men yawning. Credit Luigi i Montejano  1850 -

 人間の生理現象である「あくび」。
 眠たい時、退屈な時、疲れた時、緊張した時、車に酔った時など、様々な場面であくびは出てきますよね。あくびのメカニズムはまだ完全に解明できておらず、肺の酸素の交換や顔面のストレッチ、内耳の圧力を調整しようとする、脳の温度を調節しようとするという説が考えられているようです。個人的には内耳の圧力と脳の温度が関係していそうな気がします。(車酔いが激しい人の意見ですw)
 ネットで絵画を見ていた時にたまたまあくびをしている人の絵画を発見し、他にも調べてみたら面白い作品が幾つかあったので記事にしてみました。
 では、あくびをする人の絵画13点をご覧ください。


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「ピーテル・ブリューゲル(父)作  1525-69年頃」
フランドル界の巨匠ブリューゲルが描く、あくびするおじさん。
目をつむって全力であくびをしていますね。なんか可愛い・・・。
Yawning Man  Bruegel the Elder Pieter

「ピーテル・ブリューゲルの絵に基づく版画  16世紀頃?」
こちらも全力であくびをするおじさん。これは可愛くないなぁ・・・。
(どういう判定の仕方w) 上記の絵画を元にして版画された作品ですね。
Yawning Man after Peter Bruegel the Elder Engraving Watermark

「Luigi i Montejano 作  1850年頃」
この時代でもあくびは伝染するのだ、という事を後世に伝えてくれる
良き作品。なんか若者の悪ふざけの青春って感じですねw
ラーメン模様の帽子が気になりすぎる・・・。
men yawning. Credit Luigi i Montejano  1850

「大英博物館に収蔵されている書籍の挿絵  1736-75年」
眉太のおばちゃんが大あくびをしている場面。
下には「heigh ho (ヘイホー)」と書かれており、疲労や退屈、落胆の
「あーあ」とか「やれやれ」という意味合いのようです。おばちゃんは
何かに退屈しすぎて大あくびをしてしまったようですね。
british museum 1736-1775


「大英博物館に収蔵されている書籍の挿絵(?)  1771年頃」
「教訓や説教」に関する本を読んで、大あくびをしている男性。
教訓を読むと眠くなるという人間的な風刺を表しています。
それよりもこの人が男性という事に驚きました。おばちゃんじゃないの!?
Satire  1771

ジョゼフ・デュクルー作   1783年」
大袈裟なポーズであくびをしているおじさん。でも、なんか不自然の
ような気がします。「ちょっとあくびのポーズをとってよ」と言って
モデルを3時間ぐらいそのままの姿にして描いたかのような・・・?
Self-Portrait Yawning by Joseph Ducreux 1783

「Oscar Bluhm 作 1912年」
現代でも過去でも、人前であくびをする事ははしたない、失礼な事と
考えられています。右の紳士は帽子と手で必死にあくびを隠そうと
していますが、ご婦人にバレてしまっているようですね。
Oscar Bluhm 1912

ジョン・オーピエ作  1761-1807年」
「道徳的な説教」という題名の作品。右側の眼鏡の人が家庭教師で、
少女達に教訓を教えているようです。ただ、それは余りにもつまらな
すぎて、伸びをしたりあくびをしたり、寝たり、遊んだりしていますね。
私も大きなあくびをする自信があります(笑)
John Opie  A Moral Homily

「エドガー・ドガ作  1884年」
アイロンをかけている主婦二人。この仕事は早朝か夜遅くなのか、
一人の女性は眠そうにあくびをしています。
素朴な生活の一コマを描いた作品ですね。
Two women ironing, one with a yawn, by Edgar Degas 1884

アドルフ・フォン・メンツェル作 1859年」
列車の座席であくびをする男性。画家の正面にたまたま座って、
巨大なあくびをしたところ、ささっとスケッチされて絵画にされてしまった
のですかね(笑) その大あくびが日本にまで流出した紳士でした。
Man Yawning in a Train Compartment Adolph von Menzel - 1859

ミハイ・ジチ作  1867年」
「朝」という題名の作品。。「さぁーて、眠いが今日も頑張るおー」と
ホビットっぽい男性が豪快な伸び&あくびをしています。
見ているこっちもあくびをしてしまいそうですよねw
机には本とインク壺が置かれているので作家さんでしょうか。

Morning, 1867 by Mihaly Zichy

ムンカーチ・ミハーイ作   1869年」
「朝起きたくなーい!」という意思がひしひしと感じられる、
全力のあくびですねw やっと布団から這い出た場面なのかな。
寝起きの顔ってこうなりますよね・・・^^;
Yawning Apprentice Mihály Munkácsy  1869

ムンカーチ・ミハーイ作  1869年」
ドアップ過ぎて吹きましたww
じーっと眺めているとじわじわくる作品です・・・(笑)
Yawning Apprentice, 1869 by Mihaly Munkacsy

 古代ギリシャではあくびは「魂が天へと行こうと、口から逃げようとしている行為」だと考えられていたそうで、手で口を隠すのは魂が逃げないようにするためであったとか。中世や近代の西洋ではあくびはどのように考えられていたのかは分かりませんが、「魂が肉体から出たがっている」「死神が魂を連れ出そうとしている」「悪魔が怠惰の罪を誘発させようとしている」などという説があったら面白いですよね。
 現代では科学的な根拠が幾つか出ておりますが、あくびの謎はまだ解明されておりません。もしかしたら物凄い真実が隠されているのかもしれませんよ・・・。



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