メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

神話・伝承

バウキスとピレーモーンの絵画14点。ゼウスとヘルメスを快く招いた、正しき老夫婦

1818 Nicolas Auguste Hesse  -

 バウキスとピレーモーンはギリシャ神話に登場する、善人の老夫婦です。
 ある日、ゼウスとヘルメスは貧しい身なりの人間に変装してフリギア(トルコ中部)を旅していました。夜になると彼等は近くの家の戸を叩き、一晩泊めてくれるよう頼もうとしましたが、不親切にも戸を開けてくれません。やっとの事で二人は迎えてくれる所を発見します。そこはボロボロの家で、貧しい老夫婦が住んでいました。彼等は二人を歓迎し、暖かい火を起こして質素ながらも精一杯のもてなしを行いました。

 食事中、夫婦はある事に気付きました。なんと自然と酒瓶から酒が湧き出ているのです。眼前の者達が神である事を知ると、二人は貧しいもてなしを詫び、守り神のようにして飼っていたガチョウを供物にしようとしました。しかし、ゼウスはそれを止めて「私達はこれからこの村に罰を与える。お前達だけは助けるから、共に来るがよい」と言いました。夫婦は直ぐにそれに従い、神々と一緒に険しい坂道を上ってゆきました。

 そして夫婦が頂上へ着いた時、村はすっかり湖に沈んでしまい、彼等の家だけが残っているだけでした。二人が驚いていると、その家は豪華な神殿へと変貌していったのです。「徳の高い夫婦よ。望みの物を言ってみるがいい」というゼウスの問いに対し、二人は「この神殿の祭司とさせていただき、この世を去る時は同時に逝くようにしてください」と頼みました。この願いは聞き届けられ、年月が過ぎて夫婦がすっかり年老いると、二人の身体は同時に樹木に変化していきました。オークと菩提樹の木はいつまでも神殿に残っているとされています。
 親切な者は救われる。バウキスとピレーモーンの絵画14点をご覧ください。

bottan_03_01

クロトンのミロンの作品11点。幹に手がはまって猛獣に喰われた最強レスリング選手

Giovanni Antonio de Sacchis IL Pordenone. Italian 1535-40 -

 クロトンのミロンは、紀元前6世紀頃の古代ギリシャで活躍したレスリング選手です。
 マグナ・グラエキナ(南イタリア)のクロトン出身で、古代オリンピックなどの競技で連戦連勝し、24年間無敗を誇ったとされています。歴史家のディオドロスによれば、紀元前510年に起こった戦争で活躍し、クロトン側の勝利に貢献したそうです。宴会場の屋根が崩れて哲学者のピタゴラスに降りかかった際、ミロンが屋根を支えて命を救ったという逸話もあります。ピタゴラスは感謝を表し、娘のミラを結婚相手として差し出したそうです。

 牛を肩に担いで鍛え、名声を欲しいままにしたミロン。しかし、彼の最期はなんとも悲しく情けないものでした。ある日、ミロンは腕力だけで木を切り倒そうとし、平手を幹に打ち付けました。木は引き裂けたものの、なんと手が裂け目にハマってしまったのです。木が倒れた音に反応してやってきたのは、獰猛な猛獣(獅子、狼とともされる)。手が抜けないまま、ミロンは猛獣に食い殺されてしまったのでした・・・。
 なんとも悲惨な最期を遂げたクロトンのミロンに関する絵画や彫刻作品、11点をご覧ください。

bottan_03_01

アンドロギュノス(両性具有)についての写本挿絵13点。錬金術における完全体の象徴

Buch der heiligen Dreifaltigkeit ale, Beinecke, Mellon 1700

 古代ギリシャやエジプトで興り、中世ルネサンス時代に発達した、卑金属から金を錬成する術を探る錬金術。
 錬金術師の目標は金を生み出すだけではなく、対立している両極性の統合、完全性の入手にありました。男女や善悪、太陽と月。世界の全ては両極性を含んでいるとされ、それを統合して初めて完全を得ると考えられていたのです。

 男女を統合して完全体になった存在は「アンドロギュノス(両性具有)」と呼ばれ、究極の真理とされてきました。錬金術の世界においてアンドロギュノスの姿は半分が男性で半分が女性の姿をした王の姿で描き、一対の翼を持ち、龍を踏み付けたり、定規や蛇、盃などを手に持っています。また、この存在はレビス(Rebis)とも言われ、ラテン語で「2つの部分から成る者」の意味を含んでいます。
 では、錬金術における完全体アンドロギュノスについての挿絵13点をご覧ください。

bottan_03_01

ヘルマプロディトスの絵画13点。ニュムペーに愛され、両性具有体となった美少年

Hermaphroditus And Salmacis by Louis Finson -

 ギリシャ神話に登場するヘルマプロディトスは、ヘルメスを父にヴィーナスを母に持つ美少年です。
 ヘルマプロディトスはトルコのイデ山でニュムペー(ニンフ)によって育てられました。15歳の時に各地を旅し、ハリカルナッソスという土地の森の泉で、ニュムペーのサルマキスと出会いました。彼女はこの美少年に一目惚れをし、誘惑を試みましたがすげなく断られてしまいます。ヘルマプロディトスはサルマキスが去ったのを見計らって衣服を脱ぎ、泉へ入っていきました。その時、隠れていたサルマキスが猛ダッシュし、美少年目がけて飛び込んだのです!

