メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

中世美術

悪魔と住民の絵画11点。闇の異形とゆるく真剣に付き合う、中世の幻想ワールド

Jensky kodex selma z apokalypsy a prelati -

 聖や闇の存在が、現代よりも深く信じられていた中世。
 心を惑わし堕落させようと企む悪魔は、人々にとって脅威でした。甘言で誘惑して悪事を誘発させ、罪を犯させる。罪深き者は死後、天使の祝福を受けることができない。笑みを浮かべし悪魔は、穢れし魂を地獄へと連れていく。地獄へ落とされた者は永遠に責め苦を受け続ける…。
 現世でも死後でも人々を苦しめる恐ろしき悪魔。本来なら醜くおぞましい姿です。ですが、中世のゆるふわな作風のせいで、悪魔がきもかわいいとさえ言える、ユニークなお姿になってしまっているのです。ブログの読者の方々にとって、中世のゆるーい作風はもうお馴染みですね(笑)
 では、悪魔と住民にまつわる絵画11点をご覧ください。

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「中世ルネサンス ブックカフェ Tür」が2023年4月28日(金)にオープンします!

外観

皆さん、こんばんは。
こちらのブログで「私、ブックカフェやります!」という告知を行い、はや5か月。あれからリフォームやDIY、開業準備などが進み、だいぶ店舗が様になってきました。上記の画像は改装後の姿。茶色のトタン&瓦屋根だった家が衝撃の変化を遂げましたよ!
オープン日は2023年4月28日(金)となります。あともう少しですね!頑張らねば!
今は内壁の下地材を塗ることに尽力しており、クロス貼りや漆喰塗りにもチャレンジする予定です。現在における、ビフォーアフターの姿を見ていただけると嬉しいです^^

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中世装飾写本のラクダの作品12点。砂漠のシルクロード代表の動物を想像で描く

England possibly Rochester 2nd quarter 13th -

 沢山の荷物を背中に乗せ、砂漠で歩く印象が強いラクダ。西アジア原産のヒトコブラクダと、中央アジア原産のフタコブラクダが存在し、ヨーロッパには生息していません。
 中世ヨーロッパの時代、大方の民衆は故郷の村や町で一生を過ごしました。王侯貴族や商人、騎士、放浪の旅人などの限られた者達だけが、シルクロードを通してやってきたラクダに乗るキャラバン商隊、十字軍などの戦争でイスラム側が編成したラクダ騎兵を通して、ラクダを目の当たりにすることができたのです。

 写真や動画も勿論ないので、人々はラクダの存在を人づてに聞くか写本を見るかしかありませんでした。他の異国の動物の知識も似たようなもので、キリンはラクダとヒョウの雑種であるという噂も流れたほどでした。そのように伝聞だけで想像で描かれたラクダは、「なんか違うぞ」とツッコみたくなる姿になってしまったのでした。
 では、ラクダの彩色写本の挿絵12点をご覧ください。全ての写本の名前や年代を特定するのが困難だったので、表記は割愛させていただきます。いずれもパブリックドメイン作品となります。

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オリオンの絵画11点。アルテミスを愛しアポロンに謀れ、星座となった巨人の狩人

Sidney Hall  Orion 1825 -

 オリオンはボイオティア地方に住む巨人の狩人です。背の高い偉丈夫で、一説によるとポセイドンとミノス王の娘エウリュアレーの間に生まれたとされています。
 彼は恋多き男で、シーデーやメロペーという美女を愛しましたが、シーデーはヘラによって殺され、メロペーは彼の愛を拒否してしまいます。メロペーの父親によって目を抉られ、盲目となったオリオンは、暁の女神エオスと太陽神ヘリオスの力を借りて目を癒します。それからエオスや、プレイアデス七姉妹に恋をしたそう。恋多すぎですね…!

