Hexenverfolgung -

 魔女狩りは15~18世紀にかけて流行した、宗教差別を含んだ大規模な迫害です。
 魔術や呪術を使ったとして裁かれた者は前々から存在していましたが、15世紀の半ば頃に「魔女」という概念が「悪魔と結託した異端者」という、よりキリスト教的な狭義のものとなり、異端審問が強化された為に魔女狩りが激化していきました。15世紀後半に「魔女の鉄槌」という魔女狩りのノウハウ本が創刊されたのも後押しとなりました。最も魔女狩りの嵐が吹き荒れたのは16世紀~17世紀後半にかけてで、ドイツ(神聖ローマ帝国)が一番酷かったです。
 魔女の疑いをかけられると、必ず有罪の裁判が行われ、拷問をして自白を強要させます。苦痛により「魔女です」と白状した被害者は火あぶりが待っています。逃げ場はどこにもないのです。魔女探しは密告で行われ、「猫を飼っているから」「なんか気に喰わないから」「美しすぎるから」というとんでもない理由で魔女だとされてしまった人もいます。魔女を探すと莫大な懸賞金が与えられるので、密告を繰り返して生計を立てる者もいました。こうしたことが魔女狩りに拍車をかけることになったのです。
 魔女狩りについて学ぶ為に、12点の絵画を見ていきましょう。閲覧注意です。


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「作者不詳  18-19世紀?」
疑いの目は、寡婦、老婆、薬屋、粉引き、乞食、狂人、障がい者など
村のはみ出し者になっている者のところへ向けられました。
Medieval_Witchcraft

「T. H. Matteson 作  1853年」
裁判では被害者の言葉は耳に貸さず、必ず有罪判決が出ました。
魔女だと判定するには、全身を針で刺しまくるのです。
痛くない部分があれば魔女となり、ほくろやあざが魔女の印
であるとも考えられていました。
 Matteson 1853

「作者不詳  18世紀?」
キリスト教の思想と、悪魔や異端者、女性や弱者に対する
差別意識が魔女狩りの基礎を為しています。
宗教で行為を正当化していても、やっていることは理不尽な殺人でした。
Hexenverfolgung

「ヤン・ルイケン作   1685年」
魔女狩りをおこなった主な宗派はカトリック教徒で、ルターから
発端したプロテスタント派は反対する者が多かったと言われています。
Jan Luyken 1685

「写本挿絵  14世紀」
魔女狩りは集団ヒステリーから生じた事象と考えられています。
気温の異常低下やペスト、戦争の恐怖から人々は疑心暗鬼となり、
自分と異なる存在を排除しようと魔女狩りが起こったのでしょう。
14 century

「Johann Jakob Wick 作  1585年」
犠牲者数はおびただしいものの、数は断定されていません。
10万人~900万人の幅で考えられています。ペストや飢餓、戦争など
死因は沢山あった時代です。死者数は想像を絶するでしょう。
1585 Johann Jakob Wick

「作者不詳  15-16世紀?」
犠牲者の多くは女性でしたが、男性の犠牲者も勿論いました。
結構な権力を持った所帯持ちの男性も密告され、火あぶりにされたそう。
stake 2

「写本挿絵  1555年」
被害者の魂は、悪魔が地獄へ連れていくと考えられていました。
悪魔の仲間である魔女は永久に地獄から出られないのです。
Hexenverfolgung 1555

「グリゴリー・ミャソエードフ作  19世紀後半-20世紀前半」
当時、燃料促進剤は高価で、技術的に火力が上がらなかったそうで、
被害者は時間をかけて苦しみ、生焼けの状態になってしまうそう。
Myasoyedov

「作者不詳  16-17世紀」
ドイツではこういった処刑台が使われることもあったよう。
煙で窒息したり、一気に焼けたりすることはなく、徐々に熱を浴びさせる・・・。
酷い話です。
16-17

「Peder Severin Kroyer  1906年」
周囲は見物人が取り囲み、時にはお祭状態であったそう。
屋台も出ていたとか。人間ってむごい・・・。
Peder Severin Krøyer  1906

「作者不詳  16-17世紀?」
そっぽを向いて話す僧侶に、火刑の熱で暖を取る乞食。
この時代はこれが当たり前に行われていたのでしょうか。
恐ろしい時代です・・・。
stake

 アフリカでは、現在においても魔女狩りが行われているそうです。魔術や呪術を信じている、一部の狂信的な人物が被害者を私刑に合わせ、殺害してしまうそう。ヨーロッパでも魔術や悪魔がらみの暴行、殺人は今でも起こっています。人間の他人に対する無意識の恐怖、偏見がなくならなければ、魔女狩りは根絶しないように思います・・・。

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