ヴィクトル・ヴァスネツォフ作(1887年) -

 四騎士は新約聖書の「ヨハネの黙示録」に登場する、人々に災厄をもたらす神の使い的存在です。
 英語では「馬に乗る四名の者(four horseman)」と言われており、騎士とは異なるのですが、日本では四騎士と呼ばれているので、それに準じさせていただきます。
 物語によると、神が持っている巻物は封印がされていて、それを一つずつ解くと人々に災厄が訪れます。第一の封印を解くと白い馬に乗って弓を持った、冠を被った者が現れます。彼は「支配」を担っています。第二の封印は赤い馬に乗り、大剣を握った者が現れました。彼は「戦争」を担っています。第三の封印は黒い馬に乗り、天秤を持った者が現れました。彼は「飢饉」を担っています。そして、第四の封印を解くと青白い馬に乗った「死」が現れます。傍には「黄泉」を連れており、疫病を用いて人々を死に追いやる役目を持っています。
 彼等は地上の四分の一の人間を死に至らしめ、去っていきました。恐ろしい災厄を象徴する四騎士の絵画11点をご覧ください。


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「ベアトゥス写本の挿絵  1047年」
馬の模様がドットだったりハートだったり可愛いです。
当時は青色を出すのが難しかったのか、死が黄色の馬に。
引きつれた黄泉の姿がユーモア恐ろしい・・・!
Beatus Facundus (1047

「ベアトゥス写本の挿絵  970年」
白い馬の模様がキモいし、黄泉がうぇーいと言った感じだし、
本気で描いたかもしれませんが、面白い作品です。
 970

「ベアトゥス写本の挿絵  11世紀」
う、馬!?四騎士は忍者!?
バタバタ倒れた人の体勢もシュールな、ツッコミどころ満載の作品です。
Saint-Sever Beatus, 11th

「1478年に作られた聖書の挿絵」
四騎士の姿が兵士や貴族といった姿になりました。
「死」も骨の姿になり、鎌と剣を持って死神の仕事をする気満々です。
後ろに従えている怪物が黄泉でしょうか・・・。恐ろしいもの連れてきましたね。
1478 bible

「Matthias Gerung 作  1530-32年」
時代が経るにつれ、色彩がちゃんとしてきました。
白い馬の男の弓の形が面白いです。死のおとも黄泉が可愛い。
ちなみに右下にいる人は、幻視を見ている聖ヨハネです。
Matthias Gerung 1530-32

「アルブレヒト・デューラー作  1498年」
飢饉をまき散らすお方が一番やる気満々に見える。
黄泉に喰われている人がもういます。上空を滑空する天使が楽しそう・・・。
Albrecht Durer 1498

「ヴィクトル・ヴァスネツォフ作  1887年」
個人的に好きな作品。それぞれの特性がよく現れています。
でも、黄泉がいないのが寂しい・・・。
ヴィクトル・ヴァスネツォフ作(1887年)

「ベンジャミン・ウエスト作  1796年」
最初左の剣持ってる人が赤だと思いましたが、違うようです。
左の人は一般人で、四騎士は右側に固まっています。
この死はいっぱい黄泉を連れてきましたね。
Death on a Pale Horse (1796)  Benjamin

「エドヴァルド・フォン・シュタインレ作  19世紀」
聖書というより神話のワンシーンのような絵画。
飢饉が珍しく女性のように見えます。黄泉たちは死の分身か子供のようです。
edward jakob von steinle

「ウィリアム・ブレイク作  18世紀後半-19世紀前半」
巻物の封印を全力で解く神と、やる気満々のニ騎士。
神を入れたくて、構成上四名も入れたくなかったのでしょうか。
幻想画家ウィリアム・ブレイクならでは。
William Blake

「アーノルド・ベックリン作  19世紀後半」
またの題名を「ペスト」。三名しかいない?と思いましたが、
よく見たら赤と黄色のお兄さんの間にドワーフみたいなおじさんが。
死のふんぞり返ったドヤ顔が恐ろしい。
War (four horsemen)  Arnold Böcklin

 四騎士は人々に災厄をもたらす存在であり、中世ルネサンス時代の人々は彼らを畏怖していたと思われます。しかし、現代における四騎士の存在は変化していて、画像を検索していたら日本で言う戦隊ヒーローみたいになっているのを発見しました。(日本ではなく、西洋のエンタメにおいて)
 白、赤、黒、青と色に分けられて、設定的に格好いいから使いたくなるのも分かるのですが、現代でもヨハネの黙示録を信じている人もいると思われるし、かつては畏怖されていた存在なのだから、それがエンターテイメントとなっていくのはどうなんだろう・・・と思う部分もあります。そういう私も、二次創作は嫌いじゃないですが。

→ ヨハネの黙示録について知りたい方はこちら



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