メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

ギリシャ神話

鍛冶するヴァルカン(ヘパイストス)の絵画13点。神話と鍛冶場の狭間にいる男達

Venus at the Forge of Vulcan Felice Riccio -

 ヴァルカンはローマ神話に登場する火と鍛冶の神です。ウルカヌスとも呼ばれ、ギリシア神話のヘパイストスと同一視されています。
 ヴァルカン自身の神話はほぼ現存しておらず、ヘパイストスの物語がほとんどです。彼は単眼の怪物サイクロプスを従え、鍛冶場で様々な武器や宝物を作っているとされています。ゼウスの雷と盾アイギス、アポロンとアルテミスの矢、アキレスの武具や盾などの武器から、青銅の巨人タロス、美女パンドラなどの生命を持つ存在まで幅広く製作しています。

 ヘパイストスは美の神アフロディテ(ヴィーナス)を妻にしていますが、足が不自由であまり魅力的ではない為に浮気されてしまいます。浮気相手は軍神アレス(マルス)で、怒ったヘパイストスは妻とアレスもろとも開発した網で捕縛して、恥を与えたとされています。また、妻に相手にされない不満から、彼はアテナを追いかけまわしたという話もあります。

 画家達は鍛冶を仕事としている者達を、ヴァルカンの工房としてなぞらえました。製作している途中に、ヴィーナス、またはアテナが現れるというシチュエーションは画家の間で流行ったようで、何枚かの作品が残されています。
 では、ヴァルカンについての絵画13点をご覧ください。ヘパイストスやウルカヌスであっても、ヴァルカンと名称を統一させていただきますのでご了承ください。

bottan_03_01

アルペイオスとアレトゥーサの絵画12点。恋に溺れし者に追われ、泉となった乙女

Luigi Garzi  Alpheus and Arethusa 1705-10 -

アルペイオスとアレトゥーサはギリシア神話に登場する、河の神とニュムペーです。恋と泉にちなんだこのような話が残されています。
美貌のアレトゥーサは女神アルテミスに仕えており、恋愛や結婚に興味がありませんでした。ある日、彼女がアルペイオス川で水浴びをしていると、水底から男性の呼ぶ声が聞こえてきたではありませんか!彼女は驚き、衣服を置いて逃げ出しました。人の姿となったアルペイオスはアレトゥーサに魅了されてしまい、「待って、愛しい人よ!」と追いかけます。追いつかれる寸前、彼女はアルテミスに助けを求めます。女神はアレトゥーサを水に変化させたものの、アルペイオスも水になったので、地面に穴をあけて地下へと逃がしました。海底へ通ってオルトュギアー島へと付き、アレトゥーサはそのまま泉となったのでした。
伝説によると、オルトゥギアー島とアルペイオス川は底で繋がっているとされています。アルペイオス、諦めきれなかったんですね…。
では、アルペイオスとアレトゥーサの絵画12点をご覧ください。


bottan_03_01

オリオンの絵画11点。アルテミスを愛しアポロンに謀れ、星座となった巨人の狩人

Sidney Hall  Orion 1825 -

 オリオンはボイオティア地方に住む巨人の狩人です。背の高い偉丈夫で、一説によるとポセイドンとミノス王の娘エウリュアレーの間に生まれたとされています。
 彼は恋多き男で、シーデーやメロペーという美女を愛しましたが、シーデーはヘラによって殺され、メロペーは彼の愛を拒否してしまいます。メロペーの父親によって目を抉られ、盲目となったオリオンは、暁の女神エオスと太陽神ヘリオスの力を借りて目を癒します。それからエオスや、プレイアデス七姉妹に恋をしたそう。恋多すぎですね…!

 その後、彼は女神アルテミスと恋に落ちることになります。二人はクレタ島で暮らし、結婚も考えるほどでした。しかし、それに激怒したのは彼女の兄アポロン。「妹は純潔を守らねばならん。こんなどこの馬の骨とも分からん、乱暴な男は言語道断だ!」と、オリオンの元に毒サソリを放ったのです。サソリに驚き、オリオンは海へと逃げました。それを確認したアポロンはアルテミスにこう言いました。「妹よ。いくら達人の君でも、あの遠くに光るあれは射れまい」と。「そんなことは容易いわ!」と、兄の挑発に乗ってしまった彼女は、オリオン目掛けて射ってしまったのでした。こうしてオリオンは恋人の手にかかり、命を落としたのでした。

