メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

ギリシア神話

オリオンの絵画11点。アルテミスを愛しアポロンに謀れ、星座となった巨人の狩人

Sidney Hall  Orion 1825 -

 オリオンはボイオティア地方に住む巨人の狩人です。背の高い偉丈夫で、一説によるとポセイドンとミノス王の娘エウリュアレーの間に生まれたとされています。
 彼は恋多き男で、シーデーやメロペーという美女を愛しましたが、シーデーはヘラによって殺され、メロペーは彼の愛を拒否してしまいます。メロペーの父親によって目を抉られ、盲目となったオリオンは、暁の女神エオスと太陽神ヘリオスの力を借りて目を癒します。それからエオスや、プレイアデス七姉妹に恋をしたそう。恋多すぎですね…!

 その後、彼は女神アルテミスと恋に落ちることになります。二人はクレタ島で暮らし、結婚も考えるほどでした。しかし、それに激怒したのは彼女の兄アポロン。「妹は純潔を守らねばならん。こんなどこの馬の骨とも分からん、乱暴な男は言語道断だ!」と、オリオンの元に毒サソリを放ったのです。サソリに驚き、オリオンは海へと逃げました。それを確認したアポロンはアルテミスにこう言いました。「妹よ。いくら達人の君でも、あの遠くに光るあれは射れまい」と。「そんなことは容易いわ!」と、兄の挑発に乗ってしまった彼女は、オリオン目掛けて射ってしまったのでした。こうしてオリオンは恋人の手にかかり、命を落としたのでした。

 死体が浜に上がり、自分のやったことを悟ったアルテミスは、たいそう嘆き悲しみました。名医アスクレピオスに蘇生して欲しいと頼み込みますが、冥界王ハデスに反対されてしまいます。アルテミスは「ならばせめてオリオンを空に上げてください。私が夜空を走る時、彼に会えるように」とゼウスに頼み込みました。ゼウスはこれを聞き入れ、オリオンは星座となったとされています。
 では、オリオンにまつわる絵画11点をご覧ください。


bottan_03_01

ネットショップ「めめんと・もり -美術と神話の不思議かいぶつ雑貨-」のお引越しについて

リニューアル題名 -

 こんばんは。私が運営しているネットショップ「めめんと・もり  -美術と神話の不思議かいぶつ雑貨-」がお引越しすることになりました!
 ECサイト「BASE」でやらせていただいていたのですが、「Square」というサイトに変更いたします。「Square」も大手ECサイトとなり、セキュリティ上では問題はありませんのでご安心ください。決済方法はカード決済のみの受付となります。
また、原材料などの値上がりの為、心苦しいのですが商品の値段をかえさせていただきました。

お引越しにともない、売り切れとなっていた商品を一部製作しました!
真心と愛と闇(!?)を込めて作らせていただきました。
手縫いで細々とやっている為に個数に限りがありますので、お願いします。
今後は一か月に1~2個のペースで出せていけたらなぁと思っています。(少なくてすみません^^;)

「どんな感じなのだろ~?」と覗いてみるだけでも全然構いません。
ショップを見て「可愛い!」「面白い!」と感じていただければ嬉しい限りです!
どうぞよろしくお願いいたします^^


↓ サイトはこちらから!
https://mementomori-shop.square.site


三美神の絵画12点。魅力、美貌、創造を司る、ギリシア ローマ神話の美女達

Raphaël  Les Trois Grâces 1483-1520 -

 三美神は、ギリシアとローマ神話に登場する三名の女神です。
 一般的には古代ギリシアの詩人ヘシオドスが述べた、アグライア(花のさかり)、エウプロシュネ(喜び)、タレイア(輝く女)とされています。彼女らは「カリス」と呼ばれ、ゼウスとエウリュノメの間に生まれました。ヴィーナス(ウェヌス)の従者として表されることが多く、神話では脇役となっているものの、絵画の世界では寓意画として多く描かれています。ギリシア神話では「魅力」「美貌」「創造」を司り、ローマ神話では「美」「愛」「貞節」の擬人化と考えられています。
 では、三美神の絵画12点をご覧ください。

bottan_03_01

エコーの絵画11点。反響の呪いによりナルキッソスに振られた悲劇のニュムペー

Alexandre Cabanel - Echo 1874 -

 ギリシア神話に登場するエコーは、女神ヘラの呪いによりナルキッソスに見限られ、声だけの存在になってしまった悲劇の女性です。
 オウィディウスの「変身物語」によると、山のニュムペーであるエコーはゼウスに見初められた仲間を助ける為に、ヘラに対して歌とおしゃべりで時間稼ぎをしました。それに怒ったヘラは、エコーに「自分から話しかけられず、相手の言葉をオウム返しにするだけ」という呪いをかけました。
 その後、エコーは美青年ナルキッソスに恋をしましたが、相手の言葉を繰り返すだけであったゆえに、「退屈だ」とナルキッソスに飽きられてしまいます。酷いショックを受けたエコーはやせ衰え、遂には肉体が消えて「木霊」と化してしまいました。エコーの悲劇に怒った女神ネメシスは、ナルキッソスに「自己しか愛せない」という呪いをかけて破滅させたのでした。
 ナルキッソスをテーマにした絵画だけではなく、エコーを主題にした作品も存在します。では、エコーに関係する絵画11点をご覧ください。

