Edward Burne-Jones, 1875 -

 ケルベロスはギリシャ神話に登場する、冥界の番犬です。一度はゲームや漫画で名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
 一般としてケルベロスは「三つの頭を持つ獰猛な犬」として描かれ、竜の尻尾と蛇のたてがみを持つ、三つ首の巨大な犬や獅子の姿で表される場合もあります。ヘシオドスの「神統記」では50の首を持つ犬として描かれています。ケルベロスは冥界から脱走者がないように監視している役目を担っており、死者の霊が冥界へ来た場合はそのまま通し、冥界から脱走しようとする者がいれば捕まえて貪り食らうとされています。生者の侵入者も同様の末路を辿りますが、ヘラクレスやオルフェウス、プシュケなどは様々な手段を使ってケルベロスをやり過ごし、冥界に入ることを成功させています。
 冥界の番犬ケルベロスの絵画11選をご覧ください。


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「作者不明  中世の彩色写本」
王ハデスと妃ペルセポネを筆頭にして、冥界の人々が描かれています。
足元の青色の三つ首犬がケルベロス。顔がいかついです。
Cerberus

「壺型陶器に描かれた作品  6世紀」
英雄ヘラクレスはエウリュステウスに命じられ、十二の難業を果たしました。
その中の一つがケルベロスを捕まえることでした。
Hercules and Cerberus, 6th

「「壺型陶器に描かれた作品  6世紀」
彼はハデスに傷つけたり殺さないと約束し、番犬に掴みかかります。
ケルベロスは抵抗をするものの、ヘラクレスは掴んだまま離しません。
Heracles and Cerberus  6th

「イタリアの不明の画家  16世紀」
こ、この捕まえ方は可哀想ですって!
ケルベロスの顔が、なんとも情けない感じになっております。
Anonymous, Italian, 16th

「ピーテル・パウル・ルーベンス作  1636年」
ヘラクレスは番犬を地上へと引きずっていきます。太陽の光を
浴びたケルベロスは狂乱してよだれを垂らします。Peter Paul Rubens - Hercules and Cerberus, 1636

「ヨハン・ケーラー作   1855年」
飛び散ったよだれは地面に落ち、猛毒の草となりました。
それが毒草トリカブトの由来となっています。
Johann Köler  1855

「フランシスコ・デ・スルバラン作  17世紀半ば」
難業を果たしたヘラクレスは番犬を放ち、
ケルベロスは一目散に冥界へと戻ったそう。
悪いことをしてないのに、とんだとばっちりですね。
Francisco de Zurbaran

「フィリップ・ウッフェンバッハ作  16世紀後半-17世紀前半」
ヘラクレスとケルベロスの顔が個性的な絵画。
400年近く前の人なのに、現代チックな絵に見えてしまう。
Philipp Uffenbach16-17

「Agostino dei Musi 作 1528年」
英雄オルフェウスは得意の竪琴を奏でてケルベロスを眠らせ、
まんまと冥界へ進みました。
→ オルフェウスについて詳しく知りたい方はこちら
Agostino dei Musi 1528

「エドワード・バーン・ジョーンズ作  1875年」
また、ケルベロスは甘いものが大好きという説もあります。
蜂蜜と小麦を練って焼いたお菓子をあげると、喜んで食べるので、
その間に横を通れるのだそう。可愛い!
Edward Burne-Jones, 1875

「ウィリアム・ブレイク作  1920年」
ダンテの「神曲」でもケルベロスは登場し、暴食の罪の人々を引き裂く
姿が書かれています。冥界から地獄へシフトし、ケルベロスも地獄の
凶悪な怪物といった感じになっております。
Cerberus

 西洋において「3」という数字は「三位一体」と結び付けられます。「神、キリスト、聖霊」の三位一体が最も有名で、神曲のルチーフェロ(ルシファー)も三つの頭をしています。ケルベロスの三つの頭は「保存、再生、霊化」を象徴しており、死後に魂が辿る順序を表しているとされています。

→ ルチーフェロについて詳しく知りたい方はこちら
→ 三位一体について詳しく知りたい方はこちら


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