メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

怪物の美術

悪女フリートの絵画9点。地獄へ踏み込み怪物を蹴散らす、フランドル地方の強き女

Pieter Brueghel - Dulle Griet

 「悪女フリート」は意地の悪い女や激怒する女などを象徴した、フランドル地方(オランダやベルギー)における諺をもとにして生じた存在です。フリートは恐い女を凝縮して概念化した存在だと思っていただければいいと思います。
 15~6世紀頃のフランドルは男性優位社会ではありましたが、女性も負けてはいませんでした。男性からの抑圧や軽視に猛然と反抗した者もいたのです。男性達はそんな女性に恐れをなし、以下のような諺をつくりました。

「彼女は地獄の前で略奪し、無傷で戻ってくる」、「地獄に行くなら剣を持って行け」、「クッションの上で悪魔を縛る」、「地獄から戦利品を持ち帰ろうとする者は、悪女を連れて来るのがよい」、「女はひとりでも騒々しく、二人で多くのトラブルを、三人寄れば大祭り、四人で喧嘩、五人揃えば軍隊、六人いれば悪魔も戦う武器を知らない」
―wikipediaより

 地獄も悪魔もなんのその。悪魔なんか赤子の如く片手で一ひねり状態ですね^^; フリートの源泉はギリシャ神話の復讐の女神であり、「きちがいグレーテ」や「気狂いメグ」などとも呼ばれています。画家のピーテル・ブリューゲル(父)はそんな「悪女フリート」の風刺絵画を手掛けました。その影響があったのか、後年の画家によって同テーマの作品が数枚描かれております。
 では、悪女フリートについての絵画9点をご覧ください。

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「ヒエロニムス・ボスの世界」書籍の概要と感想!絵画のドアップがみられる素敵な本

ボス -

 2019年12月に発売された書籍「ヒエロニムス・ボスの世界 ‐大まじめな風景のおかしな楽園へようこそ‐」を読んでみました!
 この書籍はブリュッへ美術館館長であるティル=ホルガ―・ボルヒェルトさんが、ボス没年の500年記念である2016年に書き上げた本であり、翻訳されて日本で発売されたものとなります。主に「ボス作品の一部分をアップしてじっくりとみてみよう!」というコンセプトであり、超ドアップな背景や人物、怪物たちを見ることができました。
 書籍の概要と感想をお伝えしたいと思います!

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サイクロプス(キュクロプス)の絵画12点。狂暴だとしても美女に恋する一つ目の巨人

Polyphemus Giulio Romano, 1526-1528 -

 サイクロプス(キュプロクス)はギリシャ神話に登場する、一つ目の巨人の種族です。
 天空神ウラノスと地母神ガイアの間よりサイクロプス族は生まれましたが、父の手で奈落タルタロスに落とされてしまいます。神々の大戦ティタノマキアの際にゼウス達によって解放され、その返礼として神々に三つの神器を造りました。戦争後は鍛冶の神ヘパイストスの所で鍛冶業を行ったとされています。

 一方、ホメロスの叙事詩「オデュッセイア」に登場するサイクロプス族は、好意的な巨人ではなく、人を喰う凶暴な怪物として登場しています。サイクロプス族の島に漂着してしまった英雄オデュッセウスとその部下は、ポリュペーモス達によって捕らえられてしまいました。食べられていく部下。オデュッセウスは手持ちのワインでポリュペーモスの機嫌を取り、「私の名前はウーティス(誰でもない)」と告げました。巨人が酔いつぶれた頃、オデュッセウス達はその巨大な目を潰しました。痛がるポリュペーモスが「ウーティスにやられた!」と叫んでも、駆けつけた仲間達は「そっか、誰でもないのか」と帰ってしまいます。洞窟から無事に抜け出し、船に乗ったオデュッセウスは調子づいて自らの名を言ってしまった為、ポリューペモスは父であるポセイドンに祈り、彼は今後難破に苦しむ事になったのでした。