 死体が浜に上がり、自分のやったことを悟ったアルテミスは、たいそう嘆き悲しみました。名医アスクレピオスに蘇生して欲しいと頼み込みますが、冥界王ハデスに反対されてしまいます。アルテミスは「ならばせめてオリオンを空に上げてください。私が夜空を走る時、彼に会えるように」とゼウスに頼み込みました。ゼウスはこれを聞き入れ、オリオンは星座となったとされています。
 では、オリオンにまつわる絵画11点をご覧ください。


bottan_03_01

三美神の絵画12点。魅力、美貌、創造を司る、ギリシア ローマ神話の美女達

Raphaël  Les Trois Grâces 1483-1520 -

 三美神は、ギリシアとローマ神話に登場する三名の女神です。
 一般的には古代ギリシアの詩人ヘシオドスが述べた、アグライア(花のさかり)、エウプロシュネ(喜び)、タレイア(輝く女)とされています。彼女らは「カリス」と呼ばれ、ゼウスとエウリュノメの間に生まれました。ヴィーナス(ウェヌス)の従者として表されることが多く、神話では脇役となっているものの、絵画の世界では寓意画として多く描かれています。ギリシア神話では「魅力」「美貌」「創造」を司り、ローマ神話では「美」「愛」「貞節」の擬人化と考えられています。
 では、三美神の絵画12点をご覧ください。

bottan_03_01

ウェルトゥムヌスとポモナの絵画13点。老婆に変身し美女に自己PRをしまくる若者

Paulus Moreelse 1630頃 -

 古代ローマの詩人オウィディウスの「変身物語」より。ポモナは果樹園を栽培しているニンフであり、彼女は恋愛に全く興味がなく果樹を手入れすることを楽しんでいました。
 そんな彼女に恋をしてしまった季節の神ウェルトゥムヌス。彼は剪定師に化けたり羊飼いに化けたりしてポモナに近付いていたものの、声をかけられずにいました。ついにウェルトゥムヌスは愛を伝えたくて、老婆に変身して「立派なできばえですねぇ、お嬢さん」と言った途端、老婆はポモナに接吻をしてしまいます!

 彼女はびっくりしたものの、老婆なのでそれを見過ごしました。老婆は周囲を見渡し、言葉を発します。「木々は互いにからみ、支えあっています。貴女も独り身でいるよりは、相手を探してはいかが?たとえば、私が仕えている季節の神ウェルトゥムヌス様とか・・・。彼は一途であり、果樹栽培も得意、そしてお嬢さんの事を愛しております。どうですか?女神アフロディテ様も冷たい心は憎んでおりますよ」と、めちゃめちゃ自己PRします。

 それから老婆はイピスとアナクサレテの逸話を話し、更にポモナに愛の重大さを伝えました。「お嬢さん、深く考えて恋人の願いを聞き入れてくださいませ」と言い、老婆はウェルトゥムヌスの姿に戻りました。ポモナは彼の説得と美しい容姿に恋をし、相思相愛となったのです。
 では、ウェルトゥムヌスとポモナの絵画13点をご覧ください。

bottan_03_01

時の翁(クロノス)の絵画9点。大鎌を携え、若さを無情に刈り取る翼を持つ老人

Artus Wolffort - Chronos 1596-1641 -

 時の翁(クロノス)は大鎌や砂時計を持つ老人の姿で描かれ、現生の時間的な虚しさを象徴しています。
 クロノスは「時」を意味し、ギリシアの神とされています。紀元前6世紀頃の思想家シュロスのペレキデスによって言及されました。ゼウス達の父親であるクロノスは(ローマ神話ではサトゥルヌス)とは全く別の神であるものの、後世に混同されてしまい同様の姿として描かれています。クロノスは寓意画を表現する為に描かれる場合が多く、若さを象徴するヴィーナスやキューピッドなどと一緒に描かれます。
 時の翁(クロノス)にまつわる絵画9点をご覧ください。

bottan_03_01

エコーの絵画11点。反響の呪いによりナルキッソスに振られた悲劇のニュムペー

Alexandre Cabanel - Echo 1874 -

 ギリシア神話に登場するエコーは、女神ヘラの呪いによりナルキッソスに見限られ、声だけの存在になってしまった悲劇の女性です。
 オウィディウスの「変身物語」によると、山のニュムペーであるエコーはゼウスに見初められた仲間を助ける為に、ヘラに対して歌とおしゃべりで時間稼ぎをしました。それに怒ったヘラは、エコーに「自分から話しかけられず、相手の言葉をオウム返しにするだけ」という呪いをかけました。
 その後、エコーは美青年ナルキッソスに恋をしましたが、相手の言葉を繰り返すだけであったゆえに、「退屈だ」とナルキッソスに飽きられてしまいます。酷いショックを受けたエコーはやせ衰え、遂には肉体が消えて「木霊」と化してしまいました。エコーの悲劇に怒った女神ネメシスは、ナルキッソスに「自己しか愛せない」という呪いをかけて破滅させたのでした。
 ナルキッソスをテーマにした絵画だけではなく、エコーを主題にした作品も存在します。では、エコーに関係する絵画11点をご覧ください。

