Children Skating by Tarrant, Percy 1883-1904 -

 凍り付いた運河や湖の上を颯爽と滑るスケート。
 その歴史は旧石器時代の北欧までさかのぼることができるようです。寒さが厳しい冬の最中、人々は移動時間を減らす為にソリやスキーと共に、スケートを用いていました。中世以降になると運河の多いオランダやイギリス周辺でスケートの文化は発展していき、移動手段だけではなく、スケートをすること自体が人々の娯楽になっていきます。オランダの貴族は両腕を組んで背筋を伸ばす滑り方が流行し、「いかに優雅に滑るか」が重視されました。その滑走法は「ダッチロール」と呼ばれ、ヨーロッパの各地に広まっていきました。それがフィギュアスケートの原点であるそうです。
 では、楽しそうに滑る人々、そして優雅にダッチロールをする貴族達のスケートの絵画13点をご覧ください。

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「フランドルの工房作  17世紀」
 お城のふもとにある運河でスケートを楽しむ人々。厳しい冬を
乗り越える為の気晴らしや、社交場としてスケートは用いられて
いたのでしょう。
Flemish School, 17th  A winter landscape with skaters ice

ニコラース・モーレナール作   17世紀」
優雅な貴族とは対照的に、日々の生活が苦しい農民達は「少しでも
早く目的地に着きたい!」とスピードスケートを発展させていったと
されています。フュギュアとスピードの競技は二つの異なる身分の
結果なのですね・・・。
Nicolaes (Klaes) Molenaer 17th

「Adriaen van de Venne 作 1620-60年」
擬人化された目つきの悪いフクロウがスケートをしているという
謎な作品。フクロウは賢者の他に不吉や悪の象徴ともされていた
ので、スケートするゴロツキ的な感じの皮肉めいた作品なのかな?
Adriaen van de Venne Skating Owls 1620-1660

ニコラ・ランクレ作 1690-1743年」
「僕がやってあげる」「まぁお優しいこと」と、
若い娘のスケート靴を
縛っている青年。二人は見つめあい、恋の予感(もう相思相愛?)
を感じさせます。熱すぎて氷が溶けちゃう!←ぇ
Nicolas Lancret - Fastening the Skate  1690-1743

Adriaen van de Venne 作  1620-26年」
すってんころりんすっとんとん!
Tumbling Skaters, 1620-26, Adriaen Pietersz van de Venne

ギルバート・ステュアート作  1782年」
優雅なダッチロールを披露する青年貴族。この服装で腕を組んで
美しく滑走するのだから、かなりの技術がいりそうですね。
Gilbert Stuart 1782

ジュゼッペ・デ・ニッティス作  1846-84年」
女性もすいーっと美しくダッチロール。
ひらひらしたスカートで滑っているのだから、女性の方が難易度が
高そう。
私だったらすっ転んで顔から氷に突っ込んでいる・・・。
Joseph de Nittis

ジャン・ベロー 作  1849-1935年」
女性二人で手を繋いで、スケートを楽しんでおります。
姉妹かな親友かな?この絵画を見ていると「スケート楽しそう。
私でも滑れそう!」と思うのですが、無理なんですよね・・・^^;
The Skaters Les Patineuses  Beraud, Jean 1849-1935

ピア・マクシミリアン・ドラフォンテーヌ 作 1798年」
カメラ目線で「いぇい」とポーズを取っているのは、フランスの彫刻家
バートランド・アンドリューさん。彫刻家の方も気晴らしにスケートへ
出掛けていたのですね。ただ立っただけの肖像画よりも、このような
特殊な方が素敵でいいですね^^

Pierre Maximilien Delafontaine Skater Bertrand Andrieu 1798

「Louis Prang 作 1885年」
氷上スケーターだらけです。ぶつかりまくらないのかなーと
心配になってしまいますが、皆さん避ける術を心得ているのかな。
1885 by L. Prang and Co

「Percy Tarrant 作  1883-1904年」
子供達も楽しくスケートです。微笑ましい光景ですが、この子達は
将来三角関係になりはしないかなんて心配してしまう私は心が
黒ずんでおります・・・^^;
Children Skating by Tarrant, Percy 1883-1904

アクセル・エンデル 作 1920年」
赤いリボンを付けた女の子も滑ります。手に持っているのはポーチ
ではなく、マフと呼ばれる防寒具のようです。まん丸もふもふの中に
手を入れて温めるのです。
自信に満ちたお顔立ちで、かなり速く滑れそう・・・。
Axel Ender Young girl skating on a frozen lake 1920

ヘンリー・レイバーン作  1790年」
ザ・ダッチロール!という見事な姿勢でスケートをしているのは
なんと牧師さん。神に仕える職業でも美しく滑ります。氷上で
ありながら表情さえ崩さないその姿は、まるで滑空しているよう。

The Skating Minister” by Henry Raeburn 1790

 私がスケートの記事を書こうと思ったきっかけは、何気なく絵画をネットで見ていた時に上記の牧師さんが出てきたからです。あまりの姿勢の優雅さ、すまされた表情に心を打たれ(?)、「この絵画を紹介したい!」と思いました。フィギュアスケートの歴史も何も知りませんでしたから、このポーズが衝撃的に感じましたね^^;

 牧師さんを調べてみると、ロバート・ウォーカーという名前で、世界で最初に結成されたフュギュアスケートクラブのメンバーであったとか。どおりで上手だこと・・・。牧師のほとんどがダッチロールを会得しているわけではなく、彼だからこそできるポーズだったのですね。この作品はエディンバラのスコットランド国立美術館に行けば会えるようです。一度は実物を見てみたい作品ですね^^

→ スケートをする牧師について知りたい方はこちら〈Wiki〉


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