
家に穴を開け屋根裏を走りまわり、穀物を食い荒らしてフンを落とす。現代でも害獣とされ、駆除の対象になってしまうネズミ。
中世、近世のヨーロッパにおいてもネズミは忌み嫌われる存在で、不吉や死、病気の象徴として恐れられ、駆除されていました。ですが、衛生管理が良くなかった為、次々と数を増やしたネズミは家庭に当たり前のように住み着いていました。また、15世紀にネズミを獲物としていた猫が、宗教上の理由で駆除され数を減らしたことも、ネズミの増加に拍車をかけました。18世紀頃になるまで、ネズミは人々の恐怖であり続けたのです。
中世、近世ヨーロッパを覆った病原菌ペスト(黒死病)の原因は、ネズミについた蚤とされています。ペスト菌を持つ蚤をネズミが連れて歩き、蚤が人間に吸血して感染させていったのです。ペスト蔓延の直接的な存在ではありませんが、ネズミは暗黒時代に陥れた立役者とも言えるでしょう。そんなネズミにまつわる作品を、画家の何名かが様々な視点で描いています。
では、ネズミにまつわる絵画11点をご覧ください。