 「好きよ~!」と抱きしめようとするサルマキスに、「止めて~!」と抵抗するヘルマプロディトス。彼女は神々に「どうか離れ離れにしないで」と願い、その祈りは届けられます。こうして二人は融合して両性具有体となったのでした。自らの身体の変化に悲嘆したヘルマプロディトスは、「この泉の水を浴びた者は全て僕のようになってしまえ」と呪いをかけたとされています。
 サルマキスに愛されすぎたヘルマプロディトスの絵画13点をご覧ください。

bottan_03_01

ヒュラスの絵画13点。ヘラクレスの従者だったが、泉のニュムペーにさらわれた美少年

Hylas and the Nymphs, John William Waterhouse -

 ギリシャ神話に登場するヒュラスはヘラクレスに仕えていたものの、ニュムペー(ニンフ)にさらわれてしまった美少年です。
 ドリュオプス族のテイオダマース王とニュムペーのメノディケ(ケーウクスという説も)との息子。テイオダマース王は非道な性格をしていたので、ヘラクレスは王を殺して幼いヒュラスを奪い、従者として育てる事にしました。(ヘラクレス滅茶苦茶な奴ですね・・・) それでもヒュラスは立派な従者に成長します。

 しかし、アルゴ―船がキアノス島へ上陸した日に事件が起きます。ヒュラスが泉へ水を汲みに行った時、泉のニュムペー達と遭遇。ヒュラスの美しさに惚れてしまったニュムペーらは、彼を泉の中へ引きずり込んでしまったのです。ポリュペモスがヘラクレスにヒュラスが行方知れずになったことを伝え、二人は捜索をします。現地の村の人を脅迫してまで懸命の捜索をしたものの、結局発見できずにヘラクレスはその場を離れざるを得なかったのでした。こうしてヒュラスは泉のニュムペーの夫となったのです。
 美少年を泉に引きずり込む美女たちの絵画13点をご覧ください。

bottan_03_01

デウカリオンの洪水の絵画13点。殆どの人類が絶えた、ゼウスの怒りによる大洪水

Paul Merwart (1855-1902), The Flood -

 デウカリオンはギリシャ神話に登場し、妻と共に大洪水を生き延びた人物です。
 人間に火を与えたプロメテウスの息子とされ、プティアの王とされています。プティアの地はアキレスの故郷でもあるようです。ゼウスはアルカディアの王リュカオンと息子達に人肉をもてなされた為、人間の存在を疎ましく思うようになり、滅ぼしてしまおうと地上に大洪水を起こしました。激しい豪雨により海の水かさが増し、あっと言う間に水は全ての都市を流し、水に浸からなかったのは山頂のわずかな部分だけでした。

 デウカリオンは父プロメテウスより警告を受け、方舟を作って食糧を入れて妻ピュラーと乗り込んでいた為、難を逃れました。9日間水上を漂ってようやく水が引いた時、二人はパルナッソス山へと到着しました。デウカリオンはピュラーと共に河のほとりの神殿でゼウスに生贄を捧げ、「人間を蘇らせてください」と祈ります。ゼウスはその願いを聞き届け、「お前達の顔を布で包み、母の骨を後ろに投げよ」というお告げを与えました。

 ピュラーはそんな親不孝はできないと嘆き悲しみましたが、デウカリオンは母は「大地」のことで骨は「河岸の石」の事だと解釈し、二人は石を拾って背後に投げました。すると、デウカリオンが投げた石から男性が誕生し、ピュラーが投げた石からは女性が誕生しました。こうして地上にはまた人間があふれるようになったのです。
 デウカリオンの洪水についての絵画13点をご覧ください。

bottan_03_01

リュカオンに関する絵画11点。ゼウスを冒瀆した為、狼に変えられたアルカディア王

Jan Cossiers - Júpiter y Licaón 1600-71 -

 リュカオンはギリシャ神話に登場するアルカディアの王です。ペラスゴスとニュムペーのキュレネーの子供で、多くの女性との間にカリストを含む50名もの子供をもうけたとされています。(諸説あり)
 リュカオンはアルカディアに最初の都市リュコスーラを建設したとされ、神を祀る祭りや競技を行いました。しかし、彼は人間の子供を生贄にしてゼウスに捧げた為、ゼウスは怒ってリュカオンを狼に変えてしまいました。