bottan_03_01

フローラの絵画13点。美を表現する媒体として描かれたローマ神話の花と豊穣の女神

Flora, por Tiziano 1515-17 -

 フローラはローマ神話に登場する花と豊穣、春の女神です。ギリシャ神話のニュムペーであるフロリスと同一視されています。
 詩人オウィディウスによると、西風の神ゼピュロスは彼女を見初めてイタリアへとさらい、二人は結婚しました。フローラは花園で暮らし、花の女神となりました。彼女は人間に様々な種類の花の種や蜂蜜を与えたとされています。また、伝説によると神々の女王ユノ(ヘラ)に「触れると自然に身ごもる魔法の花」を渡し、ユノはそれによりマルスを出産したとされています。(マルスはローマ建国時にまで遡る古き農耕神であり、この物語ができた頃合にギリシャ神話と混合し、軍神となったと思われます)

 神話では登場場面が多くないフローラですが、古くから崇拝されている女神であり、「フローラリア」という豊穣祭が開かれていたようです。愛と豊穣の女神ウェヌス(ヴィーナス)や、酒の神バッカス(ディオニソス)の祭りと共通した部分もあったと思われます。
 ルネサンス以降の画家たちはフローラを「美を表現する芸術」や「技法の追求」や「モデルの美しさを高める」手段と考え、美女に花を持たせたり、囲ませたりすることで女神フローラとして描き上げました。ヴィーナスと同様に、フローラは「美」の媒体として用いられたのです。
 では、フローラにまつわる絵画13点をご覧ください。

bottan_03_01

ティアナのアポロニウスの絵画13点。ラミアを退散させたピタゴラス派の伝説的魔術師

Apollonius of Tyana. Line engraving by F. Cleyn, 1659 -

 小アジアのティアナ(現在のトルコのカッパドキア)出身のアポロニウスは、イエスとほぼ同時代に生きたとされる哲学者です。
 哲学者は魔術に秀でていた者もいたようで、三平方の定理でおなじみのピタゴラスも前世の記憶を持ち、テレポーテーションや予言を行ったとされています。ピタゴラス派に属しているティアナのアポロニウスはピタゴラス以上の魔術師とみなされており、前世の記憶を持ち、予言やテレパシー、治癒、蘇生、悪霊祓いなどを駆使していたそうです。
 フィロストラトス著の資料「ティアナのアポロニウス」によると、彼はあるライオンを見て「この獅子はかつてエジプトの王であった」と見抜いたとされています。また、女性に化けた悪霊ラミアを見抜いて退治したという逸話もあります。ローマやエジプト、インドなどの様々な土地を転々とし、修行を行い自らの奇跡や教えを広めていきました。「彼こそ本当の救世主なのではないか」と彼を信奉する者は数多くいたそうですが、イエスが台頭していき、結果的にはキリスト教が歴史を掌握することになったのでした。
 では、伝説的魔術師であるティアナのアポロニウスとピタゴラス、そしてラミアに関する絵画13点をご覧ください。

bottan_03_01

キュベレーの絵画13点。フリギアやギリシャローマで崇拝された、古き豊穣の地母神

Francois-Edouard PICOT Cybele Vesuvius Protect  Cities 1832 -

 キュベレーはフリギア(トルコ中部)で崇拝され、ギリシャローマにも信仰が広まった豊穣を司る地母神です。その信仰は古く、起源は新石器時代までさかのぼるとされています。
 キュベレー崇拝は男性の去勢に深く結びついています。両性とも考えられていたキュベレーは、ある日去勢されてそこから樹木が生じ、その実に触れた女性が男の子を産み落とします。アッティスと名付けられた息子は王女と婚約しますが、恋したキュベレーがアッティスを忘我状態にさせて彼を去勢させてしまいます。なんと、その光景を見た王様が自らに同様の処置をした為に、キュベレーの熱狂的な崇拝者と男性の去勢が関連付けられるようになったとされています。なんというか、恐ろしいですね^^;

 また、キュベレーは二頭の獅子(ライオン)を引き連れているとされており、それはアタランテとヒッポメネスの夫婦の物語が関係しています。ヒッポメネスは徒競走に勝利してアタランテを妻とする事に成功しますが、キュベレーの神殿で情事をしてしまった為に、女神は怒って二人を獅子に変えてしまったそうです。(男女の愛は怒るんですね女神様・・・)
 では、古代の地母神キュベレーについての絵画13点をご覧ください。一部閲覧注意の作品がありますので、ご了承ください。

