
ワイルドハントは、狩猟犬を連れ馬にまたがった狩猟者の集団が大挙して大空を駆けてくるという、西洋に伝わる伝承です。
ワイルドハントは秋から春にかけて嵐を引き連れて出現し、疫病や戦争を前兆しているとされていました。その姿を間近に見た者は死に、更に進行を妨害した者は冥府へと連れていかれたそうです。助かるには地面に身を伏せてひたすらやり過ごすか、勇気ある者はワイルドハントに敬意を払い、度胸試しをすることで逆に富を与えられるそうです。
伝承はとりわけ北方と西方に広まっています。ワイルドハントを率いる首領は地域や時代によっても様々で、オーディンであることもあれば、亡霊であったり、各国の王だったり、アーサー王であったり、悪魔だったりしました。ワイルドハントは嵐や災害の具現化とされていますが、北欧神話の主神オーディンが嵐を司る神であり、オーディン信仰が起源であると思われます。ワイルドハントの伝承を持つオーディンがキリスト教が普及するにつれて悪魔的な様相を示すようになり、ワイルドハント自体が様々な伝承と結びつき合い、禍々しい印象と数多くの姿形を持つようになったのだと思います。
では、ワイルドハントについての絵画や挿絵、11点をご覧ください。
