
未来や運勢などを、道具や事象を使って判断しようとする行為である「占い」。古代ギリシャやローマでは占いは神の御告げとされ、占いで出た結果は絶対だと考えられていました。占いに逆らって行動し、その者が死んだ場合は「神の意志に反したからだ」と恐れられ、自業自得とされたのです。占いの方法は鳥やネズミの行動を観察したり、動物の臓器を使ったりと様々でした。
また、天体の動きであらゆる予言を行おうという「占星術」も、古代バビロニアやエジプトの時代から行われており、12世紀頃には西洋でも占星術が発展しました。手相占いも12世紀頃に伝えられたようです。占いの有名どころであるタロットカードは15世紀頃にゲーム目的で作製され、18世紀頃に現代のような用途で用いられたとされています。
古代では占いは神聖視されており、占いをする者は神官でした。しかし、時代が経て唯一神の宗教が台頭するにつれ、「神が定めた未来を人間が予測できるはずがない」と占いの立場は神に反する行為、魔術的であるとみなされがちになってきたのです。医学や政界では占星術を使用することもありましたが、人間の運勢を視る占い師はインド周辺からの移動民族ジプシーや、いかさま師、魔女や魔術師などと怪しげな存在と思われるようになりました。16、7世紀の絵画には、怪しげな占い師に手相やカードで運勢を視てカモられる、貴族の姿が描かれています。それ以降になると、民衆にも定着してきたからなのか、怪しさが緩和された占い師も登場するようになります。
では、占い師についての絵画14点をご覧ください。
