
ギリシャ神話に登場する牧神パンは、半人半獣のような姿をした神の一人です。
上半身は人間の男性で、下半身は毛むくじゃらで足は蹄、山羊のような角を持ち、ローマ神話ではファウヌスと同一視されています。踊りと音楽が趣味で、遊び好きで好色、シュリンクスと呼ばれる吹奏楽器を持っています。山野の精霊サテュロスと同一視されることもありますが、基本的にパンは神の一人で、サテュロスは精霊の総称のようです。一説には伝令の神ヘルメスと人間の王女との間に産まれたとされ、ヘルメスがオリュンポスへ連れてきたと言われています。
牧神パンの絵画11選をご覧ください。なお、パンの絵画を掲載したつもりでしたが、サテュロスの絵画が紛れ込んでいる可能性があります。もし「これは違うよ」という絵画がありましたら、直ぐに変更いたしますのでご連絡ください。
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「イタリアの画家 17世紀」
パンは羊飼いや羊の群れを監督する神で、牧神とも呼ばれています。
上半身は男性で、下半身は山羊のような獣の姿をしています。

「ノーマン・ミルズ・プライス作 1877-1951年」
パンは基本陽気な中年男性の姿で描かれます。
毎日踊ったり、歌ったり楽しく生活しています。

「ピーテル・パウル・ルーベンス作? 1610年」
パンは昼寝を邪魔されるとマジ切れし、人々や家畜に恐怖を与えることが
ありました。それが「パニック」の由来となったとされています。

「ピーテル・パウル・ルーベンス作 1618-19年」
酒の神ディオニソスはパンの名付け親でもあり、パンと非常に仲が良いです。
好色、享楽的、陽気はまさにディオニソスによく似た性格です。

「二コラ・プッサン作 1594-1665年」
パンはアルテミスの侍女シュリンクスに恋をしてしまい、アタックを
しましたが拒絶されます。パンは諦めきれずに逃げる彼女を追いかけ
続けます。そしてシュリンクスは・・・。

「ウォルター・クレイン作 1845–1915年」
彼女は拒絶するあまり、川辺の葦(あし)に変化しました。パンはその葦を
幾らか切りとり、楽器を作りました。それが常に持っている「パンの笛」
の由来とされています。

「アンニーバレ・カラッチ作 1560-1609年」
パンがアルテミス(ディアナ)へ羊毛のような物を差し出しています。
侍女を葦に変えてしまったお詫びでしょうか?
神話を探しても、このようなシーンはありませんでした。

「ハンス・マカート作 1872年」
この絵画はパンと森の精であるニュムペーを子供に描いています。
ニュムペーたちとパンは仲良しで、
よく一緒に歌を歌ったり、踊ったりしています。

「Francesco Mancini 作 1679–1758年」
愛の神クピドと楽しそうにたわむれています。
愛に忠実なパンと相性が良いのでしょう。

「フランツ・フォン・シュトゥック作 1863 -1928作」
この絵画の題名は不協和音。サテュロスっぽい子供が
パンの笛を使ってけたたましい音を立てています。陽気なパンも
さすがのこの表情。微笑ましい光景です。

「イングランドの庭園RHS ガーデン・ウィスリーにあるパン像」
流し目が素敵なパンの像。パンは現代においても男性の強さを象徴する
神として崇拝されているそうです。結構女子からも人気がある神ですし・・・。

ちなみに、パンは芸術の神アポロンと音楽対決をしたことがあります。サテュロスの一人、マルシュアスみたいに皮剥ぎの刑にはなりませんでしたが、パンに軍配を上げたミダス王が「お前には聞く耳が全くない」とアポロンにキレられて、ロバの耳にされてしまいました。アポロンとディオニソスは真逆の存在とされ、犬猿の仲でいがみ合っていますから、ディオニソス派のパンはアポロンにとって非常に面白くない存在なのでしょう。神々の派閥というのも恐ろしいですね。
→ マルシュアスとアポロンの音楽合戦の絵画はこちら
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>> 有馬和様へ
バイカウツギ、可愛いお花ですね!
シュリンクスは牧神パンから逃げて葦になってしまったとされているので、パンは葦のイメージが強いのですが、こんな可憐なお花とも関連があるとは。
身近なところで神話や伝説から来た名前に触れると、楽しくなりますよね^^
ちなみに我が家にはスイセンがいっぱい咲いていますw