Charles Amable Lenoir -

 ジャンヌ・ダルクは「オルレアンの乙女」とも呼ばれ、15世紀のフランスに生きた実在の女性です。
 12歳の時に「フランスの皇太子を即位させよ」という神の啓示を受け、自ら戦争に出向いて兵士たちを指揮し、イングランドとの戦争で負け続きだったフランスに勝利をもたらしました。しかし、彼女はブルゴーニュ公国に捕虜として捕らえられ、敵国イングランドへ引き渡されてしまいます。そこで異端審問を受けて死刑判決を言い渡されます。1431年、ジャンヌ・ダルクは火刑に処されました。若干19歳でした。ですが、それから数十年後には彼女の無実が証明され、20世紀には神の声を聴いたことが認められ、カトリック教の聖人に列されています。
 ジャンヌ・ダルクの勇ましく美しい絵画、15点をご覧ください。


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「ウージェーヌ・ティリオン作  1876年」
農夫の娘であるジャンヌ・ダルクは12歳の時に啓示を受けました。
その時、大天使ミカエル、聖カタリナ、アンティオキアの聖マルガレーテの
三名が現れたと言われています。
Eugene Thirion 1876

「Gaston Bussiere   1862-1928年」
啓示は「イングランドを倒し、皇太子を王位に就かせよ」という内容でした。
彼女はその言葉を信じ、貴族の元へ赴いて預言を伝えます。
Gaston Bussiere  (1862-1928)

「ジャンヌ・ダルクの挿絵  1485年」
始めは嘲笑していた貴族たちも、ジャンヌ・ダルクの予言の的中と
熱意に押されていきます。シャルル七世に謁見した彼女は、軍の
入隊と武具の着用を許されます。
Joan_of_Arc_miniature_1485

「ジャンヌ・ダルクの挿絵  1505年」
当時、フランスは負け続きでボロボロでした。しかし、ジャンヌ・ダルクが
戦争に出るようになると、連続勝利の快進撃となりました。
Joan_of_Arc_1505

「ドミニク・アングル作  1780-1867年」
彼女は守備一方の消極的な意見を一蹴し、攻めることを主張しました。
作戦会議でも自らの意見を積極的に発言したそうです。
Jean Auguste Dominique Ingres (1780-1867)

「Paul Antoine 作  1849–1926年」
首に矢傷を受けても怯まずに戦った彼女は、兵士の間で徐々に
尊敬が集まり始めます。この絵画のジャンヌ・ダルクはとても強そう。
Paul Antoine

「ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ作  19世紀」
男勝りというより、芯の強い勇敢な女性だったそうです。
神の啓示を一途に信じ、それに従って戦い続けた格好いい女性。
Dante Gabriel Rossetti

「Adolf Alexander Dillens 作  19世紀」
しかし、ジャンヌ・ダルクはイングランド側に付いていたブルゴーニュ公国
の捕虜になってしまいます。彼女の運命はここから狂い始めます。
Adolphe-Alexandre Dillens

「Albert Lynch 作   1903年」
フランスは身代金を払ってジャンヌ・ダルクを取り戻そうとしませんでした。
彼女は祖国に見捨てられたも同然でした。
Albert Lynch  1903

「ジョン・エヴァレット・ミレー作  1829–1896年」
結局イングランドが身代金を払い、ジャンヌ・ダルクの身柄は敵国側へ
渡ってしまいます。彼女は魔女として、異端審問にかけられることになります。
Everett Millais (1829–1896)

「ポール・ドラローシュ作    1824年」
裁判は不条理な内容で行われ、結局ジャンヌ・ダルクは女の服を
着るという誓いを破って男装した為、死刑判決を言い渡されることになります。
ポール・ドラローシュ   1824

「George William Joy 作  1844 – 1925年」
ジャンヌ・ダルクが再び男装をすることを選んだのは、彼女の独房に
男が入って嫌がらせをしようとしたとか、ドレスを盗まれて男装するしか
なかったとか言われています。
George William Joy (1844 – 1925)

「Hermann Stilke 作  1843年」
1431年5月30日、ジャンヌ・ダルクは火刑になりました。
「自分の前に十字架を掲げて欲しい」と頼み、それは叶えられました。
Stilke_Hermann_Anton_-1843

「Jan Styka 作  1922年」
彼女は灰になるまで燃やされ、執行者たちによってセーヌ川へ
流されました。フランスとイングランドの戦争「百年戦争」はその後、
22年間続けられました。
Jan Styka - Joan d’Arc, 1922

「Charles Amable Lenoir 作  19世紀後半-20世紀前半」
戦争終結後、ジャンヌ・ダルクの復権裁判が行われました。判決は
間違いとされ、1456年に無罪が宣告されます。そして彼女はフランスの
英雄となり、1920年にはカトリック教の聖人となったのでした。
Charles Amable Lenoir

 戦争は怖いです。どれだけ国に奉仕して成果をあげても、誰かに疎まれていたり、分が悪かったりすれば易々と見捨てられてしまう。ジャンヌ・ダルクは「神の啓示」という特殊な物事が絡んでいますが、まさに人間の暗黒の部分の犠牲者です。
 異端者から一転、聖人となったジャンヌ・ダルク。そういった立場は人間の思想が生み出したまやかしであり、光と闇は紙一重なのかなと思います。



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