The Creation Of The Birds And Fish by Flemish School -

 旧約聖書の「創世記」よると、世界は6日間の間に神によって創造されたとされています。
 1日目は宇宙と地球、昼夜を形作り、2日目は天空、3日目には大地と海、植物を創造します。そして4日目には太陽と月と星が生まれ、5日目には魚と鳥、6日目には獣と家畜と人間(アダムとイブ)が創られました。7日目になって神は休憩したとされています。天地創造の題材はルネサンスやバロックの画家達に人気があり、幾つかの絵画が残されています。
 では、世界と人間を生み出している神の姿13点をご覧ください。

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「ミケランジェロ・ブオナローティ作  1511年」
システィーナ礼拝堂の天井画より。神様が太陽と月と大地と
植物を創作中。早業で描いたとは思えない、見事な躍動感です。
不謹慎ですが、やっぱりお尻が気になる・・・。←ぇ
The Creation of the Sun Moon Vegetation Michelangelo 1511

「ヤン・ブリューゲル(子)作  17世紀」
こちらも太陽と月&星、大地と植物を創っています。
ミケランジェロは「うおぉー!」と迫力ある姿で創っているのに対し、
ブリューゲルの神様は繊細な芸術家のように丁寧に創っています。
God creating Sun Moon and Stars Brueghel Jan II 17th

「フランドルの工房作  17-8世紀」
おびただしい数の鳥と魚を生成中の神様。せっかく創造するなら
色んな動物を創ってしまおうという意気込みが感じられます。
よーく見ると、きもかわいい未確認生物がいっぱい^^
The Creation Of The Birds And Fish by Flemish School

「ティントレット作  1551-52年」
鳥と共に上空を猛スピードで疾駆するかのような神様。
創造パワー全開です。
Jacopo Tintoretto - Creation of the Animals 1551-52

「ラファエロ・サンツィオ作  1483-1520年」
サバンナを彷彿とさせる、自然溢れる世界を創った神。
当時では珍しい象やキリン(?)、架空のユニコーンも描かれていますね。
それにしても手前の白馬達が生首に見えるのは気のせい?
地面からもこもこっと産まれてくるのを表現したのでしょうか。
the creation of the animals logge vatican palace fresco raphael

「シチリア島のモンレアーレ大聖堂のモザイク画  12世紀」
最初の人類アダム。人間は神の姿に似せて創られたとされており、
神の息吹と土を材料にして生まれました。このモザイク画だと神の
御力ビーム(?)によって命を与えられていますね^^
The mosaics of the Monreale Cathedral Sicily 12th

「ミケランジェロ・ブオナローティ作  16世紀」
ミケランジェロ再び。神がアダムを人差し指で生まれさせた(ぇ)、
「最後の審判」と同じくらい有名な場面ですね。
もう肉体が凄いとしか言いようがない傑作です。
The creation of Adam Michelangelo

「ミケランジェロ・ブオナローティ作  16世紀」
更にミケランジェロ。アダムが寝ている間に神は肋骨を取り、
それを女性に変えて配偶者のイブを創り出したとされています。
アダムの背中側からにょきっと現れていますね。
Michelangelo Buonarroti

「ヤン・ブリューゲル(子)作  17世紀」
動物溢れる豊かな世界に創造されたアダム。ブリューゲルの
背景に対する気合の入れ具合が感じられる作品です。
Jan Brueghel the Younger

「フランドル工房のマスター作  17世紀」
右側でアダムを創造し、左側でアダムの肋骨からイブを生成する神。
傍らには純潔を象徴するユニコーンが控えており、この時は
まだ二人は純真無垢であることを伝えていますね。
The Creation of Adam  Eve, 17th Flemish Old Master

「北イタリアの工房作  1600-35年」
こちらもアダムの側面からにょきっと現れるイブ。肋骨を取り出して
変化させるという描写はエグイので、こうしたのでしょうか。
教皇のような姿をしている神。教皇の地位の偉大さを感じます。
The Creation Of Eve by North Italian School

「Giulio Carpioni 作  1613-79年」
こちらはアダムを背中側にして、肋骨のグロテスクさを隠して
しまうという対策が取られています。豊満なイブはアダムに対して
艶やかともとれる笑みを浮かべており、今後の不幸な展開を
予想させます。神もなんだか険しいお顔ですし・・・。
Creation of Adam and Eve – Giulio Carpioni – 1613-79

「ルーカス・クラナッハ(父)作  1472-1553年」
「お前達は此処で暮らしなさい。知恵の実だけは食べるな」という
神の厳命にも関わらず、二人は蛇のせいで禁断の実を食べて
しまいます。背景には楽園を追放される場面もありますね。
Lucas Cranach

 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の人々は、6日で世界を創って7日目に休憩した神に倣って、6日間は労働に励み、7日目を何もしてはならない「安息日」を定めました。キリスト教は土曜や日曜を「安息日」と決め、その日は労働は一切行わずに静かに過ごすことを推奨していました。
 現代の日本は基本、5~6日働いて1~2日休みとなり、旗日や正月、GWやお盆などに長期的な休みが入りますが、日曜日が休日という事になったのは明治時代からであったようです。長崎から西洋の「安息日」の文化が広まった結果であるとか。江戸時代までの休みは正月などの一時期だけであったそうです。
 
 もし、「創世記」の記述が「神は10日で世界を創って11日目でお休みになった」だったら、そのようになっていたかもしれませんね。10日も連続で学校や仕事へ行くなんて考えると、嫌ですね・・・^^;
 逆に、神が「2日で世界を創って3日目でお休みになった」という記述であるなら、物凄い数の休日があったかもしれません。2日に一回のお休み。あったら嬉しいなぁ・・・w
 現代にまで影響を及ぼしているなんて、聖書の記述とは凄い力がありますね。

→ 禁断の実を食べるアダムとイブについての絵画を見たい方はこちら
→ アダムとイブの楽園追放についての絵画を見たい方はこちら


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