メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

図像学・技法

フクロウの絵画15点。闇の中、音もなく飛来し獲物を補足する、知恵と凶兆の象徴

Two Owls Gustave Dore -

 鳥類最古の種のひとつともされているフクロウ。夜の森に住まう猛禽類。音もなく滑空し、獲物を捕らえるフクロウは古来より神秘的な存在と考えられていました。古代ギリシアではミネルヴァの使いとして知恵を司り、中世では魔女の使いとして闇の側面を持ち、日本では幸運の象徴として尊ばれる。賢者や監視者や悪魔や使者。時代や地域により様々な解釈をされ、時にはイメージが重なりながら、フクロウの象徴性は厚みを増していきました。
 そんなイメージの宝庫ともいえるフクロウを、画家達は勿論放っておきません。中世から現代まで、フクロウはあらゆるシーンで登場します。象徴を内包していたり、動物としてだったり、その両方であったり。色々な個性的なフクロウが存在します。
 では、フクロウの絵画15点をご覧ください!なお、ミミズクもフクロウとして紹介させていただきますので、ご了承ください。

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インパクトのある絵画12点。驚愕、おどけ、変顔、絶叫…ひたすら個性が光る作品

Self-portrait by Pieter-Jacobsz van Laer 1635-37 -

 古典的な絵画のモチーフは比較的決まっており、神話、聖書、寓意、静物、農民画、風景、肖像、歴史など、ある程度テーマに沿っています。中にはカリカチュア(皮肉)のような滑稽さを表した作品や、実験的な作品、遊び心のある作品もありますが、「絵画」を想像すると、どこか真面目で、すましたようなかしこまった感じのものを考えがちではないでしょうか。
 そんな中で「画家の人、面白がってこれを描いたのかしら?」と思わせるような、インパクト勝負の絵画が存在します。表情やポーズ、シチュエーションなど、とにかく目立ってなんぼ!印象に残ったら勝ちです!
 では、インパクトのある12点の絵画をご覧ください。寄せ集めのバラバラな感じですが、お許しください^^;

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悪魔と住民の絵画11点。闇の異形とゆるく真剣に付き合う、中世の幻想ワールド

Jensky kodex selma z apokalypsy a prelati -

 聖や闇の存在が、現代よりも深く信じられていた中世。
 心を惑わし堕落させようと企む悪魔は、人々にとって脅威でした。甘言で誘惑して悪事を誘発させ、罪を犯させる。罪深き者は死後、天使の祝福を受けることができない。笑みを浮かべし悪魔は、穢れし魂を地獄へと連れていく。地獄へ落とされた者は永遠に責め苦を受け続ける…。
 現世でも死後でも人々を苦しめる恐ろしき悪魔。本来なら醜くおぞましい姿です。ですが、中世のゆるふわな作風のせいで、悪魔がきもかわいいとさえ言える、ユニークなお姿になってしまっているのです。ブログの読者の方々にとって、中世のゆるーい作風はもうお馴染みですね(笑)
 では、悪魔と住民にまつわる絵画11点をご覧ください。

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超個性的!豊穣な卵のマスターと呼ばれる、素性不明な画家の寓意的作品13点

Maestro della Fertilità dell'Uovo The fertility of the egg 17th-

 びっしりと描かれた人体と異形。転がる卵。滑稽めいた顔。寓意と風刺と謎がたゆたう、奇異な作品ー…。17世紀後半~18世紀前半頃に生きたとされる、不思議な作品の画家はこう名付けられました。
 「Master of the Fertility of the Egg (豊穣な卵のマスター)」と。

