Gorleston Psalter 1310 -

 頭と足が合体したような怪物のことを指す、グリロス(頭足人)。
 頭と足でなくともグリロスと呼ばれる者もおり、厳密に言えば頭部を色々なパーツと組み合わせて作る怪物とされています。グリロスはギリシア・ローマ時代の玉石彫刻から発生したと言われており、中世時代になってヨーロッパ全土へ広がっていきました。宝石の彫刻から始まり、壁や柱、彩飾写本の余白を埋める怪物として描かれ、北方ルネサンスの画家ヒエロニムス・ボスがグリロスを芸術まで高めていきます。絵画の世界へ進出したグリロスは、様々な形態となって美術界に時々姿を現すのです。
 第二弾である今回は、中世の彩飾写本に登場するグリロスをご紹介いたします。なお、画像の詳細は判然としなかったので、未記入とさせていただきました。ご了承ください。

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おじさんの顎から逆さに足が生え、頭から腕が生えてお玉を握る。
引き締まった表情は歌舞伎(?)のようで、なんとも言われぬ
雰囲気を醸し出すグリロスです。
14th- British-Library

枢機卿のような帽子を被り、にょろっとした魚のような身体の
背中に翼。人間のような顔を持ち、獣や怪物の身体をしていたら
グリロスと定義して・・・いいのかな。(ぇ
London, British Library 1

頭にほっかむりを被り、水玉のズボンをはき、背中にねずみ(?)を
背負っています。子守をするおばちゃんのようなグリロスですね。
Pabenham-Clifford Hours, England ca. 1315-20

にやりとしや表情で、尻尾は立派なVサイン。
足取りも軽そうです。なにかいい事があったのでしょうか。
The Maastricht Hours’, Liège 14th century

頭は帽子を被った老人、身体は首長竜のようにびよーんとして
おり、足と尻尾は獣。この怪物を冗談として描いたのか、「最果ての
地にはこのような怪物がいるのかも」と思って描いたのか・・・。
manuscript2

色彩豊かで丁寧に描かれたグリロス。
老人の顔に腹の顔、そして尻尾の顔。行動すると喧嘩になりそうな
状態ですw これを思い付いた作者さんの想像力に感服します。
manuscript

弓を握り、お尻では別の顔がラッパを吹く。
攻撃と鼓舞が両方できるなんて一石二鳥!便利だ!(ぇ
The Maastricht Hours’, Liège 14th

グリロス二人が何やら喧嘩中のようです。「あんたバグパイプの
演奏がヘタすぎ!」「なんだってーお前の指揮がヘタじゃないか!」
と言い争いになっているのかな・・・?
'The Maastricht Hours', Liège 14th

水玉の巨大カタツムリに攻撃しようとしている、馬型の騎士グリロス。
盾にだって生命が宿っています。この盾、もしかしたらメデューサが
付いたアイギスよりも強いかも!?
hero-snail-knight

四つん這いのグリロスのお尻に付く顔。大きなお口からは
ひょっこり人間の半身が飛び出ています。
これは身体の一部なのか、はたまた食べちゃった犠牲者なのか・・・。
Gorleston Psalter 1310

パリーン!!
おじさんグリロスが壺を持って不毛な戦いをしていますが、
なんだかゆるい戦いに見えます・・・^^;
between 1320 -40 London, British Library

こっ・・・これはキモいっ!(汗)
真っ赤な唇を持った禿げ頭の老人。頭から直接生える足。
日本の妖怪に通ずるお姿に思えます。
お寺に出てきても違和感なさそうだ・・・・。
London, British Library

男女のグリロスがにらめっこ。
グリロスだって夫婦喧嘩をする時があるのです。
Marginal drollery 1260-70

 禿頭の老人のグリロスが日本の妖怪に似ていると描きましたが、他にも日本で登場してもおかしくないようなグリロスがちらほらといます。偶然そんな雰囲気になってしまった可能性もあるものの、ほとんど接点がなかった時代に双方が似通うのは面白いですよね。西洋の人達と、日本人が考える未知の怪物は案外近しいものがあるのかもしれません。むしろ、実際にそんな怪物がいたのでは!?←ぇ

→ 【第一弾】グリロスについての絵画を見たい方はこちら


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