bottan_03_01

戦うヘラクレスの絵画13点。獅子に怪物に巨人に対し、組み付き荒ぶる筋肉英雄

Pieter paul rubens -

 ギリシャ神話の代表的な英雄の一人であるヘラクレス。
 彼の特徴は何といってもその力強さであり、筋肉ムキムキのガタイでネメアーの獅子やヒュドラ、大猪、巨人アンタイオスなどを仕留めました。ヘラクレスの物語は多々ある中で、彼の象徴ともいうべき「つかみ合い殴り合いの肉弾戦」や、その荒ぶるムキムキの姿は画家を魅了したようで、何枚かの作品が残されています。特にバロック時代に人気が出たようなのか、その時代に多めかなという印象がありました。
 では、戦うヘラクレスの絵画13点をご覧ください。おっさんだらけのむさい絵画オンリーとなりますので、ご了承ください。一部少しだけ閲覧注意があります!

bottan_03_01

フローラの絵画13点。美を表現する媒体として描かれたローマ神話の花と豊穣の女神

Flora, por Tiziano 1515-17 -

 フローラはローマ神話に登場する花と豊穣、春の女神です。ギリシャ神話のニュムペーであるフロリスと同一視されています。
 詩人オウィディウスによると、西風の神ゼピュロスは彼女を見初めてイタリアへとさらい、二人は結婚しました。フローラは花園で暮らし、花の女神となりました。彼女は人間に様々な種類の花の種や蜂蜜を与えたとされています。また、伝説によると神々の女王ユノ(ヘラ)に「触れると自然に身ごもる魔法の花」を渡し、ユノはそれによりマルスを出産したとされています。(マルスはローマ建国時にまで遡る古き農耕神であり、この物語ができた頃合にギリシャ神話と混合し、軍神となったと思われます)

 神話では登場場面が多くないフローラですが、古くから崇拝されている女神であり、「フローラリア」という豊穣祭が開かれていたようです。愛と豊穣の女神ウェヌス(ヴィーナス)や、酒の神バッカス(ディオニソス)の祭りと共通した部分もあったと思われます。
 ルネサンス以降の画家たちはフローラを「美を表現する芸術」や「技法の追求」や「モデルの美しさを高める」手段と考え、美女に花を持たせたり、囲ませたりすることで女神フローラとして描き上げました。ヴィーナスと同様に、フローラは「美」の媒体として用いられたのです。
 では、フローラにまつわる絵画13点をご覧ください。

bottan_03_01

ポセイドン(ネプチューン)の絵画13点。三又の矛を操り大海原と大陸を司る荒々しき神

Heinrich Friedrich Fuger Poseidon Enthroned late 18 early 19 -

 ポセイドンは海や地震、泉などを司るギリシャ神話の神です。ローマ神話ではネプチューンと呼ばれ、オリュンポス十二神の一人。クロノスとレアの子であり、ハデスの弟、主神ゼウスの兄とされています。
 高い地位を持つポセイドンは海と大陸を支配し、最大の武器である三又の矛(トライアナ、ローマ神話ではトライデント)を使って津波や嵐、地震を引き起こす事ができます。海に棲むネレイドのアムピトリテを妻にし、三人の子供がおります。出会った当初、アムピトリテは彼を嫌っており、求婚しようとすると彼女はオケアノス宮殿へ隠れてしまいます。ポセイドンはイルカたちに彼女を見つけるよう命じ、その中の一頭が発見して「ポセイドンは男前で偉くて強くて素敵だよ!」と説得し、アムピトリテを連れてくるのに成功しました。こうして二人は結ばれることとなり、功績を得たイルカは天へと上げられ、イルカ座になったとされています。

 ポセイドンは幾つかの逸話が残されていますが、ギリシャの首都アテナイの支配権を巡りアテナと争った話を紹介します。「民に贈り物をして、気に入られた方がアテナイの守護者になれる」と裁定されたので、ポセイドンは塩水の泉を、アテナはオリーブの木を与えました。民が選んだのはアテナでした。それにキレたポセイドンはアテナイに洪水を起こしましたが、ゼウスが仲介して「スニオン岬にポセイドンの神殿を建ててもらおう」と決め、第二の守護神となったことで事なきを得ました。現在でもスニオン岬に神殿の遺跡が残されているようです。
 では、ポセイドンの絵画13点をご覧ください。

bottan_03_01
プロフィール
aicon

管理人:


中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
師匠はヒエロニムス・ボス。
神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

button

メメント・モリについて

アーカイブ
記事検索
記事検索
【ブックカフェ Tür テューア】
line logo2
【異形の怪物LINEスタンプ】
line logo2


ブログランキング・にほんブログ村へ

―最新記事をお届け―

buttons

buttons - コピー (2)

buttons - コピー

PC用広告