
びっしりと描かれた人体と異形。転がる卵。滑稽めいた顔。寓意と風刺と謎がたゆたう、奇異な作品ー…。17世紀後半~18世紀前半頃に生きたとされる、不思議な作品の画家はこう名付けられました。
「Master of the Fertility of the Egg (豊穣な卵のマスター)」と。
画家の名称が分からない時、研究者は作品の特徴+マスター(ギルドの親方)という風に名付けます。中世~近代の画家は名前不明の者が割と多いのです。画家の代表作が卵をテーマにしたものだったので、「豊潤(または肥沃)な卵のマスター」と付けられました。
彼はイタリアのブレシアで活躍したとされ、学者の説によると本名はベルナルディーノ・デホ(1675-1717)である、とかアンジェロ・エッセラッソである、とか言われていますが、定かではありません。同時期のブレシアで活躍したファウスティーノ・ボッキも奇妙な小人群を描いており、ボッキのサークルにいたのではないか、という声もあります。北方ルネサンスの巨匠ヒエロニムス・ボスから続く、グロテスクで奇妙な怪物の影響を受けていると考えられ、絵画には象徴に満ちた寓意や鋭い風刺などが込められています。とにかく個性的で、一度見たら忘れられないインパクトさを持っていますよね。
では、「豊潤な卵のマスター」の作品13点の作品をご覧ください!題名はなく、色々と不明な部分ばかりで、私も全然分かっていません。翻訳は我流となります。ノリと勢いでご紹介しますので、 ご了承ください!
