メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

神話・伝承

ギリシャ神話のピュグマリオンとガラテアの絵画15点。愛により彫刻が人となる奇跡

Anne-Louis Girodet de Roussy-Trioson  1819 -

 ピュグマリオンはギリシャ神話に登場する彫刻家です。(一説にはキプロス島の王)
 女性嫌いである彼は「一生結婚しない」と誓っていました。しかし、ある日ピュグマリオンは大理石で乙女像を彫ってしまいます。その出来栄えは実に見事で、美しく滑らかで、今にも動き出しそうな姿をしていました。彼はこの像に一目惚れをしてしまいます。ガラテアと名付けた像に優しく触れたり抱きしめたりし、綺麗な洋服を着せ、ネックレスやイヤリング、指輪などを付けてあげました。そうするとより人間らしく感じるようになり、ますますピュグマリオンはガラテアを愛するようになりました。いつしか彼女を妻にしたいと切に願うようになります。しかし、ベッドで添い寝をしていると、ガラテアの身体は硬く冷たいまま。彼は深く悲しみました。

 その後、キプロス島でヴィーナスの祭りがありました。ピュグマリオンは祭壇で「どうか私にあの乙女をお授けください」と強く祈ります。ヴィーナスはその愛を汲み取り、願いをかなえてやりました。彼が帰宅して乙女に接吻をすると、なんと柔らかく温かいではありませんか!驚くピュグマリオンを、ガラテアは恥ずかしそうに微笑んで応えます。こうして二人はヴィーナスの祝福の下で結婚し、パポスという子供を産んで幸せに暮らしました。
 究極の愛を求めるピュグマリオンとガラテアの絵画15点をご覧ください。

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魔女キルケの絵画14点。男を動物に変え、オデュッセウスを愛する嫉妬深き女神

Circe by Nicolas Regnier -

 キルケ(キルケ―とも)はギリシャ神話に登場する魔女です。
 父は太陽神ヘリオス、母は女神ペルセイス。神の血筋を引いている女神ですが、嫉妬深く、男を誘惑して破滅させる悪女の性質を持っています。アイアイエ島に住んでいるキルケは、お気に入りの男をたぶらかし、飽きたら動物に変えて家畜にしてしまうとされています。
 ホメロス作「オデュッセイア」によると、アイアイエ島へ漂着したオデュッセウス一行はキルケの館でもてなされます。しかし、食べ物を食べた部下たちは全員豚に変えられてしまいました。オデュッセウスはヘルメス神より授けられた薬草モーリュを食べ、魔法を跳ね除けました。そして、剣を抜いてキルケに立ち向かったのです。彼女はオデュッセウスにひれ伏し、仲間達を元に戻しました。一行はキルケの館に住むことになり、たちまち一年が経ちました。キルケの魔力により故郷から遠のいていたオデュッセウスでしたが、部下の「帰りたい」という切実な言葉に気付かされ、出発を決意しました。キルケは悲しみながらも、それを受け入れて助言したそうです。
 また、キルケは海神グラウコスに恋をし、恋敵である乙女スキュラを犬の怪物に変えたりもしました。そんな残虐さと妖艶さ、優しさを合わせ持った魔女キルケの絵画14点をご覧ください。

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ギリシャ悲劇オイディプスの絵画15点。父を殺してスフィンクスを倒し、母を娶った王

Charles Francois Jalabert -

 オイディプスはギリシャ神話に登場す悲劇的な人物です。
 テーバイの王ライオスは「子が自分を殺す」という神託を受けましたが、妻イスカオテとの間に男児が生まれてしまいました。ライオスは子供のかかとを刺して、従者に山中へ置けと命じたものの、従者は羊飼いに子供を渡します。羊飼いは彼をオイディプス(腫れた足)と名付けます。青年となったオイディプスは出生に疑問を感じ、アポロンの神託を受けました。そこで「父を殺すから故郷には近寄るな」という預言を受け、彼は羊飼いの両親の元を去りました。戦車に乗って旅をしている途中、ライオスの乗る戦車と出くわします。道を譲らなかったら馬を殺された為、オイディプスは怒って実父と従者を殺してしまいました。

