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 キリスト教の始祖イエス・キリストは過去から今まで、数多くの画家に描かれてきました。ピエタや悲しみの人、磔刑など新約聖書のすべての物語は絵画で表現されてきました。長い期間の間に「茶の肩までの長髪で、髭を生やした痩せた男性」というキリスト像は形成され、固定化されてきました。人類の救世主であるキリストは、思慮深く、静かで賢者そうな雰囲気を称えた感じに表現される作品がほとんどです。
 しかし、中には「どうしてこうなった?」と思える作品が存在します。わざとこうしたのか、勝手にこうなってしまったのか。画家はどう思ってその作品を描いたのか。疑問が多数に浮かぶ作品が、中世時代だけではなく、ルネサンスやバロック時代の絵画でもあります。
 「どうしてこうなった」と思えるキリストの絵画、12点をご覧ください。段々とレベルが高くなっていきますよ。


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「コジモ・ロッセッリ作 1439-1507年」
キリストの苦しみを表した絵画を「悲しみの人」と呼びます。
顔色が土気色です。唇の色も紫色ではありませんか。描写はとても
丹念ですが、ほぼ死人の色合いをしています・・・。
Cosimo Rosselli  1439-1507

「ペトルス・クリストゥス作  1445年」
眉根にしわを寄せて、不機嫌そうなキリスト。茨冠が突き刺さってる感
が痛そうです。背景の模様が頭から生えているように見えます・・・。
Petrus Christus 1445

「スペインの画家作  16‐17世紀」
こちらのキリストは首と手を縛られ、虫の息状態です。こういった苦難を
表わす痛々しい主題はよく描かれます。顔の描写は上手なのに、
腕と胴体の描写が気になってしまう・・・。
Spanish School from the 16-17th century

「フラ・バルトロメオ作  1472‐1517年」
めっちゃカメラ目線で対面を気になさっています。首と肩の角度に
気を付けて、パシャリ。失礼かもしれませんが、宗教画というよりも、
プロマイド写真にみえてしまいます・・・。
Fra Bartolomeo 16th

「ヘンドリック・ホルツィウス作  1614年」
なんだか他のキリスト像とは少し異なり、一風変わった作品。
仕事や家庭が上手くいかなくなって、しょぼくれてしまったおじさんの
ように感じてしまいます・・・。
Goltzius, Hendrick 1614

「ドイツの版画  1465-70年」
なんか日本の浮世絵にありそうな感じ。血まみれなキリストの背景に、
拷問具や十字架などが描かれています。真下の貝っぽい装飾も
気になりますが、お、お乳がやたらと気になる・・・!
German woodcut with hand-colouring, 1465-70

「19世紀のスペインの挿絵」
ふぅー・・・と深いため息を付いていそうなキリスト。
ゆるーくしょんぼりしており、キリストが出てくる某漫画のようです。
anonymous, 19th century Spain

「作者不詳 フレスコ画  12世紀」
キリストおこ!目を見開いて激おこ!
12th century unknown painters

「ヨース・ファン・クレーフェ作  1485‐1541年」
衣服や手、装飾の描写は凄い。綺麗。なのに、どうしてこんなに残念な
顔になってしまったの・・・?なぜこんなに薄いお顔なの・・・?
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「作者不詳  17世紀」
未確認生物になっとる!
くりっとした目、赤い頬に唇が何とも言えないオーラを醸し出しています。
UNKNOWN PAINTER, 17TH CENTURY FACE OF CHRIST

「ハンス・ホフマン作  1530– 91年」
どこか力尽きてしまったかのような作品。キリストお目が離れているのと、
胸の位置が若干気になる。それよりも、背景の真面目顔な男と変顔な
男が気になりすぎる・・・!
Hans Hoffmann 1530– 1591

「ハンス・ホフマン作  1530– 91年」
キリスト溶けとるがな!
Hans Hoffmann  1530-1591

 最後の作品を見て、失礼ながら吹き出してしまいました。ハンス・ホフマンさん。一体、これはどういう意図でキリストを描いたのですか?と直接質問をしてみたいくらいです。一つ上の作品もホフマンさんなので、至って真面目にこれを描いたのでしょうかね。すこーしユーモアを交えてしまったのでしょうか・・・?画像を探しても、この粗いタイプのものしかなくて、残念ながら全貌はよく分かりませんが、これだけでも「どうしてこうなった」と思えるには十分だと思います。
 また、この記事は純粋に絵画を楽しむという意図から発せられたものであり、キリスト教やその文化、画家を貶めようとする意図は全くありませんので、ご了承ください。

→ 「どうしてこうなった」シリーズを見たい方はこちら


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