メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

神話・伝承

夢魔と悪夢の絵画13点。フュースリから派生した、美女に忍び寄る不気味な悪魔

After Henry Fuseli's   19th -

 夢魔は睡眠中の人の夢に現れて、交わりを持とうとする悪魔の一種です。
 男性の夢魔はインキュバス(インクブス)、女性の夢魔はサキュバス(スクブス)と呼ばれています。コウモリに変身して部屋に侵入し、理想の相手を模したり、超絶美形の姿となったりして犠牲者に怪しまれないように事を成し遂げるとされています。しかし、夢魔の正体は非常に醜い化け物なのです。中世ルネサンス時代は本気で夢魔がいると信じられ、不義の子供が産まれた場合は夢魔が影響していると考えられました。
 そして、ロマン派の巨匠ヨハン・ハインリヒ・フュースリによって夢魔は絵画の世界に登場し、女性の上に乗る不気味な怪物を描く追随者が次々と現れます。また、夢魔を風刺に用いたり、悪夢を主題にした絵画を手掛ける者も出現したのです。
 夢魔や悪夢に関連した絵画13点をご覧ください。

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魔術師マーリンの絵画15点。変身を得意とし、アーサー王に助力する聖と闇の賢者

Merlin, by Frank Godwin -

 マーリンは中世西洋の伝承に登場する魔術師です。
 初登場の物語は12世紀の「ブリタニア列王記」であり、砦の基礎が固まらずにブリテン王ヴォーティガーンが困っていた時に連れてこられた少年がマーリンです。彼は超自然的で荒々しい能力を持ち、王の悩みに応えたとされています。マーリンは始めこそアーサー王と接点がありませんでしたが、時代が経てキリスト教が台頭するにつれ、アーサー王の良き助言者として登場するようになります。マーリンの母は人間で、父は夢魔(悪魔や妖精とも)とされ、邪悪な父の影響で闇の道へ進みかねないと判断した母親は、マーリンを教会へと連れていって洗礼を受けさせました。すると邪悪な部分は消え、魔術の力は残ったとされています。マーリンは深い知恵を持ち、政治や戦、恋愛などの様々な分野で円卓の騎士たちにアドバイスを与えました。

 マーリンは聖なる魔術師である共に、闇の部分も抱いていました。彼は悪戯好きで、恋愛沙汰を好んでいたのです。愛弟子であるヴィヴィアンに執着し、マーリンはいつか我が物にしたいと思っていました。師から魔法を習っていた彼女は、それに勘付いていました。そして、ヴィヴィアンはマーリンに魔法をかけて動けなくして地中の深い穴に放り込み、巨大な岩で穴を塞ぐと、強力な魔法をかけて封印してしまったのです。どんな強力な魔術師でさえ、封印を内側から破る事ができません。彼女はそのまま姿を消し、マーリンは永久に閉じ込められることになってしまったのです。
 魔術師のイメージの礎を生み出した、マーリンの絵画15点をご覧ください。

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パリスとヘレネの絵画13点。トロイ戦争の元凶となった出戻り王子と世界三大美女

Jaques-Louis David, 1788 - コピー

 パリスはトロイの王子であり、ヘレネはスパルタ王メネラオスの妃でした。彼がヘレネを誘拐したことにより、トロイ戦争が勃発してしまいます。
 プリアモスとヘカベの間に生まれたパリスには、兄ヘクトルと妹カサンドラがいます。凶兆が出た為にイデ山に捨てられ、パリスは羊飼いの家で育てられますが、後に王宮に迎えられます。そんな彼の前にヴィーナス、ヘラ、アテネの三美神が現れ、誰が一番美しいかを選ぶよう命じられたので、彼は「私を選んだら地上で最も美しい女を授けよう」と言ったヴィーナスを指名しました。世界一の美女というのがスパルタ王の妃ヘレネであり、パリスは女神の導きにより妻を捨てて彼女を誘拐してしまいます。勿論夫のメネラオス王は怒り、兄のアガメムノンと協力してギリシャ勢を集めてトロイに攻め込みました。ヘクトルがヘレネを返却させろと言っても、弟は聞く耳を持ちません。二人は相思相愛となり、戦争は泥沼状態と化して10年間続けられました。

 ヘクトルは英雄アキレスに殺され、パリスはアキレスを殺し、パリスは英雄ピロクテテスに射られて瀕死の重傷を負います。パリスは元の妻オイノネに治癒を求めたものの、「私を捨てた男なんか治したくない」と拒絶されて死んでしまいます。その後、パリスの弟のヘレノスとデーイポボスがヘレネを巡って戦い、後者が勝ちました。ヘレノスは弟を深く恨んでギリシャ側に寝返り、トロイの内部事情を伝えてしまいます。かくしてオデュッセウスが木馬の作戦を思い付き、トロイはあっけなく陥落してしまうのです。ヘレネは夫のメネラオスによって殺されかけますが、魅力深さ故に殺されず、メネラオスは再び彼女を妻としました。その後、ヘレネはスパルタの妃として平穏に暮らしたとも、アガメムノンの息子オレステスによって殺されたともされています。
 女神が介入した禁断の愛により破滅を起こした、パリスとヘレネの絵画13点をご覧ください。

