「悪女フリート」は意地の悪い女や激怒する女などを象徴した、フランドル地方(オランダやベルギー)における諺をもとにして生じた存在です。フリートは恐い女を凝縮して概念化した存在だと思っていただければいいと思います。
15~6世紀頃のフランドルは男性優位社会ではありましたが、女性も負けてはいませんでした。男性からの抑圧や軽視に猛然と反抗した者もいたのです。男性達はそんな女性に恐れをなし、以下のような諺をつくりました。
「彼女は地獄の前で略奪し、無傷で戻ってくる」、「地獄に行くなら剣を持って行け」、「クッションの上で悪魔を縛る」、「地獄から戦利品を持ち帰ろうとする者は、悪女を連れて来るのがよい」、「女はひとりでも騒々しく、二人で多くのトラブルを、三人寄れば大祭り、四人で喧嘩、五人揃えば軍隊、六人いれば悪魔も戦う武器を知らない」―wikipediaより
地獄も悪魔もなんのその。悪魔なんか赤子の如く片手で一ひねり状態ですね^^; フリートの源泉はギリシャ神話の復讐の女神であり、「きちがいグレーテ」や「気狂いメグ」などとも呼ばれています。画家のピーテル・ブリューゲル(父)はそんな「悪女フリート」の風刺絵画を手掛けました。その影響があったのか、後年の画家によって同テーマの作品が数枚描かれております。
では、悪女フリートについての絵画9点をご覧ください。
