Simon de Myle's -

 ノアの方舟は旧約聖書の「創世記」に登場する物語です。
 ノアが生きていた時代、人々は自堕落な生活を送り、不信心な者ばかりでした。神は大洪水で世界を滅ぼそうと決め、唯一の信心者であるノアに方舟の建設を命じました。ノアは木造造りで三階建ての立派な方舟を完成させ、妻と、三人の息子とそれぞれの妻、地上にいるすべての動物のつがいを方舟に乗せました。神は予言通り洪水を起こし、地上を水で溢れさせました。方舟に乗っている者たち以外は洪水に飲まれ、生物は滅びてしまいました。洪水は40日間続き、方舟はアララト山に留まってじっと耐えていました。
 その後、ノアは方舟の窓からカラスと鳩を放ちましたが、帰ってきました。七日後、もう一度鳩を放ってみると、オリーブの葉をくわえて戻ってきました。遂に緑の大地が現れたのです。ノアたちは方舟を出て、祭壇を作って神に動物の生贄を捧げました。神はノアたちを祝福し、これから先は洪水を起こして人類を滅亡させないよう約束をしたとされています。
 救済と滅亡というテーマは画家の創作力を搔き立て、多くの作品を生み出しました。ノアの方舟にまつわる絵画、11点をご覧ください。



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「Kaspar Memberger the Elder 作  16世紀」
方舟はノアとその家族が手分けして作ったとされています。
ノア夫妻と三人の息子夫婦の8名で方舟を作るのは大変そうです。
Kaspar Memberger the Elder 16

「フランスのマスター作  1675年」
題名は「方舟の建設を指揮するノア」。あれ?家族以外にも手伝う人が。
抗議している男やもの欲しそうな男に「駄目じゃ駄目じゃ!」
と言わんばかりな態度。手伝わせて、乗せてあげないというオチなのか!?
Franzosischer Meister 1675

「エドワード・ヒックス作  19世紀前半」
方舟に次々と乗り込んでいく動物たち。ノアの方舟のデザインは
画家によって様々です。この方はお家型の方舟ですね。
住み心地良さそう・・・。
Edward Hicks

「時祷書の挿絵  中世時代」
デザインはお城のように立派ですが、狭すぎる方舟。
それよりも動物の顔がシュール!
ライオンの顔がナイスだし、左隅の象さんが可愛らしい!
Libro de horas

「Simon de Myle 作   1570年」
船の上に小屋がちょこんと乗った方舟。リアルさにのっとった感じですね。
動物たちが入ろうと群がっています。
手前の方で狩りやら喧嘩が起こってません?絶滅大丈夫?
Simon de Myle's

「Kaspar Memberger  the Elder 作  16世紀」
そして・・・。大洪水は訪れました。
徐々に水位が増していき、人々は成す術もなく右往左往しています。
遠景には方舟が静かに浮かんでいます。
Kaspar Mem berger

「Francis Danby 作  1837年」
高い山も洪水に埋もれ、人々は次々に荒波に呑まれていきます。
右隅で天使が女性の傍にそっといますが、最期の慈悲を与えようと
しているのでしょうか。左隅の奥に方舟の姿が。
Francis_Danby_c1837

「フィリップ・リチャード・モリス作  19世紀後半」
40日が経ち洪水が収まったので、ノアはカラスの後に
平和のシンボルである鳩を放ちました。
一度目は戻りましたが、二度目は・・・。
philip richard morri

「コンデ美術館にある写本の挿絵  15世紀後半」
まんまるドーム状の方舟。可愛らしくて素敵な形です。
鳩はオリーブの葉を持って帰ってきました。水は引いたのです。
late 15th century, Musee Conde, Chantilly

「ヒエロニムス・ボス作   1510-15年頃」
水が引いた大地を、動物たちとノアの家族は降り立ちます。
そこは死で溢れており、生きている者は自分達だけでしたが、
ノアは神に感謝の意を伝えることにしました。
 1500-1504

「ダニエル・マクリース作   1847-53年」
感謝の意を込めて動物を生贄にすると、神は虹を浮かばせて
ノア達を祝福し、今後洪水を起こさないことを約束しました。
動物はつがいしかいないのだから、生贄にしたら一種類絶滅するかも?
Daniel Maclise 1847-53

 これは旧約聖書の物語ですが、ノアの方舟は実際に存在すると考える研究者も存在します。ノアの方舟が漂着したとされるアララト山は実在し、1959年にそこの山腹で方舟のように見える遺跡が発見されたのです。本当に方舟なのかを研究者が調査しているものの、真偽のほどは分かっていません。
 人類が滅びるほどの洪水は大げざのように思えますが、大昔に実際に大損害を与えるほどの洪水があったことは分かっていますので、巨大な船を造って生き延びた人々もいたかもしれません。それが口頭で伝えられ、伝承となり、ノアの方舟の物語が生まれたのでしょうかね。



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