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ラオコーンの作品13点。彫刻で有名となった、トロイ戦争で蛇に絞め殺された神官

Pieter Claesz Soutman 1601-57 -

 ラオコーンはギリシャ神話に登場するトロイの神官です。
 パリスがスパルタの妃ヘレネを誘拐したことにより始まった、ギリシャ連合軍VSトロイの戦争は泥沼状態となり、10年間続きました。そしてある日、トロイ勢は敵が撤退し、巨大な木馬が残されているのを発見しました。近くにはシノンという兵がいて拷問したところ、「私はオデュッセウスらに置きざりにされてしまった。我等は女神アテネの怒りを鎮めるためにこれを作った。これが城内に入るとギリシャ側が負けると予言に出たから、入れさせないよう巨大に作ったのだ・・・」と彼は白状しました。それを聞いてトロイ勢は大喜びし、早速木馬を城内に入れようとしました。

 しかし、待ったをかけたのがアポロン神殿の神官ラオコーン。彼は人々に「奸計ですぞ!」といさめ、槍を木馬に突き刺したのです。すると木馬から不気味なうめき声が上がりました。しかし、この行為はアテネの怒りを買ってしまい、女神は巨大な海蛇を呼び寄せました。海の怪物はラオコーンの二人の息子目がけて進み、毒牙にかけました。ラオコーンは叫んで反抗しようとしますが、瞬く間に身体に絡みつかれ、絞め殺されてしまったのです。この悲惨な情景を見て、人々は木馬をいち早く入城させようと考えました。こうして木馬は城内へと入り、トロイは一夜にして陥落してしまったのでした。
 神話におけるラオコーンの絵画と、有名なラオコーン像に関わる作品13点をご覧ください。

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ローマの慈愛キモンとペロの絵画15点。獄中で瀕死の父に、娘が母乳を与える物語

Peter Paul Rubens 1612 -

 「ローマの慈愛(Roman Charity)」と呼ばれているこの物語は、父親に対する娘の献身的な愛を象徴しています。
 時代は古代ローマまでさかのぼり、歴史家ワレリウス・マキシムスが書いた「忘れざる行為の9冊の書とローマ人の言葉」に記録されています。餓死の刑に処されている父親キモンは食糧を与えられず、死の寸前にありました。そこへ居場所を探し出した娘ペロが現れ、死にかけている父に自らの母乳を与えます。彼女の行為は看守によって発見されてしまいますが、この献身的な行為は看守の心を動かし、父親の解放を得ることができたとされています。
 この物語はローマ時代から何名もの画家に描かれ、17~18世紀頃に最も多く描かれました。キモンとペロの絵画、15点をご覧ください。

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ギリシャ神話のヒュアキントスの絵画11点。円盤が当たって絶命したアポロンの愛人

death of hyacinth benjamin west 1771 -

 ギリシャ神話のヒュアキントスは、事故によって亡くなったアポロンの愛人です。
 彼は相当の美青年で、アポロンは非常に可愛がっていました。男色は全然OKの時代、神だって気にしません。アポロンは漁や狩猟に行く時も、スポーツをする時も、山登りをする時も、いつもヒュアキントスを伴っていました。ある日、二人は円盤投げをして遊んでいました。アポロンが空高く投げた円盤をじっと見つめ、ヒュアキントスはそれをやりたくなり、円盤に駆け寄っていきました。しかし、運悪く地面に跳ね返って来た円盤が彼の額に直撃したのです!瀕死で倒れた少年の元に、アポロンは真っ青な表情で走り寄ります。どんな治療をおこなっても徒労で、ヒュアキントスは死んでしまいます。「ああ、なんたることだ!お前の立場と替わることができるならそうしたのに!お前の存在を美しい花に変えてあげよう・・・」そうアポロンが言うやいなや、ヒュアキントスの姿は深紅色の百合のような花に変化したのです。
 悲劇の青年ヒュアキントスの絵画、11点をご覧ください。
 
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クトゥルフ神話の小説の表紙絵13点。ダゴンやハスターなど古の邪神たち【第二弾】

 Chambers -

 いあ!いあ!はすたあ!
 クトゥルフ神話はH・P・ラヴクラフトとその追随者が手掛けた、「コズミック・ホラー(宇宙的恐怖)」と呼ばれる一連のホラー小説の集合体のことを指します。大いなるクトゥルフに這いよる混沌ニャルラトホテプ、白痴の神アザトースに副王ヨグ=ソトース、邪神ダゴンに黄衣の王ハスター。クトゥルフ神話には冒涜的で魅力的な神々や怪物がたくさん登場します。
 では、第一弾に引き続き、クトゥルフ神話に関する小説の表紙絵13点をご覧ください!なお、記載している年は紹介している雑誌の出版年ではなく、小説が出版された年でありますので、ご了承ください。

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クトゥルフ神話の小説の表紙絵14点。ラヴクラフトが生んだ至上のコズミックホラー

