メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

アポロン

ミダス王の絵画13点。何でも黄金に変える能力と、ロバの耳を持ってしまった王様

Nicolas Tournier, King Midas, c. 1620 -

 ギリシャ神話に登場するミダスは、何でも黄金に変える能力を得たり、ロバの耳となってしまったりした王です。
 フリギア(現トルコ)の都市の王であるミダスは、泥酔していたシレノスを保護して10日間もてなし、シレノスの教え子であるデュオニソスの元へ送り返しました。感謝したデュオニソスはミダスに願いを叶えようと申し出ます。すると王は「触れるもの全てが黄金に変わるようにして欲しい」と頼みました。こうして能力を手にしたミダス。始めこそは石や草が金に変わってウハウハしていましたが、食べ物や飲み物までが金に変わってしまい、自分の間違いに気付きます。「すみません。やっぱりいりません」と祈るミダスに、デュオニソスは怒ることなく聞き入れ、「ならパクトロス川で行水しなさい」とアドバイスしました。ミダスがそのようにすると、能力は流れていき、川砂は砂金に変わったそうです。

 これに懲りたミダス王は富を憎むようになり、牧神パーンの崇拝者となりました。ある日、パーンと芸能の神アポロンは音楽合戦を行いました。パーンの素朴な音楽と、アポロンの美麗な音楽が奏でられます。審判者や居合わせた者たちはこぞってアポロンに軍配を上げましたが、ミダスだけはパーンを推薦しました。「お前は聞く耳がない!」と怒ったアポロンはミダスの耳をロバの耳に変えてしまいました。ミダスはターバンを巻いてロバの耳を隠していましたが、理髪師だけには隠せないので他言するなと命じていました。秘密に我慢できなくなった理髪師は、穴を掘ってそこへ話をささやいてから塞ぎました。その後、そこから育った葦が「王様の耳はロバの耳」と秘密を喋るようになってしまったそうです。
 童話でもおなじみのミダス王についての絵画13点をご覧ください。

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医者アスクレピオスに関する絵画13点。アポロンの息子であり、死者をも蘇らす名医

Sebastiano Ricci  The Dream of Aesculapius  1718 -

 ギリシャ神話に登場するアスクレピオスは、物凄く腕の良い医者です。
 父は太陽神アポロンで、母はラピテス族の王の娘コロニスです。カラスのせいで濡れ衣を着せられ、アポロンに射られてしまったコロニスは、身籠っていることを告げて息絶えてしまいます。アポロンはその赤ん坊を取り上げ、ケンタウロスの賢者ケイロンに養育を任せました。
 アスクレピオスと名付けられた子供はみるみる知識を吸収していき、医学の才能はケイロンをも凌駕するほどでした。青年となった彼はアルゴ―船の探検隊に参加し、名医として数々の怪我人を治しました。そして、メデューサの血をアテナから授けられたアスクレピオスは、死者をも蘇らせる力を得たのです。ヒッポリュトスやテュンダレオス、カパネウスなど、多くの人を蘇生させています。これに怒ったのが冥界の神ハデス。「秩序を破壊する不届き者だ!」とゼウスに抗議し、アスクレピオスはゼウスの放った雷霆によって撃ち殺されてしまうのでした。しかし、アスクレピオスは良い事をしたのだし可哀想ということで、天へと引き上げられてへびつかい座となり、神の一員と認められることとなったのです。
 名医アスクレピオスについての作品13点をご覧ください。

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ギリシャ神話のヒュアキントスの絵画11点。円盤が当たって絶命したアポロンの愛人

death of hyacinth benjamin west 1771 -

 ギリシャ神話のヒュアキントスは、事故によって亡くなったアポロンの愛人です。
 彼は相当の美青年で、アポロンは非常に可愛がっていました。男色は全然OKの時代、神だって気にしません。アポロンは漁や狩猟に行く時も、スポーツをする時も、山登りをする時も、いつもヒュアキントスを伴っていました。ある日、二人は円盤投げをして遊んでいました。アポロンが空高く投げた円盤をじっと見つめ、ヒュアキントスはそれをやりたくなり、円盤に駆け寄っていきました。しかし、運悪く地面に跳ね返って来た円盤が彼の額に直撃したのです!瀕死で倒れた少年の元に、アポロンは真っ青な表情で走り寄ります。どんな治療をおこなっても徒労で、ヒュアキントスは死んでしまいます。「ああ、なんたることだ!お前の立場と替わることができるならそうしたのに!お前の存在を美しい花に変えてあげよう・・・」そうアポロンが言うやいなや、ヒュアキントスの姿は深紅色の百合のような花に変化したのです。
 悲劇の青年ヒュアキントスの絵画、11点をご覧ください。
 