 そんな少し哀れなポリュペーモス。狂暴だけかと思いきや、ニュムペーであるガラテイアに恋したという逸話も残っています。ガラテイアに恋していたポリュペーモスは、彼女が青年アーキスといちゃついているのを発見。嫉妬のあまり石を投げつけてアーキスを殺してしまいます。異なる文献によると、ポリュペーモスとガラテイアは無事にゴールインし、三人の子供まで設けたとされています。
 では、ポリュペーモスを筆頭に、サイクロプスについての絵画12点をご覧ください。

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頭足人グリロスの彩飾写本13点。頭と手足と獣が合体したシュールな怪物【第二弾】

Gorleston Psalter 1310 -

 頭と足が合体したような怪物のことを指す、グリロス(頭足人)。
 頭と足でなくともグリロスと呼ばれる者もおり、厳密に言えば頭部を色々なパーツと組み合わせて作る怪物とされています。グリロスはギリシア・ローマ時代の玉石彫刻から発生したと言われており、中世時代になってヨーロッパ全土へ広がっていきました。宝石の彫刻から始まり、壁や柱、彩飾写本の余白を埋める怪物として描かれ、北方ルネサンスの画家ヒエロニムス・ボスがグリロスを芸術まで高めていきます。絵画の世界へ進出したグリロスは、様々な形態となって美術界に時々姿を現すのです。
 第二弾である今回は、中世の彩飾写本に登場するグリロスをご紹介いたします。なお、画像の詳細は判然としなかったので、未記入とさせていただきました。ご了承ください。

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凶悪な兎の彩飾写本13点。弱者の兎が人や猟犬を攻撃するシュールな逆転復讐劇

manuscript7 -

 二つの長い耳がぴんと立ち、もふもふとした愛らしい姿をした兎。
 古代の時代より兎は狩られる運命にある動物でした。自然世界と人間社会、いずれにおいても兎は格好の獲物とされ、肉食獣や狩猟犬、人間の武器に追われて逃げ回るばかりでした。食物連鎖の位置づけはお世辞にも高い方とは言えません。
 そんな可哀想で弱い立場の兎ですが、西洋の中世彩飾写本の世界では様子が一変します。ペストや戦争、暴虐、裏切りが横行して混乱していた時代、「皮肉に満ちたあべこべな世界」が写本に描かれました。代表的なのが、「兎が狩猟犬や人間を攻撃し、虐げる」というテーマなのです。狩られる側の兎が狩る側に回る。
 いつかは強者と弱者の立場が逆転するかもしれない、という皮肉が込められた、凶悪な兎の作品13点をご覧ください。なお、画像の詳細は判然としなかったので未記入とさせていただきました。ご了承ください。

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トゥヌクダルスの幻視の絵画13点。ヒエロニムス・ボスも読んだとされる異世界幻視譚

Hieronymus Bosch's work -

 トゥヌクダルスの幻視(トゥンダルの幻視)は、12世紀頃にアイルランド人の修道士マルクスが執筆したとされる物語です。不道徳な貴族騎士の青年トゥヌクダルスが意識を失い、天使に導かれて地獄と天国を目の当たりにし、悔い改めて目覚めるといった内容となっています。
 ある日、トゥヌクダルスは食事中に発作で倒れてしまいます。魂のみとなった彼が悪霊に罵倒されているのを天使が助け、「貴方は罪を償わなければならない」と彼を煉獄と地獄へと連れていきます。身の毛もよだつような懲罰を目の当たりにしてトゥヌクダルスは怯え、天使に許しを乞いますが、天使は「天へ昇る為には貴方は懲罰を受けなければならない」と、彼は生前犯した罪に関連するいくつかの拷問を受けました。すっかり改心したトゥヌクダルスを天使は地獄へと連れていき、「更に罪深き者は永遠の苦しみに苛まれる」と彼が受けた懲罰よりももっと凄まじい地獄の拷問を見せて脅しました。

 その後、トゥヌクダルスと天使は「完全ならぬ善人の憩いの場」を抜け、善行をした者の幸せな園の中を通り、聖人達が住まう天界へと足を踏み入れます。美しい世界で敬虔な者達が住まう様子を見て、トゥヌクダルスは感動し留まりたく思いますが、天使は「肉体に帰り、悪事を遠ざけよ」と助言を与え、彼を地上へと戻したのでした。地上へと帰ったトゥヌクダルスは、早速聖職者たちに感謝の意を示して財産を貧者に分け与え、着衣に十字の印を刻んだのでした。
 では、トゥヌクダルスの幻視についての絵画13点をご覧ください。


