
クレルヴォーの聖ベルナルドゥスは12世紀頃に生きたフランスの神学者です。
ベルナルドゥスはフォンテーヌで騎士の息子として生まれました。母が信仰厚き人であったので、彼は修道院に入ることを希望し、20代の頃にシトー修道院へと足を踏み入れます。その三年後にクレルヴォー修道院が設立され、彼はその院長に抜擢されました。ベルナルドゥスは優れた説教と聖性、厳粛さを備えていた為、巡礼者が押し掛けるようになりました。その名声はいやにも高まり、彼は静かな修道院生活を望んでいたものの、教皇までもが彼に助言を求めるようになってしまったのです。
ベルナルドゥスは教会分裂を収束させ、異端を抑圧し、十字軍勧誘の演説をするなどの業績を成し遂げました。しかし、熱狂的な支持を得た十字軍は失敗に終わります。このことがベルナルドゥスの影響力を弱めていき、様々な出来事も重なり、年齢の事もあって彼は世間から離れていくようになります。彼は1153年、クレルヴォー修道院の中で息を引き取りました。
そのような人生を歩んだ彼に、一つの逸話があります。聖ベルナルドゥスは聖母マリアを特に信仰していました。ある日、彼が聖堂で「貴女の母たることを私にお示しください」 と祈りを捧げていると、なんと聖母マリアの彫像が動き出したではありませんか!しかも「母」であることを示す為、彼に母乳を飲ませたそう。なんというか、物凄い内容ですね。その物語は画家に衝撃を与えたようで、何枚かの作品が残されています。
では、聖ベルナルドゥスについての絵画12点をご覧ください。