
ギリシア神話に登場するエコーは、女神ヘラの呪いによりナルキッソスに見限られ、声だけの存在になってしまった悲劇の女性です。
オウィディウスの「変身物語」によると、山のニュムペーであるエコーはゼウスに見初められた仲間を助ける為に、ヘラに対して歌とおしゃべりで時間稼ぎをしました。それに怒ったヘラは、エコーに「自分から話しかけられず、相手の言葉をオウム返しにするだけ」という呪いをかけました。
その後、エコーは美青年ナルキッソスに恋をしましたが、相手の言葉を繰り返すだけであったゆえに、「退屈だ」とナルキッソスに飽きられてしまいます。酷いショックを受けたエコーはやせ衰え、遂には肉体が消えて「木霊」と化してしまいました。エコーの悲劇に怒った女神ネメシスは、ナルキッソスに「自己しか愛せない」という呪いをかけて破滅させたのでした。
ナルキッソスをテーマにした絵画だけではなく、エコーを主題にした作品も存在します。では、エコーに関係する絵画11点をご覧ください。
