
オリオンはボイオティア地方に住む巨人の狩人です。背の高い偉丈夫で、一説によるとポセイドンとミノス王の娘エウリュアレーの間に生まれたとされています。
彼は恋多き男で、シーデーやメロペーという美女を愛しましたが、シーデーはヘラによって殺され、メロペーは彼の愛を拒否してしまいます。メロペーの父親によって目を抉られ、盲目となったオリオンは、暁の女神エオスと太陽神ヘリオスの力を借りて目を癒します。それからエオスや、プレイアデス七姉妹に恋をしたそう。恋多すぎですね…!
その後、彼は女神アルテミスと恋に落ちることになります。二人はクレタ島で暮らし、結婚も考えるほどでした。しかし、それに激怒したのは彼女の兄アポロン。「妹は純潔を守らねばならん。こんなどこの馬の骨とも分からん、乱暴な男は言語道断だ!」と、オリオンの元に毒サソリを放ったのです。サソリに驚き、オリオンは海へと逃げました。それを確認したアポロンはアルテミスにこう言いました。「妹よ。いくら達人の君でも、あの遠くに光るあれは射れまい」と。「そんなことは容易いわ!」と、兄の挑発に乗ってしまった彼女は、オリオン目掛けて射ってしまったのでした。こうしてオリオンは恋人の手にかかり、命を落としたのでした。
死体が浜に上がり、自分のやったことを悟ったアルテミスは、たいそう嘆き悲しみました。名医アスクレピオスに蘇生して欲しいと頼み込みますが、冥界王ハデスに反対されてしまいます。アルテミスは「ならばせめてオリオンを空に上げてください。私が夜空を走る時、彼に会えるように」とゼウスに頼み込みました。ゼウスはこれを聞き入れ、オリオンは星座となったとされています。
では、オリオンにまつわる絵画11点をご覧ください。
