Edouard Cibot 1833 -

 堕天使は神の使いでありながら、反逆者サタン(ルシファー)側に付き、離反した天使のことを指します。
 反逆した天使は神によって罰せられ、地獄へ追放されました。どうして反逆をすることになったのかは諸説あり、サタンが神より優れていると思ったから、神が人間を寵愛した為に嫉妬したから、神の束縛から自由になりたかったからなどがあります。彼等は天使と同じように上、中、下の三隊の階級に分けられており、サタンを筆頭にしてベルゼブブ、バアル、アスモデウス、ベリアルなどの上級の堕天使がいます。地獄へ落とされた堕天使は悪魔へと変貌し、天界を乗っ取ってやろう、人間を陥れてやろうと虎視眈々と狙っているのです。
 地獄へ追放される堕天使の絵画11点をご覧ください。



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「ヨハン・ネポムク・エンデル作  19世紀」
あーだりぃと言った感じに、惰眠を貪ってごろ寝する堕天使たち。
神の使者としてのお仕事をする気ゼロです。
Fallen Angels19th Johann Nepomuk Ender

「Edouard Cibot 作  1833年」
見るからにあくどい表情をしている二人の堕天使。
日本の少年漫画に出てきそうな顔をしているような気が。
Edouard Cibot 1833

「アレクサンドル・カバネル作  1847年」
顔を隠しているちょっとイケメンな堕天使。肉体の描写が見事です。
Fallen Angel (Alexandre Cabanel)1847

「ジョージズ・シャトラン著の本の挿絵  1470年」
ぼとぼと…と効果音がありそうな墜落です。天使から悪魔に変容が
進んでおり、下に行く者は醜い怪物に変わってしまっています。
Georges Chastellain  1470 fallin angel

「ビザンティン美術のイコン」
天使ミカエルによって敗れるサタンと、異形となり果てて堕ちてゆく
堕天使たち。下には奢りの象徴であるバベルの塔と、信仰している者
が双対的に描かれています。
Byzantine icons

「ピーテル・ブリューゲル(父)作  1562年」
怪物画をたしなむブリューゲルに描かせたら、堕天使だってモンスターに
なっちゃいます。黄金の鎧を着たミカエル様率いる天使軍が、
怪物たちをめっためたにやっつけています。
Pieter Bruegel the Elder

「ピーテル・パウル・ルーベンス作  17世紀」
そういえばルーベンスとブリューゲルって同じ名前なんですね。
墜落というより、団子状態となって地獄へと落ちる堕天使たち。
Peter Rubens17

「シャルル・ルブラン作  17世紀」
上手くハイライトを使って天使の善性、堕天使の悪性を描き出しています。
Charles Le Brun

「フランス・フロリス作  1554年」
こちらも、もみくちゃの堕天使団子ができています。
堕天使は悪魔へと変わり、猪や犬、蛇など様々な動物の顔をしています。
Frans Floris 1554

「ドメニコ・ベッカフーミ作  16世紀」
画像が暗く、ミカエルの顔がホラー気味になってしまいました。
地獄で堕天使は苦しんでおりますが、天上の神はハーレムのようになってます。
Domenico Beccafumi

「ドメニコ・ベッカフーミ作  1524年」
剣を掲げて「行け!」と指示するミカエルに、一斉に突撃する天使達。
堕天使たちは成す術もなく逃げまどっているように見えます。
Domenico Beccafumi, 1524

「Eugenio Cajes 作  1605年」
「もうお前たちに用はない」と言わんばかりに踵を返すミカエル。
完膚なきまでこてんぱんにやられた堕天使はしょんぼり顔をしています。
Eugenio Cajes 1605

 昔、天使から追放された堕天使がいるなら、悪魔から上がった昇悪魔がいてもいいじゃん、と思って昇悪魔をテーマにした小説を書こうとしたことを思い出しました。(中途半端で止めましたが・・・)
 昇悪魔は私が勝手に考えた単語であり、存在はしません。どんなに文献を読んでも、悪魔から天使となった者の話は出てきません。キリスト教において邪悪なものが清らかになるのはあり得ず、罪を犯して地獄へ落ちた者は、永遠に天国へは登れないのです。象徴的な話にとやかく言うのはあれですが、そう言った潔癖性というか、至上主義は少し悲しく思います。
 個人的には、昇悪魔がいたっていいと思うんですけどね・・・。

→ ミカエルに踏まれるサタンの絵画を見たい方はこちら



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