 また異なる物語によると、ゼウスは人間になり切ってリュカオンの家へ訪問しました。リュカオンと息子達は邪悪な心を持っていた為、ゼウスに与える料理に人肉を混ぜる事を思い付き、アルカディアの子供を殺して臓物スープを作りました。(兄弟の一人ニュクティーモスだという説も) 山羊や羊の肉だけではなく人間も入っている事を見抜いたゼウスは怒り狂い、料理が置かれた机をちゃぶ台返し風(?)に倒し、息子達を雷で打ち殺し、リュカイオンを狼に変えました。唯一、末っ子のニュクティーモスのみが助けられたとされています。(料理されている場合は蘇生する)
 これらの事件でゼウスは人間世界に嫌気が差し、洪水を起こして滅ぼしてしまおうと考えます。デウカリオンの大洪水の原因となったのは、リュカイオンと息子達の神を冒瀆する行為だったのでした。
 リュカイオンに関する絵画11点をご覧ください。

bottan_03_01

アルカディアの絵画12点。ギリシャの牧歌的な土地を夢見た楽園。しかし理想郷は…

Nicolas Poussin, Shepherds of Arcadia 1637 -

 アルカディアはギリシャのペロポネソス半島の中央に位置する地域名であり、後に楽園やユートピアであるという伝承が広まり、理想郷を指す言葉として使われるようになりました。名称はリュカオンの娘カリストとゼウスの息子であるアルカスに由来します。(小熊座となった息子さん。アルカディアの王となったという伝承もあります)
 実在のアルカディアは前4世紀頃にメガロポリスが建設され、牧畜を生業として生活していましたが、農耕に適さない貧しい山岳地帯であったそうです。牧歌的な美しい風景の中で牧畜をする生活が、後世の人々には理想郷だと映ったのだと思います。現代においてもアルカディアは存在し、ギリシャの古代アルカディア地方とエーゲ海沿岸の土地を含め、アルカディア県としているそうです。

 画家は理想郷アルカディアを想像し、緑あふれる美しい景色を描きました。しかし、中には「理想郷であっても人間の摂理は変えられない」という皮肉めいた作品を残す者も・・・。
 では、アルカディアの絵画12点をご覧ください。

bottan_03_01

サテュロスと農夫の絵画13点。イソップ寓話より派生した、牧神とスープの家族絵画

Jan Steen The Satyr and the Peasant 1660 -

 サテュロスと農夫は、イソップ寓話「サテュロスと旅人」から派生して、サテュロスと一緒に家族が描かれている構成の絵画の事を指します。フランドルを中心に作品が残されています。
 極寒の日の夜、旅人は天候の悪さに先に進めなくなってしまいました。同情したサテュロスは旅人を自分の家(洞窟)へと招待します。旅人は礼を言い、凍えて感覚がなくなった両手を温めようと息を吹きかけました。彼が温まって来た頃、サテュロスは充分に温められた料理でもてなします。スープがとても熱かった為、旅人は息をふーふーして冷まそうとしました。それを見ていたサテュロスはぶるぶる震え出し、こう叫んだのです。「二種類の息を出せるような奴は家に入れたくない!」と。こうして旅人はサテュロスの家を追い出されてしまったのです。
 この普段やってしまいがちな行為は、サテュロスにとっては気持ち悪く映ったのでしょう。この寓話はどういう教訓を含んでいるかは断言できませんが、「節操を持ちましょう」「郷に入っては郷に従え」的な感じなのでしょうかね。(調べてみたら、性格が分からない奴とは付き合えないという意味のようです。それってどうよ^^;)
 では、イソップ寓話の進化版というべきサテュロスと農夫についての絵画13点をご覧ください。

bottan_03_01

イソップ童話(寓話)の絵画14点。ギリシャのアイソーポスが紡いだ、ためになる寓話集

Aesop Composing His Fables  Charles Landseer -

 イソップ寓話(童話)は、紀元前6世紀頃の古代ギリシャ時代の人物アイソーポス(イソップ)が作ったとされる寓話集です。(寓話は例え話によって人の生活に馴染みの深いできごとを伝え、学ばせることを目的とした物語)
 アイソーポスは元々奴隷でしたが、話をするのが上手で解放されたとされています。それからは寓話の語り手として旅をしたと言われています。彼は沢山の寓話を製作しましたが、現在伝わっている寓話すべてがアイソーポス作という訳ではなく、古代メソポタミアより伝わった話や現地の民話、後世の寓話も含まれているようです。

 有名なイソップ寓話としては、「アリとキリギリス」「ウサギとカメ」「犬と肉」「北風と太陽」「金の斧銀の斧」などが知られています。日本に寓話が伝わったのは1593年とされ、イエズス会の宣教師が書物を翻訳したそうです。思ったよりも古くから伝わってきているんですね。後に教科書にも取り入れられるようになり、「ウサギとカメ」のように、日本の昔話ではないかと思ってしまうような程にまで馴染み深くなりました。(私は若い頃、日本昔話だと信じ切っていました^^;)
 妙に納得してしまう話ばかりのイソップ寓話の絵画14点をご覧ください。

bottan_03_01
プロフィール
aicon

管理人:


中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
師匠はヒエロニムス・ボス。
神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

button

メメント・モリについて

アーカイブ
記事検索
記事検索
  PR
【異形の怪物LINEスタンプ】
line logo2


ブログランキング・にほんブログ村へ

―最新記事をお届け―

buttons

buttons - コピー (2)

buttons - コピー

PC用広告