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ハルピュイア(ハーピー)の絵画13点。アルゴナウタイ等に登場する鳥と女の怪物

Edvard Munch 1899 -

 ギリシャ神話に登場するハルピュイアはハーピーとも呼ばれ、アルゴナウタイの航海やアイネイアスの冒険のシーンに現れています。上半身が女性で下半身が鳥の姿とされ、翼で上空を飛んでいます。
 地母神ガイアと海神ポントスの子タウマスと、オケアノスの娘エレクトラの間に生まれたとされています。人間に未来を教えた為に、神の怒りを買って盲目にされたピーネウスという王がいるのですが、更に苦しめようと神々はハルピュイアを遣わしました。王が食事を食べようとする度に、上空からハルピュイアの大軍がやってきて、食べ物をさらっていきました。残った食物も臭気が凄くて食べられたものではなかったとか・・・。地味に酷い嫌がらせです。

 その後、ハルピュイアはアルゴナウタイの遠征隊によって追い払われ、違う島に移住しました。そこに上陸したのは英雄アイネイアスと仲間達。彼等が食事をしようと準備すると、同様にハルピュイアがやってきてご飯をかっさらいました。彼等が剣で切りつけようとしても、素早いし固いしで無駄に終わります。ハルピュイアは「旅の終わりに恐ろしい飢えが起こる」と予言して飛び去ってしまいまいした。アイネイアス達は予言通り飢餓に襲われましたが、終着点へ着いて事なきを得たそうです。
 では、怪鳥ハルピュイアについての絵画13点をご覧ください。

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中世写本の装飾文字人間の作品13点。アルファベットがシュールな生物に変化する

GiovanninoDeGrassi 1390 -

 皆様は中学か高校の美術の授業で、漢字をイラストで表現するという授業をしたことはありますか?例えば「雲」という漢字をもくもくとした雲で描いてみたり、「猫」と言う漢字を寝転がる猫として描いてみたり。
 なんと、似たような事を中世時代の西洋人もやっていたのです。
 中世の彩飾写本に描かれている頭文字は、イラストで描かれているものがあります。それらの多くは人間や怪物、物語のワンシーンで表現されています。漢字は一文字で意味が通じるもので、一文字だとほぼ意味を成さないアルファベットとは異なりますが、西洋の人は様々な面白いイラストでアルファベットを装飾しようとしていたのです。
 では、13点の写本の装飾文字をご覧ください。

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中世の悪魔についての絵画13点。西洋人が描きだした、シュールでゆるい悪魔の姿

Hellmouth, 1461, Jacobi de Ancharano (alias de Teramo) -

 神に反逆し人間を誘惑する者、悪魔。
 悪魔という概念は古くから存在し、キリスト教が成立する以前のゾロアスター教などの宗教でも、神に敵対する邪悪なる者がいると考えられてきました。キリスト教における悪魔は「神に謀反したルシファー側に付いた天使が地獄に落とされて堕天使となり、悪魔となった」と一般的にはされていますが、キリスト教に反する土着信仰や多神教の神々なども悪魔として数えられるようになりました。中世時代の人々は悪魔を「山羊のような角とコウモリのような羽、身体の所々に顔が付いている人間と獣が混じったかのような姿」と考え、様々な個性的な悪魔を描きだしたのです。
 では、中世時代の悪魔の姿13点をご覧ください。

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「ブリューゲル展 画家一族150年の系譜」へ行ってきました!一族だらけの展覧会

ブリューゲル展1 -

 2018年5月25日(金)に、愛知県の豊田市美術館で開催されている「ブリューゲル展 画家一族150年の系譜」へ行ってきました!出展された作品は101点。その中の約8割がブリューゲル一家の作品でした。正にブリューゲルのブリューゲルによるブリューゲルの為の展覧会で、これでもかというくらいこの一族を知れる展覧会となりました(笑)
 記事を書くのが遅れてしまいましたが、詳細をご覧ください!

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中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
師匠はヒエロニムス・ボス。
神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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