bottan_03_01

ギリシャ神話 トロイの豪勇ヘクトルの絵画13点。パリスの兄でアキレスに敗れる英雄

 1825 -

 ヘクトルはギリシャ神話のトロイ戦争に登場する英雄です。
 トロイ王国の王子である彼は、プリアモス王と妃ヘカベーとの間に生まれ、軍の総大将であり一番の豪勇でした。兄弟はパリス、カサンドラ、デーイボポスなど12名おります。長男で国の後継者ゆえにヘクトルは非常に正義感が強く、弟パリスがスパルタの妃ヘレネをさらってきてしまった時は、厳しくいさめました。また、善き夫であり、妻アンドロマケと子アステュアナクスを非常に愛していました。彼は全軍を率いてアキレスの親友パトロクロスを討ち取りましたが、それに激怒したアキレスはヘクトルを殺害、遺体を見せしめにしました。父プリアモスは最愛の息子が引き廻しにされているのをいたく悲しみ、アキレスの元まで深夜単独で行き、返してくれるよう頼み込みました。それを不憫に思った彼はヘクトルの遺体を返すことにし、トロイで丁重な葬儀が執り行われました。
 トロイの猛将ヘクトルに関する絵画13点をご覧ください。

bottan_03_01

トロイ戦争の象徴、トロイの木馬に関する絵画13選。巧みな策略で陥落した強固な街

The Burning of Troy (1759-62)  Johann Georg Trautmann -

 ギリシャ神話で伝えられているトロイ戦争は、トロイ国とギリシャ連合軍との戦争です。
 トロイの王子パリスがスパルタの妃ヘレネをさらったことから勃発し、約10年間続けられました。英雄たちが討ち死にをする中、ミケーネ側の知将オデュッセウスが一つの案を思い付きます。それはトロイの木馬。木製の巨大な馬の中に大量の兵士を潜ませ、策に気付かれないように中に運び入れる算段です。彼等は山の木々や船を用いて木馬を組み立てました。それが完成すると、オデュッセウス以下5名の将軍と、その兵士たちが中に入り込み、蓋が閉じられました。

 そして次の日。トロイ側は連合軍がいなくなり、巨大な木馬が残されているのを発見しました。彼等は連合軍側の者を発見して拷問してみたところ、彼は「木馬はアテネの怒りを鎮める為に作った。だが、我らは逃げざるを得なかった。これを城内に入れると、勝利がもたらされると予言に出た」と言いました。トロイ側はこれを信じ、城内に搬入しようとしました。王女カサンドラと神官ラオコーンが「それは嘘だ」と反論しましたが、海から出て来た蛇により彼と息子たちは殺されてしまいます。カサンドラは呪いを受けていた為、信じる者は誰もいませんでした。かくして木馬は城内へと入れられ、アテネ神殿に奉納されました。その夜は大規模な祝宴が催され、トロイの勝利が祝われました。

 彼等が寝静まった頃、オデュッセウスたちは木馬より脱出し、松明で連合軍に合図を出します。そして、彼等は内部からトロイを攻め、王を討ち取りました。こうしてトロイ王国は滅亡してしまったのです。
 トロイの木馬に関係する絵画と彫像13点をご覧ください。
→ トロイ戦争の概要を知りたい方はこちら

bottan_03_01

ギリシャ神話のアラクネの絵画12点。女神アテナに盾突いて蜘蛛となった機織り女性

René-Antoine Houasse  1706 -

 アラクネはギリシャ神話に登場する機織りを自負していた女性です。
 彼女は染織業を営んでいた娘で、非常に優れた織り手でした。みんなアラクネの仕事に惚れ惚れして「女神アテナの弟子のようだ」と褒め称えました。しかし、彼女はそれが気に入らず「私の方が腕が上だわ」と言ってのけてしまいます。それを聞いたアテナはその居丈高を注意する為に老婆に変身して、アラクネに「そんな事は言うな。女神様に謝れば許して下さる」と告げますが、彼女は聞き入れません。怒ったアテナは「なら、私と勝負しなさい」と変身を解きました。アラクネは驚きましたが、大言壮語を吐いた手前、女神と勝負をすることになりました。

 二人はもの凄いスピードで機織りをしていき、二つの見事な織物が完成しました。アテナの作品はポセイドンとアテナの競争をテーマにしており、彼女自身の勝利の姿が織られていました。アラクネの作品はゼウスの不倫の数々をテーマにしており、神々の羞恥な姿が織られていました。アラクネの織物の出来栄えはそれは美しいものでしたが、その侮辱に堪忍袋の緒が切れたアテナは織物を滅茶苦茶に引き裂きました。そして、アラクネに罪と恥を吹き込み、その感情に耐えられなくなった彼女は首をくくって死んでしまいました。不憫に思ったアテナはアラクネを生き返し、神を侮蔑した教訓をいつまでも背負い続けるよう、蜘蛛の姿に変えてしまったのです。
 女神の逆鱗に触れて蜘蛛になってしまった、アラクネの絵画12点をご覧ください。

bottan_03_01
プロフィール
aicon

管理人:


中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
師匠はヒエロニムス・ボス。
神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

button

メメント・モリについて

アーカイブ
記事検索
記事検索
【ブックカフェ Tür テューア】
line logo2
【異形の怪物LINEスタンプ】
line logo2


ブログランキング・にほんブログ村へ

―最新記事をお届け―

buttons

buttons - コピー (2)

buttons - コピー

PC用広告