メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

彩飾写本

頭足人グリロスの彩飾写本13点。頭と手足と獣が合体したシュールな怪物【第二弾】

Gorleston Psalter 1310 -

 頭と足が合体したような怪物のことを指す、グリロス(頭足人)。
 頭と足でなくともグリロスと呼ばれる者もおり、厳密に言えば頭部を色々なパーツと組み合わせて作る怪物とされています。グリロスはギリシア・ローマ時代の玉石彫刻から発生したと言われており、中世時代になってヨーロッパ全土へ広がっていきました。宝石の彫刻から始まり、壁や柱、彩飾写本の余白を埋める怪物として描かれ、北方ルネサンスの画家ヒエロニムス・ボスがグリロスを芸術まで高めていきます。絵画の世界へ進出したグリロスは、様々な形態となって美術界に時々姿を現すのです。
 第二弾である今回は、中世の彩飾写本に登場するグリロスをご紹介いたします。なお、画像の詳細は判然としなかったので、未記入とさせていただきました。ご了承ください。

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凶悪な兎の彩飾写本13点。弱者の兎が人や猟犬を攻撃するシュールな逆転復讐劇

manuscript7 -

 二つの長い耳がぴんと立ち、もふもふとした愛らしい姿をした兎。
 古代の時代より兎は狩られる運命にある動物でした。自然世界と人間社会、いずれにおいても兎は格好の獲物とされ、肉食獣や狩猟犬、人間の武器に追われて逃げ回るばかりでした。食物連鎖の位置づけはお世辞にも高い方とは言えません。
 そんな可哀想で弱い立場の兎ですが、西洋の中世彩飾写本の世界では様子が一変します。ペストや戦争、暴虐、裏切りが横行して混乱していた時代、「皮肉に満ちたあべこべな世界」が写本に描かれました。代表的なのが、「兎が狩猟犬や人間を攻撃し、虐げる」というテーマなのです。狩られる側の兎が狩る側に回る。
 いつかは強者と弱者の立場が逆転するかもしれない、という皮肉が込められた、凶悪な兎の作品13点をご覧ください。なお、画像の詳細は判然としなかったので未記入とさせていただきました。ご了承ください。

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トーナメント(馬上槍試合)の絵画13点。中世に流行った騎士による命がけの真剣勝負

Lord Eglinton Lord Tournament Edward Henry Corbould 1840 -

 トーナメント(馬上槍試合)は中世時代に流行った、騎士の技術を争う模擬戦です。
 日本語では馬上槍試合と言われていますが、団体戦や個人戦、馬上戦から徒歩戦、槍以外の武器の使用など様々なバリエーションがありました。団体戦はトゥルヌイ、個人戦はジョストと呼ばれています。「実技の練習や勇敢さをアピールする軍事演習」という名目ではありますが、初期の段階では命を落とす者が数十人単位で出たり、倒した相手の武具や馬を奪ったり、捕虜にして身代金を要求するという事が行われていました。時代が経るにつれて、騎士道精神が考えられるようになり、形式化されていきました。

 トーナメントは12世紀に人気を博して西洋中で行われていました。しかし、過度の人気ぶりに騎士の本来の仕事である「国や宗教の防衛」がおろそかになったり、死者が出たりすると、各地で「トーナメント禁止令」が出はじめます。13世紀になるとトーナメントの一部であった一騎打ち形式のジョストが盛んに行われるようになり、トーナメントから分離するようになりました。14世紀になるとトーナメントは廃れ、ジョストだけが生き残りました。イングランドでは1342年に、フランスでは1379年に催されたのがトーナメントの最後でした。一方、ジョストは17世紀頃まで残り続け、一時は廃れたものの現代まで伝統が伝えられています。
 では、トーナメントについての絵画13点をご覧ください。

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キュベレーの絵画13点。フリギアやギリシャローマで崇拝された、古き豊穣の地母神

