道化師は滑稽な格好、面白い行動、言動などにより人々を楽しませる者のことを指します。
古代エジプトに起源があるとされており、中世では歌手、ダンサー、曲芸師、手品師、劇俳優、吟遊詩人、宮廷道化師などがひっくるめられて道化の役割を担っていました。また、奇形者、白痴、狂人など肉体的、精神的に特殊な人の多くが道化になりました。
道化師は現代のお笑い芸人と類似する部分があり、パロディー、物まね、即興の才などが重視されました。彼等は愚か者のふりをして人々を楽しませ、時にはあっと驚くパフォーマンスを行いました。
今回は滑稽者、愚者のイメージが強い道化師の絵画12点を集めてみました。
「15世紀のミニアチュール(細密画)」
中世時代の人々の服装は細かく決められており、道化師はカラフルな
まだら模様の衣服を着ることが義務付けられていました。
「デンマークのロスキレ大聖堂の装飾一部 1464年」
道化師は鈴が付いて先のとがった耳がある頭巾と、先のとがった靴、
滑稽な顔が付いた道化棒を持っている姿で描かれる場合が多いです。
「スウェーデンのウップランドにある教会の壁画装飾 1480年」
楽器を弾いている道化。彼等は楽器や歌などの特技も持っていました。
足の開き方が尋常じゃありません。はしたない・・・。
「フランス国立図書館にある原稿 年代不明」
道化師のお手本のような姿。こういった姿をした人が街を歩いていたり、
王の側近としているのだから、中世ルネサンスは凄い時代ですよね。
「南ネーデルラント由来の作品 1470-80年」
基本道化師の階級は低く、人々から蔑まれていた職業ですが、
まれに人々に人気のある者や、王の寵愛を受けた者は
破格の待遇を受けたと言われています。
「Werner van den Valckert 作 1600-27年」
題名「愚者の袖に愚者」。ちっちゃい愚者が顔を覗かせています。
いたずら小僧のような意味ありげな表情をしています。
人々を驚かせるつもりなのでしょうか。
「William Dyce 作 1851年」
シェイクスピアのリア王より。リア王が正気を失いかけた頃に道化が
現われ、王に「嘘」について問いかけている場面。
道化は秩序をひっくり返し、逆さまの世界を人々に見せます。
「ヤーコブ・ヨルダーンス作 クレオパトラの饗宴一部分 1653年」
真珠のイヤリングを溶かして飲もうとするクレオパトラを指さし、
嘲笑している道化。贅沢に対する風刺を表しているのでしょうか。
「Jan Van Beers 作 1890年頃」
トランプでマジックをする道化。服装は奇抜で滑稽な表情でも、
パフォーマンスにおいては一流なのです。
「16世紀のドイツ画家作」
ぐしし・・・と、なんたるいやらしい笑い方。
髪形を見ると聖職者をからかっているのでしょうか。
こういったことをしでかすのも道化ならでは。
「コルネリス・ファン・ハールレム作 1596年」
題名は「愚者の頭」。いかにも呆けた表情をしていますが、こういう人が
とんでもない事を言ったりしそうです。赤いほっぺが可愛いかも・・・。
「Philip Mercier 作 1735-40年」
聡明そうに見える道化さん。後世で生き残ったのは、おどけた仕草や
おふざけをしながらも、世界の展望を見据えた鋭い風刺ができる、
目上に対して挑発的な道化師でした。
道化師は人々に「逆さまの世界」を見せます。
日常に浸かった人々を驚かせ、楽しませるだけではなく、道化は人が決めたルール、タブーの境界線をやすやすと飛び越え、人々に対して物事の矛盾を提起するのです。たとえ非難の嵐にあい、攻撃を受けたとしても。
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>> オバタケイコ様へ
こんばんは^^
私も勉強したり辞めたりと長続きしません…。
実は来年あたりにオランダとスペインに行きたくて、なんとか勉強を続けようとしております。
スペインに行かれた事があるんですね!
スペイン語はまだ「オラ」と「グラシアス」しか覚えていません…。
「お腹が痛い。トイレはどこですか?」はお腹が弱い私も絶対に必須です^^;
ありがとうございます、やる気が沸いてきましたー!(^^ゞ