The Disciples of Cthulhu by HP Lovecraft -

 いあ!いあ!くとぅるふ!
 クトルゥフ神話はアメリカの小説家H・P・ラヴクラフトとその後継者たちが手掛けた、一連のホラー小説の集合体のことを指します。ジャンルはコズミック・ホラー(宇宙的恐怖)と呼ばれ、人間の力ではどうすることもできない超次元的な力を持つ異星の神が主軸に存在しております。
 ラヴクラフトは大の読書家で、様々な知識を有していました。彼は自らが恐ろしい、嫌悪するものを合体させ、不気味な神々を生み出していきます。それらは他の小説家に共有され、オーガスト・ダーレスが編集者として大々的な宣伝を行って書籍を売り出していくことで、アメリカでは大変なクトルゥフブームが巻き起こりました。日本でも物語は翻訳され、早期から追随者が現れています。今日においてもクトゥルフ神話は下火になることはなく、世界中で根強い人気があるのです。
 では、クトゥルフ神話に関する小説の表紙絵14点をご覧ください。なお、表示されている年代は小説が出版された年であり、紹介している表紙本の年ではないことはご了承ください。

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ギリシャ神話の美青年アドニスの絵画14点。無惨にも猪に殺されるヴィーナスの愛人

 Thomas Willeboirts -

 ギリシャ神話に登場するアドニスは、女神ヴィーナスに愛された美青年です。
 ある日、ヴィーナスは息子エロスと遊んでいるうちに、恋の矢で自分の胸を傷付けてしまいました。彼女はすぐに払いのけましたが、傷は想像以上に深いものでした。その時、近くにアドニスが通りかかったのです。ヴィーナスは瞬く間に恋に落ちてしまい、アドニスのことしか考えられなくなりました。彼は狩人だったので、ヴィーナスはアドニスと共に森や山を歩き、野兎や鹿などを追いまわしました。ヴィーナスは「いいですか。狼や獅子、猪など危険な動物には決して近付いてはなりません。私がいない間に身を危険にさらしてはいけませんよ」とアドニスに忠告し、用事を済ます為に二輪車に乗って大空を駆けていきました。

 しかし、アドニスは気高く血気盛んな若者だったので、忠告を無視してしまいます。猟犬が猪を発見するやいなや、彼は槍を動物の脇腹に突き立てました。すると、猪はひるむことなくアドニスに突進し、逃げる隙もなく青年の脇腹に牙を付きたてたのです!アドニスは悲鳴を発し、野原に倒れ込みました。その叫びを聞いたヴィーナスはUターンし、血まみれになったアドニスの元へ駆け寄ります。あまりの悲しみに彼女は髪をかきむって胸を叩き、運命の女神を呪いました。「すべてを運命の女神に委ねるなんてできない。私はアドニスの死と悲しみを風化させないようにする。あなたの流した血は、美しい花となるのです」ヴィーナスはそう言ってネクタル(神酒)を彼に流しました。すると、ザクロのような赤色の花が咲き出し、この花はアネモネと呼ばれるようになりました。
 悲劇の青年アドニスとヴィーナスの絵画14点をご覧ください。

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ギリシャ神話のパエトンの絵画12点。父アポロンの二輪車を借り、墜落死した少年

sebastiano ricci 1659 1734 -

 ギリシャ神話に登場するパエトンは、太陽神アポロンとニュムペーのクリュメネーとの間に生まれた息子です。
 彼は友人から「お前は本当にアポロンの息子なのか?」と言われ笑われたので、それを証明するために日の出の方角へ旅をし、父親の宮殿へ赴きました。全身から光を発すアポロンに気圧されながらも、彼は「あなたの父親と証明できる何かをお授けください」と頼みます。アポロンは快く了承し、「何でも願うがいい」と答えます。しかし、パエトンが願ったのは「太陽の二輪車を一日御させてください」でした。父親はそれだけは命の危険があるから止めてくれ、自分ですら太陽を御するのは難しい時がある、と息子を説得しようとしますが、聞く耳を持ちません。結局アポロンは折れ、二輪車を貸すことにしました。

 しかし、それが悲劇の始まりでした。目を輝かせて二輪車に乗ったパエトンですが、発車した途端に引く馬のスピードと凶暴さに恐れ、やがて手綱を離してしまいます。太陽は大暴走し、そこら中を焼け野原にしてしまいました。山は焼け、川や海は干上がり、北アフリカ辺りは砂漠となり、エチオピア人は肌が黒くなってしまいました。豊穣神は「このままでは世界が滅んでしまう!」とゼウスに助けを求めました。最高神はやむなく雷霆を使ってパエトンを撃ち殺してしまいました。パエトンの遺体はエリダノス河に落ち、彼の姉妹のヘリアデスたちは悲しさのあまりポプラの樹になってしまい、樹が流した涙は琥珀になったそうです。
 血気にはやる余り命を落としてしまったパエトンの絵画、12点をご覧ください。

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中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
師匠はヒエロニムス・ボス。
神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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