Noël-Nicolas Coypel III 1690-1734 -

 エウロパ(エウロペ)はギリシャ神話に登場する、牡牛に変身したゼウスにさらわれてしまった美女です。
 テュロスの王女であるエウロパは、ある日侍女と共にお花を摘んでいました。そこに現れたのは白い立派な牡牛。それはエウロパを狙うゼウスが変身した姿でしたが、知らない彼女は「なんて素敵な牛さんでしょう!」と無邪気にもその背中にまたがってしまいます。牡牛はすぐさま海へと走り、エウロパをクレタ島へと誘拐してしまったのでした。そこで本来の姿に戻ったゼウスとの間に、三人の息子を産んだとされています。

 伝説によると、その後ゼウスはエウロパに「自動人形のタロス」「必ず獲物を捕まえる猟犬」「無限の投げ槍」の三つの贈り物を与え、牡牛の姿になって天空へと上昇し、おうし座になったとされています。また、ヨーロッパという呼び名はエウロパから由来しているそうです。
 では、牡牛に連れ去られてしまうエウロパの絵画13点をご覧ください。

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ノエル=ニコラス・コワペル作  1690-1734年」
「まぁ、可愛らしい牡牛さん。花輪をつけてあげましょ♪」と
無邪気に遊ぶエウロパさん。真相を知る私達から見たら、
手をべろんとなめる大人しい牡牛は変態にしか見えません・・・。
Noël-Nicolas Coypel III 1690-1734

フランソワ・ブーシェ作  1732-4年」
大量の侍女と共に遊ぶエウロパ。こちらの牡牛も花輪を付けて
ご満悦の表情をしています。右上にはゼウスのアトリビュート
である鷲がいますね。
François Boucher 1732-4

ヨハン・ハインリヒ・ティシュバイン作  1760年」
角を持って座って「はい、ポーズ♪」
wikiによると、このテーマは祝婚、海上進出、領土拡大、子孫繁栄の
意味があるそうです。結婚祝いにこれをくれたら・・・複雑だなぁ。
Johann Heinrich Tischbein 1760

「ルカ・ジョルダーノ作  1675年」
「きゃー!」突然、牡牛は海上へと向かって突進していきました!
白い牡牛と表記があるのに、絵画は様々な牛のバリエーションが
あるのですね。白黒ぶちの牛の方が可愛いかも^^
Luca Giordano 1675

ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ作  1725年」
物凄く暗く沈んだエウロパの略奪。よく見るとエウロパはちゃんと
牡牛に座っています。嵐が起こりそうな予感です・・・。

Giovanni Battista Tiepolo 1725

ジーン・フランソワ・デ・トロイ作  1716年」
カメラ目線&満面の笑顔で海へと突進する牡牛。
侍女達が声を掛けるのも虚しく、牡牛はエウロパを乗せて
ざぶざぶと海を泳いでいきます。
The Abduction of Europa, Jean-François de Troy 1716

Caesar van Everdingen 作  1615-78年」
静かに見送られていくようなエウロパの略奪。「私ちょっと行って
くるわ」「うん、いってらっしゃい」という感じの作品ですね(笑)
Caesar Boetius van Everdinger 1615-78

ノエル=ニコラス・コワペル作  1727年」
凄いギャラリーを引き連れて海を渡っております。
この構図は「海を放浪して島へと行く」という共通点の為か、
ヴィーナスの誕生のシーンを彷彿とさせるように思います。
Nöel-Nicolas Coypel Enlvement d'Europe 1727

「ティツィアーノ作  1560-2年」
恐らく最も有名なエウロパの絵画。恰幅の良いエウロパが
牡牛に乗り、「あーれー!」と叫んでいるかのようです。
他の作品に比べて躍動感や迫力が強いですね。
Titian 1560-2

「ウィリアム・ヒルトン作  1818年」
「さよなら、我が故郷・・・」と手を振っているエウロパ。
王女として暮らしていた彼女は、最高神の妻の一人となる運命を
背負ってしまったのでした。
William Hilton, 1818

「Jean Cousin (父)作   1550年」
「あら、牛の操縦って楽しいわ」と違う事に目覚めてしまった
かのようなエウロパ。牛の生真面目な表情や、イルカ(?)の
ような怪獣など気になるところ満載の作品です。
Jean Cousin the elder  1550

ジャン=バティスト・マリー・ピエール作  1750年」
こちらも楽しそうに航海しているエウロパ。過去の事は吹っ切れて
しまったのでしょうか。このエウロパさんなら、もしかしたら
ゼウスを尻に敷くのも容易い・・・のかもしれませんね。←ぇ
Jean-Baptiste-Marie Pierre 1750

「ギュスターヴ・モロー作  1869年」
牛と共に駆けているかのような、爽やかで疾走感のある作品。
画像の具合なのか、牛の表情が「ぐえっ!」となっているように
見えてしまう。走って疲れたのかも・・・?
Gustave Moreau 1869

 エウロパと言えば、木星の衛星の名前になっている事でも有名ですね。
 天文学者ガリレオ・ガリレイが四つの衛星を発見し、シモン・マリウスがイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストと名付けました。イオはゼウスに白い牝牛に変えられてヘラに酷い目にあわされた美女で、ガニメデは鷲に化けたゼウスにさらわれた美少年、カリストはアルテミスに化けたゼウスに襲われた美女。いずれもゼウスの愛人となった男女です。ゼウス(ユピテル、ジュピター)は木星を象徴していることから、衛星にはゼウスの愛人達の名前が付けられたのです。
 私達から見たらロマンチックとも感じる命名ですが、木星(ゼウス)の周囲を永遠に回り続ける運命を背負う彼等の事を思うと、なんだかセンチメンタルな気分にもなってしまいます。

→ イオについての絵画を見たい方はこちら
→ ガニュメデス(ガニメデ)についての絵画を見たい方はこちら
→ カリストについての絵画を見たい方はこちら


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