 誰を殺めたか知らないまま、彼はテーバイへと逃亡します。そこは怪物スフィンクスに悩まされていました。怪物は「朝には四つ足、昼には二本足、夜には三つ足で歩くものは何か」という謎かけをして、答えられない者を喰らっていました。ライオスの代わりに王となったクレオンは困り果てて「スフィンクスを倒した者には町とイスカオテを与える」とお触れを出します。そこへ現れたのがオイディプス。「人間だ!」と彼は答え、スフィンクスは悔しさのあまり死んでしまいます。こうしてオイディプスは無自覚のまま父を殺し、母を妻としたのです。

 王となった彼は母との間に四人の男女を生みましたが、国内は飢饉と疫病が続きました。その理由を神託で聞くと「ライオスを殺した者を追放せよ」と出ました。調査している内に出生について知ることとなり、遂にオイディプスは犯人が自分であったことを突き止めます。恐ろしい事実に母は命を絶ち、彼は両目をえぐって放浪の旅に向かいます。その後、「コロノスのオイディプス」によれば彼は娘アンティゴネーに手を引かれてコロノスの神域まで辿り着き、そこで一悶着あった後息絶えたとされています。
 父を殺し母と契り、盲目となり放浪者となったオイディプスの悲劇の絵画15点をご覧ください。

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ギリシャ神話のエンデュミオンの絵画13点。恋した女神セレネは彼を永遠に眠らせる

Francesco Trevisani  1656–1746 -

 エンデュミオンは月の女神セレネの愛により、永遠に眠ることとなった美青年です。
 ある日の深夜、エンデュミオンは山頂で睡眠をとっていました。そこへセレネが偶然居合わせ、彼の寝姿を見るや否や恋に落ちてしまいました。美しい寝顔を見たい一心でセレネは毎夜そこを訪れるようになります。始めこそ寝姿を見るだけで満足していましたが、次第に耐え切れなくなった彼女は抱擁や接吻をしてしまいます。エンデュミオンはそれを現実ではなく、夢だと思っていました。毎夜毎夜、夢の中で美しい女性が現れて自分を愛してくれる、と。エンデュミオンも次第に女神に惹かれるようになっていきます。

 しかし、彼は人間。寿命は限られた存在です。老いと離別を恐れたセレネはエンデュミオンに囁きました。「貴方はこのまま老いて死ぬのと、美しい姿のまま永遠の眠りにつくのと、どちらがいい?」と。彼はためらわずに後者を選びました。セレネは主神ゼウスに頼み込み、願いを叶えてやりました。こうして永久の眠りについたエンデュミオンはラトモス山の洞窟へと運ばれ、セレネと夢の中での永遠の愛を築いたのです。
 眠る美青年エンデュミオンと、恋する女神様の絵画13点をご覧ください。

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夢魔と悪夢の絵画13点。フュースリから派生した、美女に忍び寄る不気味な悪魔

After Henry Fuseli's   19th -

 夢魔は睡眠中の人の夢に現れて、交わりを持とうとする悪魔の一種です。
 男性の夢魔はインキュバス(インクブス)、女性の夢魔はサキュバス(スクブス)と呼ばれています。コウモリに変身して部屋に侵入し、理想の相手を模したり、超絶美形の姿となったりして犠牲者に怪しまれないように事を成し遂げるとされています。しかし、夢魔の正体は非常に醜い化け物なのです。中世ルネサンス時代は本気で夢魔がいると信じられ、不義の子供が産まれた場合は夢魔が影響していると考えられました。
 そして、ロマン派の巨匠ヨハン・ハインリヒ・フュースリによって夢魔は絵画の世界に登場し、女性の上に乗る不気味な怪物を描く追随者が次々と現れます。また、夢魔を風刺に用いたり、悪夢を主題にした絵画を手掛ける者も出現したのです。
 夢魔や悪夢に関連した絵画13点をご覧ください。