Francois-Edouard PICOT Cybele Vesuvius Protect  Cities 1832 -

 キュベレーはフリギア(トルコ中部)で崇拝され、ギリシャローマにも信仰が広まった豊穣を司る地母神です。その信仰は古く、起源は新石器時代までさかのぼるとされています。
 キュベレー崇拝は男性の去勢に深く結びついています。両性とも考えられていたキュベレーは、ある日去勢されてそこから樹木が生じ、その実に触れた女性が男の子を産み落とします。アッティスと名付けられた息子は王女と婚約しますが、恋したキュベレーがアッティスを忘我状態にさせて彼を去勢させてしまいます。なんと、その光景を見た王様が自らに同様の処置をした為に、キュベレーの熱狂的な崇拝者と男性の去勢が関連付けられるようになったとされています。なんというか、恐ろしいですね^^;

 また、キュベレーは二頭の獅子(ライオン)を引き連れているとされており、それはアタランテとヒッポメネスの夫婦の物語が関係しています。ヒッポメネスは徒競走に勝利してアタランテを妻とする事に成功しますが、キュベレーの神殿で情事をしてしまった為に、女神は怒って二人を獅子に変えてしまったそうです。(男女の愛は怒るんですね女神様・・・)
 では、古代の地母神キュベレーについての絵画13点をご覧ください。一部閲覧注意の作品がありますので、ご了承ください。

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中世彩飾写本のクジラ&イルカの絵画13点。作者の想像力でシュールな怪魚と化す

Paris 1900 15th manuscript Jonah and the Whale -

 島国である私達にとってはクジラやイルカは比較的身近な存在であり、昔から共生して暮らしてきました。クジラの肉を食べたことがある人もいるのではないでしょうか。
 西洋においてもクジラやイルカは付近を回遊しており、決して見られない環境ではありません。しかし、中世初期時代の海は北欧のヴァイキングが席巻しており、海に乗り出すのは危険が伴う為に西洋の人々は好んでいきませんでした。彼等が次々と海に繰り出していったのは15世紀半ばの大航海時代以降のことであり、それ以前は海は未知の怪物が潜んでいる恐ろしい場所だと思われていたのです。
 クジラやイルカの存在を旅人や宣教師の話で聞いた事はあれど、見たことがない人が大部分を占めたと思います。見たことがない人がクジラのような巨大な海の生物を描いたらどうなるか。「これがクジラなの?」と思うようなとんでもない姿になってしまいますよね。
 では、シュールなクジラ&イルカと思われるの写本挿絵13点をご覧ください。

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中世写本の装飾文字人間の作品13点。アルファベットがシュールな生物に変化する

GiovanninoDeGrassi 1390 -

 皆様は中学か高校の美術の授業で、漢字をイラストで表現するという授業をしたことはありますか?例えば「雲」という漢字をもくもくとした雲で描いてみたり、「猫」と言う漢字を寝転がる猫として描いてみたり。
 なんと、似たような事を中世時代の西洋人もやっていたのです。
 中世の彩飾写本に描かれている頭文字は、イラストで描かれているものがあります。それらの多くは人間や怪物、物語のワンシーンで表現されています。漢字は一文字で意味が通じるもので、一文字だとほぼ意味を成さないアルファベットとは異なりますが、西洋の人は様々な面白いイラストでアルファベットを装飾しようとしていたのです。
 では、13点の写本の装飾文字をご覧ください。

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医療占星術についての写本14点。12星座の生物が人体に乗っかるシュールな挿絵

Très Riches Heures du Duc de Berry 15th -

  中世の時代、、病気の患者に医療と占星術が結びついた治療を行っていました。それは医療占星術(メディカルアストロロジー)と呼ばれ、患者の星座と現在の星の位置を考慮したうえで、診断や治療が為されたそうです。
 星座は人体の部位と関連しているとされ、一見して分かるように人体に12星座がくっついたかのような「獣帯人間(zodiac man)」という特殊な絵が描かれました。頭には羊が置かれ、肩には二人の男女、胸にはカニが配置されていますね。その部位に置かれている動物(人)が該当する星座とされ、特に健康面において気を付ける箇所と言われています。以下が一覧となります。

