John William Waterhouse -

 ギリシャ神話に登場するパンドラは「全ての贈り物」という意味で、地上の災いの為に神々によって送られた、人類最初の女性です。
 人類に味方をして神々から火を盗んだプロメテウスは捕まり、酷い拷問を受けることになりました。→ プロメテウスについて知りたい方はこちら 怒ったゼウスは人類にも罰を与えることにし、ヘパイストスに絶世の美女を作るよう命じ、神々によって様々な能力を与えられてパンドラは完成しました。パンドラはピトスという入れ物(かめ、壺)を「絶対に開けてはいけない」と言われて持たされ、プロメテウスの弟であるエピメテウスの元へ送られました。
 美しいパンドラを見たエピメテウスは一目惚れをし、結婚をすることに決めました。ある日、パンドラは好奇心から神々からもらった壺を開けてしまいます。すると、そこからあらゆる苦悩や悲しみなどの災いが飛び出してきてしまいました。慌ててパンドラは蓋を閉め、自らが犯した過ちに絶望してしまいますが、底にエルピス(希望、期待の意味)が残っており、もう一度蓋を開けることによって儚い希望が空へ飛び立っていったのです。
 ゼウスの思惑によって地上に災いを蒔いてしまった女性、パンドラの絵画13点をご覧ください。


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「Jean Alaux 作  1786‐1864年」
神々から多くの贈り物を受けて作られた女性パンドラは、禁断の壺を
持って、ヘルメスに連れられてエピメテウスの元へやって来ます。
ヘルメス特急直行便!ですね。
Alaux,_Jean_-_Pandora_carried_off_by_Mercury

「ローレンス・アルマ=タデマ作  1881年」
エピメテウスと結婚したパンドラですが、「決して開けるな」と言われていた
壺の中身がどうしても心に引っかかってしまいます。駄目と言われれば
人間気になるもの。パンドラはそっと壺の蓋を掴みます。
Sir Lawrence Alma-Tadema  1881

「ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作  1849‐1917年」
ちょっとだけなら・・・。とパンドラは壺の蓋を開けてしまいます。
壺なのか、かめなのか、箱なのかは諸説あり、画家によって採用
されている入れ物は違います。
waterhouse pandora

「ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作  1849‐1917年」
ウォーターハウス二枚目の作品は、大きめな箱ですね。そっと開けた
箱から飛び出してきたのは、苦しみ、絶望、悲しみ、裏切りなど
ありとあらゆる災厄でした。パンドラはびっくりして、慌てて蓋を閉めました。
Waterhouse

「トーマス・ベンジャミン・ケニントン作  1908年」
地上世界に災いが蔓延し、悲しみに暮れるパンドラ。ただ、入れ物の底に
唯一エルピスが残っており、人類は希望を抱くことができたのでした。
(逆に希望を壺に封じ込めてしまった為に災いが深まった、など諸説あります)
Pandora” (1908) by Thomas Benjamin Kennington

「Jean Cousin the Elder 作  1550年」
人類へ災いを持ち込む為に作られたパンドラは、悪女(ファム・ファタール)と
して考えられる場合もあります。この裸婦風のパンドラは左手に壺を、
右手に頭蓋骨を持ち、人々に来る災厄を伝えています。
Jean Cousin the Elder 1550

「フォンテーヌブロー派の画家作  1550年頃」
こちらのパンドラも非常に挑発的でセクシーに描かれており、わざと
人間に災厄を持ち込んだかのようなイメージになっております。
School of Fontainebleau, circa 1550

「ニコラス・レニエ作  17世紀」
優し気に見えるパンドラがカメラ目線をしながら壺を開け、中から
黒い災厄が湯気のように出ています。物語の内容を表現するというより、
肖像画的な作品です。
Nicolas Régnier 17

「ニコラス・レニエ作  17世紀」
同じレニエさんが描いた作品ですが、かなりパンドラの容姿が違います。
モデルにした女性が違うのでしょうか?こちらはシチュエーション的には
同じですが、周りに描き込まれた象徴が多いです。金貨や髑髏、仮面や
王冠など、寓意画として描かれているのが分かります。
Nicolas Régnier

「Barend Graat 作   1676年」
背後の天使らしく見える子供はコウモリの黒い羽が生えているので、
災いの象徴でしょう。反対にいる緑の衣服を着た女性が、希望か予兆の
擬人化でしょうか?
Barend Graat  1676

「ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ作  1879年」
パンドラの絵画の中で、有名な作品。こちらを見据えた芯の強そう
な彼女は、少しだけ箱を開けています。漏れ出た災厄は人の顔となり、
空間に溶けていっています。人類の未来を幻視するかのような、
力強く見える目線ですね。
Dante Gabriel Rossetti  1879

「アレクサンドル・カバネル作   1873年」
近代になってくると、パンドラという女性そのものを描くというより、
パンドラに扮した女性の肖像を描くという絵画も表れてきます。
箱を持って、はいポーズと言った感じですね。
Alexandre Cabanel 1873

「ウィリアム・アドルフ・ブグロー作  1825-1905年」
こちらの作品も扮している感じですね。最後に残った希望を暗示するか
のような、意志のこもった瞳をしています。
現代でも決して触れてはいけないもの、関わってはいけないもののことを
「パンドラの箱」と表現していますね。
William-Adolphe Bouguereau (French, 1825-1905)

 この記事を書いていてふと思い出したテレビ番組(題名は忘れた)があるのですが、血液型別に幼稚園くらいの子供を分け、部屋に大きめの箱を置いて「絶対に開けてはいけないよ」と伝えて、先生は外へ出る。子供たちは先生が帰って来る間に、その箱を開けるか?という調査の内容でした。
 確か、B型、O型、AB型の子供たちのチームはいずれも箱を開け、A型の子供は箱を開けなかった、という結果だったような気がします。B型の子たちは先生が出ていったら真っ先に開けていた記憶があります。
 勿論この調査は一部的なものだと思うし、血液型だけで行動が決まるとは思いません。ただ、ギリシャも含め、ヨーロッパではA型とO型がかなり多いので、箱を開けてしまったパンドラさんはO型なのかな~と勝手な推測をしてしまったのでした。



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