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魔術師マーリンの絵画15点。変身を得意とし、アーサー王に助力する聖と闇の賢者

Merlin, by Frank Godwin -

 マーリンは中世西洋の伝承に登場する魔術師です。
 初登場の物語は12世紀の「ブリタニア列王記」であり、砦の基礎が固まらずにブリテン王ヴォーティガーンが困っていた時に連れてこられた少年がマーリンです。彼は超自然的で荒々しい能力を持ち、王の悩みに応えたとされています。マーリンは始めこそアーサー王と接点がありませんでしたが、時代が経てキリスト教が台頭するにつれ、アーサー王の良き助言者として登場するようになります。マーリンの母は人間で、父は夢魔(悪魔や妖精とも)とされ、邪悪な父の影響で闇の道へ進みかねないと判断した母親は、マーリンを教会へと連れていって洗礼を受けさせました。すると邪悪な部分は消え、魔術の力は残ったとされています。マーリンは深い知恵を持ち、政治や戦、恋愛などの様々な分野で円卓の騎士たちにアドバイスを与えました。

 マーリンは聖なる魔術師である共に、闇の部分も抱いていました。彼は悪戯好きで、恋愛沙汰を好んでいたのです。愛弟子であるヴィヴィアンに執着し、マーリンはいつか我が物にしたいと思っていました。師から魔法を習っていた彼女は、それに勘付いていました。そして、ヴィヴィアンはマーリンに魔法をかけて動けなくして地中の深い穴に放り込み、巨大な岩で穴を塞ぐと、強力な魔法をかけて封印してしまったのです。どんな強力な魔術師でさえ、封印を内側から破る事ができません。彼女はそのまま姿を消し、マーリンは永久に閉じ込められることになってしまったのです。
 魔術師のイメージの礎を生み出した、マーリンの絵画15点をご覧ください。

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パリスとヘレネの絵画13点。トロイ戦争の元凶となった出戻り王子と世界三大美女

Jaques-Louis David, 1788 - コピー

 パリスはトロイの王子であり、ヘレネはスパルタ王メネラオスの妃でした。彼がヘレネを誘拐したことにより、トロイ戦争が勃発してしまいます。
 プリアモスとヘカベの間に生まれたパリスには、兄ヘクトルと妹カサンドラがいます。凶兆が出た為にイデ山に捨てられ、パリスは羊飼いの家で育てられますが、後に王宮に迎えられます。そんな彼の前にヴィーナス、ヘラ、アテネの三美神が現れ、誰が一番美しいかを選ぶよう命じられたので、彼は「私を選んだら地上で最も美しい女を授けよう」と言ったヴィーナスを指名しました。世界一の美女というのがスパルタ王の妃ヘレネであり、パリスは女神の導きにより妻を捨てて彼女を誘拐してしまいます。勿論夫のメネラオス王は怒り、兄のアガメムノンと協力してギリシャ勢を集めてトロイに攻め込みました。ヘクトルがヘレネを返却させろと言っても、弟は聞く耳を持ちません。二人は相思相愛となり、戦争は泥沼状態と化して10年間続けられました。

 ヘクトルは英雄アキレスに殺され、パリスはアキレスを殺し、パリスは英雄ピロクテテスに射られて瀕死の重傷を負います。パリスは元の妻オイノネに治癒を求めたものの、「私を捨てた男なんか治したくない」と拒絶されて死んでしまいます。その後、パリスの弟のヘレノスとデーイポボスがヘレネを巡って戦い、後者が勝ちました。ヘレノスは弟を深く恨んでギリシャ側に寝返り、トロイの内部事情を伝えてしまいます。かくしてオデュッセウスが木馬の作戦を思い付き、トロイはあっけなく陥落してしまうのです。ヘレネは夫のメネラオスによって殺されかけますが、魅力深さ故に殺されず、メネラオスは再び彼女を妻としました。その後、ヘレネはスパルタの妃として平穏に暮らしたとも、アガメムノンの息子オレステスによって殺されたともされています。
 女神が介入した禁断の愛により破滅を起こした、パリスとヘレネの絵画13点をご覧ください。