 その後、彼は女神アルテミスと恋に落ちることになります。二人はクレタ島で暮らし、結婚も考えるほどでした。しかし、それに激怒したのは彼女の兄アポロン。「妹は純潔を守らねばならん。こんなどこの馬の骨とも分からん、乱暴な男は言語道断だ!」と、オリオンの元に毒サソリを放ったのです。サソリに驚き、オリオンは海へと逃げました。それを確認したアポロンはアルテミスにこう言いました。「妹よ。いくら達人の君でも、あの遠くに光るあれは射れまい」と。「そんなことは容易いわ!」と、兄の挑発に乗ってしまった彼女は、オリオン目掛けて射ってしまったのでした。こうしてオリオンは恋人の手にかかり、命を落としたのでした。

 死体が浜に上がり、自分のやったことを悟ったアルテミスは、たいそう嘆き悲しみました。名医アスクレピオスに蘇生して欲しいと頼み込みますが、冥界王ハデスに反対されてしまいます。アルテミスは「ならばせめてオリオンを空に上げてください。私が夜空を走る時、彼に会えるように」とゼウスに頼み込みました。ゼウスはこれを聞き入れ、オリオンは星座となったとされています。
 では、オリオンにまつわる絵画11点をご覧ください。


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【重要告知】2023年4月末に、中世ルネサンスがテーマのブックカフェを開きます!

ライブドア用

 皆さん、こんばんは。
 突然ですが…重要な発表をします!タイトルや画像にもう書いてしまっておりますが、管理人「扉園」は2023年4月末頃に、中世ルネサンスをテーマにしたブックカフェ「Tür テューア」を開きます!!!
 詳細をご覧ください^^

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どうしてこうなった宗教画13点。どこか不自然で突っ込みたくなる聖なる方達【第三弾】

Lombardy School, 18th Century. Christ Blessing -

 イエス・キリストや聖母マリア、天使、聖人などが描かれた宗教画は、信仰してきた対象を描くゆえに、神秘的で荘厳、均整のとれた美しい作品である場合がほとんどです。彼等の姿はほぼ形式化され、画家が異なれどもよく似た姿で描かれてきました。その表情も思慮深く、賢者そうな雰囲気をたたえているものが多いです。
 しかし、中には「どうしてこうなった」と思えるような作品が存在します。その原因は時代特有のものであったり、象徴的なものだったり、画家の個性であったり・・・。「こんな理由なのかなぁ」と思いつつも、思わず突っ込みたくなってしまう作品たち。
 では、「どうしてこうなった」と思える宗教画13点をご覧ください。衝撃的なものはありませんが、個性がきらりと光る作品をお楽しみください。

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ポセイドン(ネプチューン)の絵画13点。三又の矛を操り大海原と大陸を司る荒々しき神

Heinrich Friedrich Fuger Poseidon Enthroned late 18 early 19 -

 ポセイドンは海や地震、泉などを司るギリシャ神話の神です。ローマ神話ではネプチューンと呼ばれ、オリュンポス十二神の一人。クロノスとレアの子であり、ハデスの弟、主神ゼウスの兄とされています。
 高い地位を持つポセイドンは海と大陸を支配し、最大の武器である三又の矛(トライアナ、ローマ神話ではトライデント)を使って津波や嵐、地震を引き起こす事ができます。海に棲むネレイドのアムピトリテを妻にし、三人の子供がおります。出会った当初、アムピトリテは彼を嫌っており、求婚しようとすると彼女はオケアノス宮殿へ隠れてしまいます。ポセイドンはイルカたちに彼女を見つけるよう命じ、その中の一頭が発見して「ポセイドンは男前で偉くて強くて素敵だよ!」と説得し、アムピトリテを連れてくるのに成功しました。こうして二人は結ばれることとなり、功績を得たイルカは天へと上げられ、イルカ座になったとされています。

 ポセイドンは幾つかの逸話が残されていますが、ギリシャの首都アテナイの支配権を巡りアテナと争った話を紹介します。「民に贈り物をして、気に入られた方がアテナイの守護者になれる」と裁定されたので、ポセイドンは塩水の泉を、アテナはオリーブの木を与えました。民が選んだのはアテナでした。それにキレたポセイドンはアテナイに洪水を起こしましたが、ゼウスが仲介して「スニオン岬にポセイドンの神殿を建ててもらおう」と決め、第二の守護神となったことで事なきを得ました。現在でもスニオン岬に神殿の遺跡が残されているようです。
 では、ポセイドンの絵画13点をご覧ください。

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十二使徒の足を洗うキリスト(洗足式)の絵画13点。立場なく清め合う美徳のたとえ