4月 牡羊座・・・頭部
5月 牡牛座・・・首
6月 双子座・・・肩、腕
7月 蟹座・・・胸
8月 獅子座・・・心臓
9月 乙女座・・・腸
10月 天秤座・・・腰
11月 蠍座・・・生殖器
12月 射手座・・・大腿、尻
1月 山羊座・・・膝
2月 水瓶座・・・ふくらはぎ、足首
3月 魚座・・・足、足の裏

 私は天秤座なので、特に腰に気を付けなければならないということですね。これから紹介するゾディアックマンを見ていただくと、腰の部分に天秤が描かれているのが確認できると思います。まだ腰は痛めていませんが、将来ぎっくり腰にでもなるのかな?気を付けなくちゃ・・・(^^;)
 では、これらを踏まえながら医療占星術のゾディアックマンの写本挿絵14点をご覧ください。閲覧注意風の部分がありますのでお願いいたします。

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中世彩飾写本の不可思議な怪物14点。きもかわいい愉快なモンスターたち【第二弾】

 1325-1340 -

 中世時代、写本は「写字生」と呼ばれる修道院に属する修道士がせっせと書いていました。
 多くの修道院には写字を行う「写字室」が建てられ、君主や教会に依頼された本を手掛けていました。場所によっては羊皮紙の製作から製本まで、彩飾写本の作製の全てを行っていたようです。キリスト教の教義を伝える手段にもなる為、写字は修道院の大事な仕事であったのと同時に 、写本を貴族たちに売ることで貴重な収入源にもなっていました。
 彩飾写本はその名の通り、字だけではなく様々な装飾や挿絵が入れられています。その殆どは物語に関連した挿絵なのですが、中にはどうしてこんな怪物がいるの!?と思われるへんてこりんなモンスターが現れます。
 写字生のストレス発散なのか、趣味なのかは不明ですが、とにかく不思議でキモカワイイ怪物14点をご覧ください!

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「キリスト教の祈りの芸術展」が西南学院大学博物館で開催!写本と聖画の展覧会

キリスト教の祈りと芸術2-

 2017年11月13日~2018年1月29日まで、福岡県の西南学院大学博物館で、「キリスト教の祈りと芸術 ―装飾写本から聖画像まで-」という展覧会が行われます!
 「祈り」を主軸にした芸術を通して、キリスト教信仰の歴史を学んでいくという流れとなり、世界各地で制作された写本や聖画、道具が展示されます。中世時代の美術に興味を持つ人には、超気になる展覧会となっております。では、詳細を見ていきましょう!

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中世写本に描かれたキモかわいい怪物12点。とぼけた顔の奇妙なモンスターたち

Luttrell Psalter 1325-1335 -

 怪物、モンスターという単語の響きは、ドラゴンや吸血鬼、巨人など、少なくとも凶悪で強そうなイメージが湧くのではないでしょうか。ルネサンス期のボスやブリューゲル、近代のブレイク、フュースリ、ルドン等は怪物を描いた画家で知られていますが、彼等の描く怪物はどちらかと言えば不気味で、人々に怪物の恐ろしさを伝える目的で描いた部分があるように思えます。しかし、中世写本に描かれたモンスターたちの中には、全く不気味ではないどころか、愛嬌があって可愛げのある怪物が存在します。何を思ってこのとぼけた、面白い怪物たちを描いたのだろうと不思議に思ってしまう程です。
 中世の人々が思い思いに描いた、きもかわいい怪物の挿絵、12点をご覧ください。
 

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中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
師匠はヒエロニムス・ボス。
神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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