 画家の名称が分からない時、研究者は作品の特徴+マスター(ギルドの親方)という風に名付けます。中世~近代の画家は名前不明の者が割と多いのです。画家の代表作が卵をテーマにしたものだったので、「豊潤(または肥沃)な卵のマスター」と付けられました。
 彼はイタリアのブレシアで活躍したとされ、学者の説によると本名はベルナルディーノ・デホ(1675-1717)である、とかアンジェロ・エッセラッソである、とか言われていますが、定かではありません。同時期のブレシアで活躍したファウスティーノ・ボッキも奇妙な小人群を描いており、ボッキのサークルにいたのではないか、という声もあります。北方ルネサンスの巨匠ヒエロニムス・ボスから続く、グロテスクで奇妙な怪物の影響を受けていると考えられ、絵画には象徴に満ちた寓意や鋭い風刺などが込められています。とにかく個性的で、一度見たら忘れられないインパクトさを持っていますよね。

 では、「豊潤な卵のマスター」の作品13点の作品をご覧ください!題名はなく、色々と不明な部分ばかりで、私も全然分かっていません。翻訳は我流となります。ノリと勢いでご紹介しますので、 ご了承ください!

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ネズミの絵画11点。家を縦横無尽に走りまわり、死のペストを運ぶ陰の脅威者

Johann Amadeus Wink Still Life with Mouse Fruit  Flowers 18th -

 家に穴を開け屋根裏を走りまわり、穀物を食い荒らしてフンを落とす。現代でも害獣とされ、駆除の対象になってしまうネズミ。
 中世、近世のヨーロッパにおいてもネズミは忌み嫌われる存在で、不吉や死、病気の象徴として恐れられ、駆除されていました。ですが、衛生管理が良くなかった為、次々と数を増やしたネズミは家庭に当たり前のように住み着いていました。また、15世紀にネズミを獲物としていた猫が、宗教上の理由で駆除され数を減らしたことも、ネズミの増加に拍車をかけました。18世紀頃になるまで、ネズミは人々の恐怖であり続けたのです。

 中世、近世ヨーロッパを覆った病原菌ペスト(黒死病)の原因は、ネズミについた蚤とされています。ペスト菌を持つ蚤をネズミが連れて歩き、蚤が人間に吸血して感染させていったのです。ペスト蔓延の直接的な存在ではありませんが、ネズミは暗黒時代に陥れた立役者とも言えるでしょう。そんなネズミにまつわる作品を、画家の何名かが様々な視点で描いています。
 では、ネズミにまつわる絵画11点をご覧ください。

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美徳と悪徳の寓意(アレゴリー)12点。快楽か厳粛か。己の葛藤を具現化する命題

François Boucher, after Paolo Veronese 1576-84 1750 -

 美徳は元々人間らしさ、人間としての価値を意味します。キリスト教支配における時代、「信仰」「希望」「慈愛」の三つと「正義」「賢明」「剛毅」「節制」の四つの、七つの美徳があるとされました。一方、悪徳も「吝嗇(りんしょく)」「憤怒」「淫欲」「嫉妬」「傲慢」「大食」「貪欲」の7つあり、それは「七つの大罪」と呼ばれています。双方は比較され、二構成で表現したり、美徳が悪徳を退治するという構図が描かれました。

 また。このテーマの一つとして「岐路に立つヘラクレス」というものがあります。古代ギリシアの寓話に基づいており、ギリシア神話の英雄ヘラクレスはある日、安易な安らぎと喜びの道を示す悪徳と、真の幸福につながる険しい坂道を示す美徳を象徴する女性に出会ったそうです。アニメや漫画だと葛藤する主人公の頭の中で天使と悪魔が現れ「目標を追いなさい!」「やめて遊んでしまえ!」と争うなんていうシーンがありますが、似たことだと思って構いません。ヘラクレスは眼前の誘惑に負けず、険しい道を進んだとされています。
 では、美徳と悪徳に関する絵画12点をご覧ください。

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時の翁(クロノス)の絵画9点。大鎌を携え、若さを無情に刈り取る翼を持つ老人

Artus Wolffort - Chronos 1596-1641 -

 時の翁(クロノス)は大鎌や砂時計を持つ老人の姿で描かれ、現生の時間的な虚しさを象徴しています。
 クロノスは「時」を意味し、ギリシアの神とされています。紀元前6世紀頃の思想家シュロスのペレキデスによって言及されました。ゼウス達の父親であるクロノスは(ローマ神話ではサトゥルヌス)とは全く別の神であるものの、後世に混同されてしまい同様の姿として描かれています。クロノスは寓意画を表現する為に描かれる場合が多く、若さを象徴するヴィーナスやキューピッドなどと一緒に描かれます。
 時の翁(クロノス)にまつわる絵画9点をご覧ください。