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ラオコーンの作品13点。彫刻で有名となった、トロイ戦争で蛇に絞め殺された神官

Pieter Claesz Soutman 1601-57 -

 ラオコーンはギリシャ神話に登場するトロイの神官です。
 パリスがスパルタの妃ヘレネを誘拐したことにより始まった、ギリシャ連合軍VSトロイの戦争は泥沼状態となり、10年間続きました。そしてある日、トロイ勢は敵が撤退し、巨大な木馬が残されているのを発見しました。近くにはシノンという兵がいて拷問したところ、「私はオデュッセウスらに置きざりにされてしまった。我等は女神アテネの怒りを鎮めるためにこれを作った。これが城内に入るとギリシャ側が負けると予言に出たから、入れさせないよう巨大に作ったのだ・・・」と彼は白状しました。それを聞いてトロイ勢は大喜びし、早速木馬を城内に入れようとしました。

 しかし、待ったをかけたのがアポロン神殿の神官ラオコーン。彼は人々に「奸計ですぞ!」といさめ、槍を木馬に突き刺したのです。すると木馬から不気味なうめき声が上がりました。しかし、この行為はアテネの怒りを買ってしまい、女神は巨大な海蛇を呼び寄せました。海の怪物はラオコーンの二人の息子目がけて進み、毒牙にかけました。ラオコーンは叫んで反抗しようとしますが、瞬く間に身体に絡みつかれ、絞め殺されてしまったのです。この悲惨な情景を見て、人々は木馬をいち早く入城させようと考えました。こうして木馬は城内へと入り、トロイは一夜にして陥落してしまったのでした。
 神話におけるラオコーンの絵画と、有名なラオコーン像に関わる作品13点をご覧ください。

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ローマの慈愛キモンとペロの絵画15点。獄中で瀕死の父に、娘が母乳を与える物語

Peter Paul Rubens 1612 -

 「ローマの慈愛(Roman Charity)」と呼ばれているこの物語は、父親に対する娘の献身的な愛を象徴しています。
 時代は古代ローマまでさかのぼり、歴史家ワレリウス・マキシムスが書いた「忘れざる行為の9冊の書とローマ人の言葉」に記録されています。餓死の刑に処されている父親キモンは食糧を与えられず、死の寸前にありました。そこへ居場所を探し出した娘ペロが現れ、死にかけている父に自らの母乳を与えます。彼女の行為は看守によって発見されてしまいますが、この献身的な行為は看守の心を動かし、父親の解放を得ることができたとされています。
 この物語はローマ時代から何名もの画家に描かれ、17~18世紀頃に最も多く描かれました。キモンとペロの絵画、15点をご覧ください。

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ギリシャ神話のヒュアキントスの絵画11点。円盤が当たって絶命したアポロンの愛人

death of hyacinth benjamin west 1771 -

 ギリシャ神話のヒュアキントスは、事故によって亡くなったアポロンの愛人です。
 彼は相当の美青年で、アポロンは非常に可愛がっていました。男色は全然OKの時代、神だって気にしません。アポロンは漁や狩猟に行く時も、スポーツをする時も、山登りをする時も、いつもヒュアキントスを伴っていました。ある日、二人は円盤投げをして遊んでいました。アポロンが空高く投げた円盤をじっと見つめ、ヒュアキントスはそれをやりたくなり、円盤に駆け寄っていきました。しかし、運悪く地面に跳ね返って来た円盤が彼の額に直撃したのです!瀕死で倒れた少年の元に、アポロンは真っ青な表情で走り寄ります。どんな治療をおこなっても徒労で、ヒュアキントスは死んでしまいます。「ああ、なんたることだ!お前の立場と替わることができるならそうしたのに!お前の存在を美しい花に変えてあげよう・・・」そうアポロンが言うやいなや、ヒュアキントスの姿は深紅色の百合のような花に変化したのです。
 悲劇の青年ヒュアキントスの絵画、11点をご覧ください。
 
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プロフィール
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中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
師匠はヒエロニムス・ボス。
神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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