flemish artist caravaggio style 1639 -

 ホメロスは紀元前8世紀頃に生きたとされるギリシャの吟遊詩人であり、「イリアス」と「オデュッセイア」の作者と考えられています。
 ホメロスについての史実はほぼ存在しておらず、その素性は伝説じみており、架空の存在ではないかという説もあります。伝承によると、彼は文芸の女神カリオペの子や私生児であるとされ、盲目と考えられています。当時のギリシャでは有能な詩人は盲目であるという先入観があったそうで、ホメロスの雄弁さを伝える一種のステータスであると考えられます。エーゲ海にあるキクラデス諸島のイオス島で亡くなったとされています。
 イリアスとオデュッセイア以外にも幾つかの作品をホメロスは残しており、それらは後世の文学や芸術家達に多大な影響を与えました。「西洋文学の父」として、ホメロスは現代に至っても不動の地位を保ち続けています。
 では、ホメロスに関する絵画12点をご覧ください。

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Charles Nicolas Lafond 作   1824年」
ホメロスの為に歌うサッフォーという題。サッフォーは古代ギリシャの
女流詩人で、愛にまつわる詩を多く手がけています。
生きた時代や地域は違うと思われますが、画家は偉大な詩人
二人を会わせてしまいました。
Charles Nicolas Rafael Lafond Sappho sings for Homer 1824

トーマス・ローレンス作  1790年」
詩を朗読しているホメロス。というよりも、ホメロスは盲目とされて
いるので暗唱しているのかもしれません。深い森の中で人々は
ホメロスの巧みな雄弁さに聞き入っていますね。
Sir Thomas Lawrence Homer Reciting his Poems 1790

Jean-Baptiste Auguste Leloir 作  1841年」
こちらも楽器を持つホメロスの言葉に聞き入っている民衆たち。
サッフォーもそうでしたが、詩人は竪琴(リラ)を弾きながら語っていた
のでしょうかね。耳なし芳一みたいな感じなのかな?←ぇ
1841 Jean-Baptiste Auguste  Homer

Denis Alexandre Volozan 作  1811年」
街を歩くホメロス。従者と思われる少年は男性から何かを受け取って
いますね。「ホメロス様の詩を聞きたくば銭を寄こせ」みたいな感じ
なのかしら・・・^^;(違)
Homer Reciting Poems in City of Argos Denis A. Volozan 1811

ウィリアム・アドルフ・ブグロー作  1825-1905年」
従者の少年が盲目のホメロスの手を引きながら歩いています。
手に持っているのはパンかな?それとも石?

リアルで素敵な作品です。
Homer and guide William-Adolphe Bouguereau 1825–1905

ピエル・フランチェスコ・モラ作  1612-66年」
少年に文学を教えるホメロス。衣服がギリシャ時代じゃないという
点はさておき、ホメロスは少年を連れているという伝承があった
のでしょうかね。これも詩人=盲目という紋切型に似た、
固定概念的な考えがあったように感じます。
Pier Francesco Mola Homer Dictating His Poems, 17th

「作者不詳 イタリアの画家作  17-18世紀頃?」
な、何とも言えない表情をしていますね・・・。今まさに詩を
語っている瞬間なのでしょうか。ある種の迫力を感じます。
A portrait of Homer

「レンブラント・ファン・レイン作  1663年」
な、なんだか寂しそうなホメロスですね・・・。
彼の外面的な偉大さを伝えようと描く画家がほとんどですが、
レンブラントはホメロスの内面から沸き起こる神話の悲劇物語を
表わしているような気がします。
Rembrandt van Rijn Homer 1663

マッティア・プレティ作  1635年」
竪琴を弾く絵画が多い中、このホメロスはヴァイオリンを弾いて
います。雰囲気があって個人的には好きな絵なのですが、
古代ギリシャにヴァイオリンは無いですよね・・・^^;
Homer by Mattia Preti 1635

「カラヴァッジョの追随者作(フランドル系?)  1639年」
くわっと見開いた目、高い鷲鼻、固く引き結んだ口、握り締められた
両手。かなり迫力があるお姿ですね。なんか吟遊詩人というより、
このままドラキュラ伯爵でも杭で刺してしまいそうな感じです。←ぇ
flemish artist caravaggio style 1639

「ラファエロ・サンツィオ作  1511年  部分画」
「パルナッソス」という題で、ローマのヴァチカン宮殿に描かれた
フレスコ画。パルナッソスはアポロンが住む山で、右にいる青年が
アポロン。その周囲には女神と詩人たちがいます。
ホメロスは青色の服の老人。その隣にダンテもいますね。
Rafael - El Parnaso (Estancia del Sello, Roma, 1511)

アントニオ・ズッキ作  1726-95年」
偉大な詩人のあまり、ホメロスは神格化もされています。
詩の女神(ムーサ)と思われる女性からホメロスは月桂冠を授け
られていますね。
Homer Crowned as Poet Laureate Antonio Zucchi

 先ほどもちらりと書きましたが、日本の代表的な語り部である「耳なし芳一(びわ法師)」も盲目とされていますね。(昔、怪談話をテレビで見てトラウマになりましたw) また、ケルトの吟遊詩人とされるオシアンも盲目とされています。盲目=語り部というイメージは古代ギリシャを越えて、西洋のみならず日本にもあるという事が興味深いですね^^
 ちなみに神話では盲目は「予言」のイメージが強いです。運命を司る女神フォルトゥナは目隠しをした姿で描かれる事もありますし、神によって盲目にされた青年テイレシアスは予言の力を得ました。盲目とされる予言者はたくさんいます。視界が遮断されることにより、第六感というか別の神秘的な世界が感じられる、と当時の人は考えたのかもしれませんね。

→ 女流詩人サッフォーについての絵画を見たい方はこちら
→ 「神曲」の作者ダンテについての絵画を見たい方はこちら



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