Portuguese School (attributed to) - コピー

 聖バルトロメオは聖バルトロマイとも呼ばれ、キリスト教の聖書に登場する十二使徒の一人です。
 伝承によると彼はタダイと一緒にアルメリアへ行って宗教を広めたとされ、この地方では篤く信仰されています。しかし、聖バルトロメオも他の聖人の例に漏れず、アルメリアで殺害されて殉教してしまいます。しかも殺され方が残虐で、身体の皮を丹念に剝がされてから首を落とされたとされています。
 生きたまま皮を剥がされる聖バルトロメオを多くの画家が描きました。閲覧注意の作品を10点お伝えします。
 

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「ステファン・ロッホナー作  1435年」
右肩の皮膚をばりばりと剥がされ、左足は切り込みが入れられています。
低等身で可愛らしく見えますが、やってることは残酷すぎです。
Stefan Lochner, 1435)

「Martin Schaffner 作  1520年」
この聖バルトロメオは、見物人がいる中仰向けにテーブルに乗せられ、
手足の先が全て剥かれた状態です。執行人は黙々と捌いています。
Martin Schaffner 1520

「作者不明  17世紀」
バロック様式の聖バルトロメオ。木に括りつけられ、腕の皮をべろり。
助けを求めるように頭上を仰いでいます。
Martyrdom of Saint Bartholomew (unknown artist, 17th

「ホセ・デ・リベーラ作  17世紀」
こちらも同じようなシチュエーションで腕の皮を剥がされています。
構図いっぱいに手足を伸ばし、存在感を表現しています。
 Bartholomew - Jusepe de Ribera

「ポルトガルの画家工房  年代不明」
両腕を剥かれ、筋肉が剝き出しになっておりますが、余り痛そう
ではありません。頭上から神の祝福がやって来たからでしょうか。
Portuguese School (attributed to)

「Giovanni Battista Paggi 作  17世紀」
べろりと足元に落ちた皮が髭のおじいさんで、
剥かれたらスキンヘッドのつるつるになったという手の込みよう。
人体模型のような不気味さと神秘さがない交ぜになっています。
Attributed to Giovanni Battista Paggi 17th

「Jaume Huguet 作  15世紀」
バロック時代は劇的な書き方をしますが、残虐さは低いです。
個人的に、時代をさかのぼる方が痛々しさが増すように思えます。
Catalan painter Jaume Huguet (1412-1492)

「Matteo di Giovanni 作  1480年」
完全に剥かれて全身真っ赤となり、
自分の皮をストールのように被るというシュールな聖バルトロマイ。
皮の先っちょの手足が恐いです。
Matteo di Giovanni, 1480

「ジョヴァンニ・ダ・ミラノ作  1355年」
こちらも皮が勢いよく剥かれて真っ赤になった聖バルトロメオ。
筋肉で描かれるより、こうやって赤く塗り潰した方が生々しく感じるような。
これを見ていると身体がむずむずしてきます。
Giovanni da Milano - Polyptych with Madonna and Saints 1355

「作者不明  中世時代」
うわあぁぁ・・・。本当にこれは痛そう。流れ出る血や垂れさがる皮膚が
他の絵画よりも生々しく、写実的ではなくても残虐さが伝わってきます。
Bartholomew

 皮剥ぎの刑にあって殉教した故、聖バルトロメオは皮なめし工、皮革の業者の守護聖人と言われています。皮業者が「良品質な皮になりますように!」とか「皮の加工がうまくいきますように!」や「皮の相場が高くなりますように!」とか皮を剥がされて亡くなった聖バルトロメオに祈っているのは、なんとも恐ろしいというか、ブラックというか。
 個人的には聖バルトロメオ=皮という率直さは可哀想に思えるのですが・・・。これも聖人の宿命ですね。




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