカーニバルで使う葉っぱを束ねたもので、
これで豊穣を願って女性のお尻をぺしっと叩くのだそう。

緑のふさふさからめちゃ煙が出ています。
命の棒の中に花火を仕込むこともあったそうです。
これでお尻を叩かれたら痛いし火傷しそうですね^^;

左はなかなか格好良く見える衣装。右はポーズが決まっています。
花火付き命の棒を持ってイェイ!ですね。

右のボンレスハムみたいな腕は窮屈じゃあないのだろうか・・・。

頭がハウス!ハウスから煙!シュールな全身真っ赤男現る。

東洋風のコスプレと、もはや着ぐるみを着用。悪魔に扮してカーニバル。

全身びらびら男と、全身サイコロ男。サイコロとか動けんでしょうよ!

全身シリーズ。クジャク男に、鈴男。じゃらじゃらやかましそうです。

こちらも似たようなコンセプト。
金色の物は石に見えるけれど・・・。絶対に重いですよね?

レター男現る。全身を何かで埋め尽くしたくなる衝動が?
悪魔の仲良し親子が農具を持って歩いてます。

鳥と豚に扮装した人。あらわになった胸は本物じゃないよね・・・。
振り廻してる子供も本物じゃないよね。よくできた人形だよね・・・。

森の住人夫婦。これってコスチューム?緑色のなんかを塗ってるだけ?
大事な部分がちゃんと隠れていますかね・・・。

こういった衣装を着た人がうようよと道を歩き、飲み食いして権力者をからかっていたのだから、カーニバルは相当シュールな光景だったのでしょう。カーニバルが1539年に終了してしまったのは、街の説教者 Osiander をからかい、彼を怒らせてしまった為と言われています。
しかし、カーニバルは1974年に復活し、不定期ながら現在でも行われているそうです。
→ 出典元の本「Nürnberger Schembart-Buch」を見たい方はこちら
こちらが現代におけるお祭。
すごい!本の一番目の衣装が忠実に再現されています!
こんなカーニバルに一度でもいいから行ってみたいです。

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>> 美術を愛する人様へ
こんばんは。
「緑のフサフサ」の謎を教えていただき、ありがとうございます!
リンクまで付けていただき、重ね重ね感謝です。
これは命の棒というのですか。
春を迎える祭りに葉っぱで女性のお尻を叩いて豊穣を願うなんて、象徴に溢れていますね。花火が吹き出している葉っぱでお尻を叩かれたら、痛いし熱そうです…。(歴史的に見ると面白いですが、現代でやったらセクハラ問題が浮上してきそうな予感^^;)
派手なお洋服にも何かしら象徴的な意味がありそうです。
さっそく記事を更新させていただきますね^^