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トロンプ・ルイユ(だまし絵)の絵画13点。視覚と常識の裏切りに挑戦した錯視の世界

Escaping criticism-by pere borrel del caso 1874 -

 トロンプ・ルイユ(騙し絵)は、平面を本物の三次元世界に見せかけたり、物体の形体を物の寄せ集めで表現したり、鑑賞する角度によって絵が変化したりする、錯視を利用した技法のことを指します。「トリックアート」と呼ばれる事もあります。
 騙し絵の起源は古代ローマとされ、庭園や部屋を飾る装飾画として用いられていたそうです。絵画では15世紀頃のフランドルにおいて静物画に使用され、壁面にあたかも紙や物が貼りつけられていたり、棚に物が入っていたり、リアルな木目を表現したりと、2次元の支持体において本物そっくりに3次元の生活用品が描かれました。また、宗教画において彫刻像もだまし絵として表現されることがありました。

 17世紀頃のイタリアでは、天井画の装飾に騙し絵が用いられました。装飾を逐一彫り上げるのは費用や手間、管理も大変な為、より豪華絢爛に感じさせようと本物の装飾に見えるように絵画で描かれたのです。20世紀に入り、新しい手法のだまし絵が生まれます。代表的なのは3次元ではありえない建築物を描いたエッシャーや、白黒の形の視点を変えることにより、違う図柄が浮かび上がるルビンの壺があります。
 この記事においては「平面に本物であるかのような物体を描く」作品ばかりを掲載しました。ご了承ください。では、古典的なトロンプ・ルイユの絵画13点をご覧ください。


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眠る子供の絵画13点。天使やクピド、イエス、死などの象徴として眠る無垢な子供達

Sleeping Angel Leon Basile Perrault -

 すやすやと気持ちよさそうに眠る幼い子供。多くの人はその子を愛らしく感じ、世間の垢にまみれていないピュアな存在であるように思うのではないでしょうか。幼い子供は現代でも純粋無垢の象徴とされていますね。
 それは過去の西洋でも同様で、子供は純粋の象徴として、神の使いである天使や、愛を司るギリシャ神話の神クピド、人類の罪をあがなったイエス・キリストの化身として描かれることがあります。そして、無防備な「眠り」も無垢に結び付けられ、眠る子供というテーマが何名の画家によって描かれました。

 また、子供は誕生したばかりの存在として「生」の象徴とされる反面、出生して直ぐに命を落としてしまう可能性がある、もしくは生の表裏によって「死」のテーマにも登場します。眠る子供は死と結びつけられ、頭蓋骨や砂時計、花などと共に描かれました。
 では、様々な象徴となって眠る子供の絵画13点をご覧ください。

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不気味な静物画の絵画13点。静寂の画面に配置された自然の恵みという生活の糧

Mushrooms Butterflies Otto Marseus van Schrieck 1619-78 -

 静止した自然物や人工物を自由に配置し、画面を構成する西洋画のジャンルの一つである静物画。
 静物画といえども対象物、込められた意味などでカテゴリーは細かく分けることができ、コレクションやヴァニタス(虚しさの寓意)、果物や花束、台所や晩餐の品物などがあります。 一枚の絵画に複数のカテゴリーが含まれている場合もあり、中には静物画という名称から外れ、品物と共に昆虫や爬虫類などの生物を描き込んでいる作品もあったり、背景の描写がある作品もあります。
 今回はこのブログの雰囲気に合わせ、ちょっと不気味でおどろおどろしく思えるような物を描いた台所画を集めてみました。では、個性的な静物画13点をご覧ください。一部グロテスクな絵画があるのでご了承ください。

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中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
師匠はヒエロニムス・ボス。
神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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