Mårten Eskil Winge, 1872 -

 北欧神話に登場する雷神トールは、神と人間の国を守るアース神族の守護神です。
 映画や漫画で引っ張りだこにされているので、知っている方は多いのではないでしょうか。力自慢で豪胆、大食漢であるトールはその反面、知識には疎く単純です。一説にはオーディンとヨルズの息子とされています。武器のハンマー、ミョルニルは投げると手元に戻って来て、使わない時はポケットに入るくらいまで小さくなるという優れもの。これで巨人を退治しまくっています。また、トールは鉄の手袋をはめ、攻撃力が二倍になるという力帯をはめています。何故か狡猾の神ロキとは気が合うようで、二人はよく一緒に旅に出ています。ロキに助けられることもあれば、痛い目に合わされることもあります。
 北欧神話の切り込み隊長、トールの絵画13点をご覧ください。


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「18世紀のアイスランド写本」
気になる部分が満載のトールの挿絵。大工さんのようなハンマーだし、
帽子の紐の先の謎の生物は一体なんでしょう・・・。
Thor (Iceland, 18th century)

「アーサー・ラッカム作  1867-1939年」
ハンマーを持つ、赤毛でひげもじゃでムキムキな大男。
それがトールの定着したイメージです。トールは巨人の血を継いでおり、
山のような大男だったとされています。
Arthur Rackham

「マックス・コック作  1900年」
トールは二匹の山羊(タングリスニとタングニョースト)がひく戦車に乗って
空を飛んでいます。戦車が立てる音は凄まじく、
それが雷鳴になって聞こえてくると当時は考えられていました。
Max Koch (1900)

「「Marten Eskil Winge 作  1872年」
トールは巨人から神々や人間の国を守る役目を担っており、
巨人達から非常に恐れられていました。
トールのエピソードには巨人と戦う話がとても多いです。
Mårten Eskil Winge, 1872

「J.L. ルンド作   1777-1867年」
トールは雷神、農耕神として深く信仰されていた神で、オーディンは
貴族、トールは民衆に人気のある神でした。動物の生贄を捧げ、
トールの守護を願う儀式が当時行われていました。
 Lund (1777-1867)

「ヨハン・ハインリヒ・フュースリ作  1790年」
トールは巨人ヒュミルと共に、魚釣りに出かけたことがあります。沖へ
出ていったトールは世界蛇であるヨルムンガンドを釣り上げてしまいます。
Johann_Heinrich_Füssli

「C・E・ブロック作  1930年」
もう少しで世界蛇が釣れるというところで、ヒュミルが「転覆する!」
と糸を切ってしまいます。こうしてヨルムンガンド釣りは叶わず、
蛇は海の底へ潜っていってしまいました。
1930 Charles Brock

「Katharine Pyle 作  1863-1938年」
巨人の館でトールは猫を持ち上げる力試しを行いました。彼はもう少しで
成功しそうでしたが、持ち上げることはできませんでした。
しかし、その猫の正体はヨルムンガンドだったのです。
→ トールのウトガルザ・ロキの能力試しについて知りたい方はこちら
Katharine Pyle

「作者不詳  中世の写本」
光の神バルドルの葬儀の時、トールはハンマーで遺体を清めていました。
その時、リトルという小人が彼の足元に飛び出てきます。
トールは悲しみと怒りのあまり、小人を蹴とばして一緒に燃やしてしまいます。
→ バルドルの死について知りたい方はこちら
thor  dwarf

「E・ボイド・スミス作  1902年」
トールは巨人に盗まれた自分のハンマーを取り戻す為、愛の女神フレイヤに
なりすまして花嫁衣裳を着たことがあります。といってもトールは嫌々で、
かなりギャグな物語になっています。背後で笑っているのはロキです。
(1902)Elmer Boyd Smith

「カール・ラーション作  1893年」
ゴゴゴ・・・と激おこなトールを綺麗(?)にメイクアップしているのは、
侍女に扮装しているロキ。花嫁トールはロキと共に巨人の結婚式へ行き、
無事にハンマーを取り戻して巨人をめためたにします。
Carl Larsson (1893)

「作者不詳  19世紀の版画」
しょぼすぎますよこのトール!
19th-century woodcut

「Emil Doepler作 1855-1922年」
神々と巨人の最終戦争ラグナロクにおいて、トールは宿敵ヨルムンガンドと
戦闘します。彼は世界蛇の頭を砕いて殺しますが、自分も蛇の毒にやられて
命を落としてしまいます。
→ ラグナロクについて知りたい方はこちら
Thor_und_die_Midgardsschlange

 ヴァイキング時代の人々はトールの守護を得る為、ハンマーミョルニルを模したお守りを作りました。それを首にかけたり懐に忍ばせたりして、天候や戦争などあらゆる災厄から守ってくれるよう祈ったのです。また、トールのミョルニルは結婚式や葬儀の際にも使用されたそうで、お清めの意味を持っていました。しかし、ハンマーのお守りはキリストの十字架にとって代わられていき、トールを信仰する者は現代ではほとんどいなくなってしまいました。
 ですが、現代でもミョルニルはアクセサリーとして販売されているので、買って身につければトールのご加護を得られるかもしれません!私も一つ買おうかなぁ…と悩んでいます。買うなら銀が良いかな。どうしようかな。



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