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ギリシャ神話のパエトンの絵画12点。父アポロンの二輪車を借り、墜落死した少年

sebastiano ricci 1659 1734 -

 ギリシャ神話に登場するパエトンは、太陽神アポロンとニュムペーのクリュメネーとの間に生まれた息子です。
 彼は友人から「お前は本当にアポロンの息子なのか?」と言われ笑われたので、それを証明するために日の出の方角へ旅をし、父親の宮殿へ赴きました。全身から光を発すアポロンに気圧されながらも、彼は「あなたの父親と証明できる何かをお授けください」と頼みます。アポロンは快く了承し、「何でも願うがいい」と答えます。しかし、パエトンが願ったのは「太陽の二輪車を一日御させてください」でした。父親はそれだけは命の危険があるから止めてくれ、自分ですら太陽を御するのは難しい時がある、と息子を説得しようとしますが、聞く耳を持ちません。結局アポロンは折れ、二輪車を貸すことにしました。

 しかし、それが悲劇の始まりでした。目を輝かせて二輪車に乗ったパエトンですが、発車した途端に引く馬のスピードと凶暴さに恐れ、やがて手綱を離してしまいます。太陽は大暴走し、そこら中を焼け野原にしてしまいました。山は焼け、川や海は干上がり、北アフリカ辺りは砂漠となり、エチオピア人は肌が黒くなってしまいました。豊穣神は「このままでは世界が滅んでしまう!」とゼウスに助けを求めました。最高神はやむなく雷霆を使ってパエトンを撃ち殺してしまいました。パエトンの遺体はエリダノス河に落ち、彼の姉妹のヘリアデスたちは悲しさのあまりポプラの樹になってしまい、樹が流した涙は琥珀になったそうです。
 血気にはやる余り命を落としてしまったパエトンの絵画、12点をご覧ください。

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【絵画10点】残酷なギリシャ神話。音楽合戦の末、アポロンはマルシュアスを皮剥ぎに

Bartolomeo Manfredi (1616-20) -

 ギリシャ神話の中に、アポロンがマルシュアスの皮を剥ぐという残酷な話があります。
 ある日、サテュロスであるマルシュアスは木管楽器を拾いました。その笛はアテナが捨てたものでしたが、彼は器用だった為にやがて名手となりました。他のサテュロスやニンフにもてはやされ、調子に乗った彼は「俺が世界一の音楽家だぜ!アポロンの竪琴なんかよりな!」と豪語するようになります。怒り心頭のアポロンは「俺と勝負しろ!」と言い、勝者は敗者に何をやってもいいというルールを付け、二人は音楽合戦をすることになりました。審判者はアポロンの従者ムーサ。陰謀めいた音楽勝負は、もちろんアポロンの勝利。
 刑罰は恐ろしいものでした。アポロンは彼を木に吊るすと、生皮を剥がし出したのです。激痛に泣き叫ぶマルシュアスをアポロンは無視します。皮を剥がされ尽くしたあと放置され、彼は絶命します。その時に流された血がマルシュアス河となったとされています。(一説にはサテュロスやニンフ達の涙が河となりました)
 合戦の末に残虐な刑となった絵画10点をご覧ください。閲覧注意となります!


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【絵画11点】ギリシャ神話の色男アポロン。美女ダフネに恋をし、ストーカー狂となる

Michele Rocca 18th - コピー

 ギリシャ神話に登場するアポロンは詩や音楽の神で、主神ゼウスの息子です。彼は理想の男性像とされ、かなりの美男子でした。
 ある日、アポロンは愛の神エロスに向かい「お前なんかが弓を持つなよ」と馬鹿にしました。エロスは怒り、彼の胸には情熱の矢を、テッサリアの娘ダフネの胸には拒絶の矢を打ち込みました。アポロンはたちまち強烈なる愛情を抱きましたが、彼女は強い嫌悪を抱きました。愛の文句を叫びながら追いかけてくるアポロンに対し、彼女は全力で逃げ続けます。しかし、どこまでも追いかけてくるアポロン。彼女の体力は限界に近付き、遂に父親に「私の姿を変えてください!」と懇願します。河の神である父は願いを受け入れ、彼女を月桂樹に変えてしまうのです。
 この物語はギリシャ神話の中で有名な話で、多くの画家が作品を描きました。嫌がるダフネとストーカーのアポロンをご覧ください。


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中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
師匠はヒエロニムス・ボス。
神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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