Queen Of Sheba by Edward Slocombe -

 シバの女王は旧約聖書などに登場する伝説の女王です。
 旧約聖書の「列王記」によると、イスラエル王国のソロモンの見識ぶりを聞いたシバの女王は、知識を試そうと大量の贈り物を持ってエルサレムへと赴きました。女王は数々の難問をソロモンに浴びせますが、彼は事も無げに即答してしまいます。その賢さや国の様子にすっかり感心してしまった女王は、ソロモンに6トンもの金や香料などの贈り物をしました。ソロモンも彼女に対して敬意を表して贈り物をし、女王一行は帰国していったとされています。
 この話が元となり、様々な異説や伝説が生まれました。シバの王国はエチオピアやエジプト、南アラビアなどにあると考えられており、新約聖書や黄金伝説、アラビアやエチオピアの文献にも伝説が残されております。女王の本名はニカウレー、ビルキース、マケダなどとされています。
 では、シバの女王の絵画13点をご覧ください。

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「エチオピアのフレスコ画より  1100-1200年頃」
アフリカの右端に位置するエチオピアに残されたシバの女王の
壁画。乗馬して槍を持つ果敢な女王の姿が描かれています。
新約聖書では異教から改宗した代表的な女王とされ、
聖女的な存在として位置づけられています。
The Queen of Sheba from Ethiopian fresco 1100-1200

「クロード・ロラン作  1600-82年」
シバ女王の乗船という題の作品。大量の贈り物を乗せ、祖国から
いざイスラエル王国へ!と言った感じでしょうか。「列王記」には
乗船のシーンはありませんが、作者の想像の力ですね。
The Embarkation of  Queen Sheba, Claude Lorrain (1600‒82)

「フランスのストラスブールで作られた織物  1490-1500年」
ソロモンと謁見するシバの女王。どんな難問を吹っ掛けたのかは
「列王記」だと分かりませんが、他の異説によれば三問あった
ようです。詳しくは終わりのコラムにて紹介します。
Two Riddles of the Queen of Sheba 1490-1500

ピエロ・デラ・フランチェスカ作  1416-92年」
お二人が出会って握手しているシーン。博識な二人の王は互いを
認め合い、豊富な贈り物を交換し合うのでした。エチオピアの伝説に
よると二人の間に子が生まれたとか。

Piero della Francesca

「聖バルバラの伝説のマスター作  1470-1500年頃」
左側にはソロモンに贈り物を捧げるシバの女王が、右側には
ダヴィデ王の元へ使者がやって来ている場面。(何の使者なのか
までは分からず・・・) 手前には信者たちがおり、完全にキリスト教の
祭壇画として描かれていますね。
Master of the Saint Barbara Legend 1480

コンラート・ヴィッツ作  1435-37年」
金の細工と色彩が美しいフランドルの作品。ただ、ソロモンと
シバの女王の服装が想像というか、フランドルの様相として
描かれていますね。等身がどことなく可愛らしいです^^
Queen of Sheba  front of King Solomon Konrad Witz 1435-37

「ペルシャの工房作 イラン 16世紀頃」
ペルシャの画家が描くとこんな感じになります。ソロモンと女王は
仲良さそうに一緒に座っていますね。・・・ていうか、周囲に飛ぶ
魑魅魍魎が気になりすぎるんですけど!これって本当にシバの
女王についての作品なのだろうか・・・。
King Solomon and the Queen of Sheba Iran 16th Persian School

ラヴィニア・フォンターナ作  1552-1614年」
初老のソロモンと淑女のシバの女王が謎かけを行っています。
それよりも右側のお連れ様たちが気になりますね。宮廷の方々を
入れてしまったのでしょうか?奥のご婦人がリーゼントに見えるし・・・。
The Visit Sheba Solomon  Lavinia Fontana 1552-1614

「Erasmus Quellinus 二世作  1607-78年」
鮮やかな赤と青の対比が目立つ作品。オウムや羽、傘や俵など
異国的な雰囲気を出そうと努力しているのが分かります。
Erasmus Quellinus

ホアン・デ・ラ・コルテの工房作  1630-60年」
かなり控え目な二人の王の会合の姿。「私は人物より緻密で
美しい建築物が描きたかった!」という意思が感じられますね。
Circle of Juan de la Corte  Meeting  Solomon and Sheba1630-60

エドワード・ポインター作 1836-1919年」
19世紀になると異国情緒的な雰囲気がぐっと増しますね。
オリエンタリズムの雰囲気が濃厚です。赤金の柱が立ち並ぶ
壮麗な建築物の中、女王はソロモンに敬意を表し、贈り物を
差し出そうとしています。
Edward John Poynter Visit Sheba To Solomon

ジョバンニ・デ・ミン作 1789-1859年」
こちらはイスラエルというよりギリシャを思わせる世界観ですね。
ゼウスばりの立派な服をしたソロモンに対し、贈り物を差し出しています。
Solomon and the Queen of Sheba Giovanni Demin (1789-1859)

エドワード・スロークーム作  1850-1915年」
ソロモンとの謁見シーンではなく女王のみに焦点を当てた
オリエンタリズム溢れる作品。煌びやかな宝石に身を包んだ女王は
セクシーな服装をしておりますが、ファムファタール的な怪しい雰囲気
ではなく、英知溢れる落ち着いたたたずまいをしていますね。
Queen Of Sheba by Edward Slocombe

 シバの女王がソロモンに対して出した難問は三問だとされていますが、文献によって異なるようです。以下に二種類をお届けしたいと思います。

1.木の貯水槽に鉄のつるべ、つるべは石を汲み上げて水を流す。

2.埃のように土から生まれ養われる。それは水のように流れるが家の中を照らす。

3.その頭を嵐が駆け抜け、大声で泣き叫ぶ。頭は葦のよう。それは自由人には栄誉の種で、貧乏人には不名誉の種。死せる者には栄誉の種、生ける者には不名誉の種。鳥にとっては喜びの種、魚にとっては嘆きの種。
――Wikipediaより
1.地から湧くのでも天から降るのでもない水。

2.その頭を嵐が駆け抜け、それは、身も世もなく泣きわめく。自由な者はそれを褒め、貧しき者はそれを恥じ、死せる者はそれを尊ぶ。鳥は喜び、魚は嘆く・・・
 
3.お前の父は、私の父、お前の祖父は私の父です。お前は私の息子で、私はお前の姉です。
――不思議館-古代の不思議-様HPより


上記の難問の答え
――――
1・・・コール墨の容器
2・・・ナフサ(粗製のガソリン)
3・・・亜麻
――――

下記の難問の答え
―――――
1・・・馬の汗
2・・・亜麻
3・・・ロトと二人の娘
―――――

 謎かけを解くことができた方はみえるでしょうか?少なくとも私はまったく分かりませんでした^^;
  答えを見てもよく分からないのがあるし・・・。コール墨の容器ってどんなのなの?亜麻の難問は二つ被っていましたね。鳥はご飯として食べるから喜び、魚が嘆くのは網が亜麻だったからかな?
 この難問を即答したソロモン王は・・・やはり賢者ですね。

→ ソロモンの審判についての絵画を見たい方はこちら
→ オリエンタリズムについての絵画を見たい方はこちら


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