
黄金の子牛は、イスラエル民族によって作られたとされる旧約聖書に登場する像です。
「出エジプト」によると、モーセはシナイ山で神託を受ける為、40日間こもっていました。残されたイスラエルの民たちは「モーセは死んだのではないか」と思うようになり、限界に達した彼等は「我らを導いてくれる神を作ってくれ」とモーセの兄アロンに嘆願します。アロンは仕方なく黄金で作られた子牛を鋳造しました。すると、民は像を拝み始めたのです。
その状態を見た神はすぐさま下山するようにモーセに命じ、「民を滅ぼしてやる!」と激怒します。モーセは「止めてください」と神を説得し、授かった十戒の石板を持って下山します。彼の目に飛び込んできたのは、宴をしながら金の子牛を取り囲み、像を拝んでいる人々の光景でした。それに怒ったモーセは石板を破壊し、子牛を溶かして粉々にし、水に混ぜて民に飲ませました。そして、偶像崇拝に加担した民衆を殺害するように命じたのです。その数は3000人ほどであったとか・・・。モーセも中々にやっちゃっています。
この物語は旧約聖書のヤハウェの神を物質化し、「偶像崇拝」した事によって神の怒りを買った、という事を伝えていますが、時代が経るにつれて、拝金主義や唯物論の比喩としても考えられるようになりました。
では、黄金の子牛についての絵画13点をご覧ください。