Jesus Washing Peter’s Feet by Ford Madox Brown -

 洗足式は最後の晩餐の際、イエス・キリストが弟子の足を洗ったという記述により生じた儀式です。地位や立場関係なく互いの身を清め、徳を高め合おうという意味が込められています。
 新訳聖書によると、過ぎ越し祭が行われる木曜日、キリストと十二使徒達は食事を共にとりました。その時、弟子の間で「一番になるのは誰か」でもめ始めたのです。キリストはおもむろに立ち上がり、タオルを腰にはさんで洗面器と水を用意し、使徒達の後ろにまわって一人一人の足を洗い出したではありませんか。

 使徒達は驚きの余り成すがままにされていましたが、ペトロは「私の足なんか洗ってはなりません!」と足を引っ込めました。すると「洗わしてくれなかったら私の友ではない」とキリストが断言したので、ペトロは「じゃあ足だけじゃなくて頭も手も洗ってください!」とお願いしました。キリストは「君たちは清いので足だけで構わない。皆ではないが・・・」と意味ありげな事を発し、こう彼等に警句しました。「君たちは私を先生と呼んでいる。私が足を洗ったのだから、君たちも互いに仕え合わなければならない。私がしたようにしなさい」と。
 では、弟子たちの足をふきふき洗うキリストの絵画13点をご覧ください。

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トゥヌクダルスの幻視の絵画13点。ヒエロニムス・ボスも読んだとされる異世界幻視譚

Hieronymus Bosch's work -

 トゥヌクダルスの幻視(トゥンダルの幻視)は、12世紀頃にアイルランド人の修道士マルクスが執筆したとされる物語です。不道徳な貴族騎士の青年トゥヌクダルスが意識を失い、天使に導かれて地獄と天国を目の当たりにし、悔い改めて目覚めるといった内容となっています。
 ある日、トゥヌクダルスは食事中に発作で倒れてしまいます。魂のみとなった彼が悪霊に罵倒されているのを天使が助け、「貴方は罪を償わなければならない」と彼を煉獄と地獄へと連れていきます。身の毛もよだつような懲罰を目の当たりにしてトゥヌクダルスは怯え、天使に許しを乞いますが、天使は「天へ昇る為には貴方は懲罰を受けなければならない」と、彼は生前犯した罪に関連するいくつかの拷問を受けました。すっかり改心したトゥヌクダルスを天使は地獄へと連れていき、「更に罪深き者は永遠の苦しみに苛まれる」と彼が受けた懲罰よりももっと凄まじい地獄の拷問を見せて脅しました。

 その後、トゥヌクダルスと天使は「完全ならぬ善人の憩いの場」を抜け、善行をした者の幸せな園の中を通り、聖人達が住まう天界へと足を踏み入れます。美しい世界で敬虔な者達が住まう様子を見て、トゥヌクダルスは感動し留まりたく思いますが、天使は「肉体に帰り、悪事を遠ざけよ」と助言を与え、彼を地上へと戻したのでした。地上へと帰ったトゥヌクダルスは、早速聖職者たちに感謝の意を示して財産を貧者に分け与え、着衣に十字の印を刻んだのでした。
 では、トゥヌクダルスの幻視についての絵画13点をご覧ください。


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賢い乙女と愚かな乙女の絵画13点。準備や勉学を怠るなかれというキリスト教の逸話

Peter von Cornelius  1813-16 -

 賢い乙女と愚かな乙女(十人の処女たちのたとえ)は、日頃からの準備や勤勉を怠るなかれという警句が込められたイエス・キリストのたとえ話です。
 灯を持って花婿をむかえる10名の乙女がおり、5名は賢く5名は愚かな乙女でした。賢い乙女は灯の他に油を持っていましたが、愚かな乙女は準備していませんでした。花婿が時間に遅れたので、灯の油が足りなくなってしまいました。賢い乙女は油を追加しましたが、愚かな乙女の灯は消えてしまいます。
 油を分けてくれと頼んでも「もう余分はないの。急いで買いに行きなさいな」と言われ、愚かな乙女達は油を求めて店に走っていきます。その間に花婿が到着し、賢い乙女たちは花婿と共に婚礼の部屋へと入りました。遅れてしまった愚かな乙女たちは中に入る事は許されず、花婿に「私はお前達を知らないな」とまで言われて締め出されてしまったのでした。

 これは天国へと入る門の比喩であり、天国へと入る為には臨終の間際では間に合わない。日頃から準備し、敬虔に祈って真面目に生活しなさいという意味が込められているのです。
 では、賢い乙女と愚かな乙女についての絵画13点をご覧ください。

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中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
師匠はヒエロニムス・ボス。
神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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