メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

悪魔

悪魔と住民の絵画11点。闇の異形とゆるく真剣に付き合う、中世の幻想ワールド

Jensky kodex selma z apokalypsy a prelati -

 聖や闇の存在が、現代よりも深く信じられていた中世。
 心を惑わし堕落させようと企む悪魔は、人々にとって脅威でした。甘言で誘惑して悪事を誘発させ、罪を犯させる。罪深き者は死後、天使の祝福を受けることができない。笑みを浮かべし悪魔は、穢れし魂を地獄へと連れていく。地獄へ落とされた者は永遠に責め苦を受け続ける…。
 現世でも死後でも人々を苦しめる恐ろしき悪魔。本来なら醜くおぞましい姿です。ですが、中世のゆるふわな作風のせいで、悪魔がきもかわいいとさえ言える、ユニークなお姿になってしまっているのです。ブログの読者の方々にとって、中世のゆるーい作風はもうお馴染みですね(笑)
 では、悪魔と住民にまつわる絵画11点をご覧ください。

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サタンを踏むミカエルの絵画12点。微笑む大天使は悪魔を足蹴にする【第二弾】

Juan de la Abadía 1486

 新約聖書の「ヨハネの黙示録」によると、大天使ミカエルと配下の天使たちは、サタン(ルシファー)とその部下たちと激しく戦い、彼等を地の底へと突き落としたとされています。サタンはかつて美しい天使であったものの、堕天使となり邪悪なる悪魔と変貌したのでした。サタンは竜や怪物、人型の悪魔として表現されています。
 善なる勝利と悪の敗北。その勧善懲悪の栄光なるエピソードは多くの画家に描かれ、教会を彩っています。では、涼し気な表情のミカエル様が、色々な個性的な姿をしている悪魔(サタン)をひたすら踏みつける絵画12点をご覧ください!

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イランの悪魔の呪文書の挿絵18点。12星座を司る、ゆるキモかわいい悪魔たち

Early 20th Iran 1 -

 ぽよーんとした表情のゆるい三つ首の悪魔。この挿絵は、20世紀初頭のイラン中部のイスファハンで手掛けられた呪文書に書かれています。その本には悪魔を扱う際の呪文や、退魔の呪文が書かれており、豊富な挿絵が付けられています。また、挿絵の中には十二星座(ゾディアック)に根差した悪魔や、様々な怪物が描かれていますが、そのいずれもが「ふふっ」と思わず笑ってしまうような、ゆるーい姿をしているのです。
 では、異国情緒とへんてこりんな雰囲気が溢れる、イランの悪魔の挿絵18点をご覧ください。

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ミルトン「失楽園」の絵画12点。天使と悪魔の争いとアダムとイブの愛を書いた叙事詩

Satan And The Birth Of Sin by Johann Heinrich Fuseli -

 「失楽園」はイギリスの17世紀の詩人ジョン・ミルトンによって書かれた叙事詩です。
 旧約聖書の「創世記」を踏襲しており、神に反抗心を持つルシファー(サタン)は志を同じくする天使と共に神に反逆し、敗北して堕天使(悪魔)となります。ルシファーは悪魔達と共に神への復讐を考え、人間アダムとイブを堕落させることを思い付きます。かくしてルシファーは蛇の姿となってイブに禁断の実を食べるようそそのかし、彼女はその実を食してしまうのでした。アダムは「彼女だけが追放されるくらいなら共に行こう」と神よりも愛を選び、妻と共に楽園を去ることを選びます。大天使ミカエルに今後彼等が直面する災いを告げられ、アダムとイブは荒野へと足を踏み出すのでした。

 魔女狩りが行われる時代に書かれたにも関わらず、「失楽園」は唯一神の栄光を前面に表すのではなく、ルシファーの「服従よりも自由を選ぶ」というある種の英雄像、人間の「安泰な神の服従よりも、苦難の愛を選ぶ」という愛と意思の偉大さを描きました。それに影響されてか、神や天使ではなくルシファーにスポットライトを当て、劇的に描く絵画が登場するようになりました。
 では、ジョン・ミルトンの「失楽園」にまつわる絵画12点をご覧ください。

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光と闇の幻想画家サシャ・シュナイダーの絵画13点。世に逆らい描く肉体美の追究

Illustration for Karl May’s Von Bagdad nach Stambul  1904 -

 サシャ・シュナイダー(1870-1927)は、ドイツ出身の画家&彫刻家です。本名ラドルフ・カール・アレクサンダー・シュナイダー。
 サンクトペテルブルクで生まれた彼は、父親の死によりドレスデンに移り、19歳の時にドレスデン美術大学の学生になります。1904年にベストセラーの作家であったカール・マイと出会い、彼の作品の挿絵を手掛けるようになりました。その翌年にはWeimar Grand-Ducal Saxon 美術学校の教授に任命されました。

 しかし、シュナイダーは秘密を抱えていました。彼は同性愛者であり、画家のヘルムース・ヤーンと同居していたのです。二人の関係は悪化し、ヤーンが「同性愛者である事をばらす」と脅した為、シュナイダーは当時同性愛が犯罪とされていなかったイタリアへと逃亡しました。その地で画家のロバート・スパイと出会い、共に様々な場所を旅しました。その後、ドイツへと帰国し、第一次世界大戦がはじまる時にはドレスデンの近くのヘレラウに住みました。1918年になると、「Kraft-Kunst」と呼ばれるボディービルダーの育成所を立ち上げました。ここの訓練生の何名かは彼の作品のモデルとなっています。
 糖尿病を患ったシュナイダーは、船旅中に発作を起こして倒れ、命を落としてしまいました。彼はドレスデンのロシュヴィッツの墓地に埋葬され、永遠に眠っています。
 では、聖と悪、罪と許し、肉体美に彩られたサシャ・シュナイダーの作品13点をご覧ください。

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荒野でキリストに奉仕する天使達の絵画13点。悪魔が去ると致せり尽くせり状態に

Christ Angels in the Wilderness Italian (Florentine) School -

 新約聖書のマルコの福音書によると、イエス・キリストはヨハネから洗礼を受けたのち、霊の力によって荒野へと送り出されました。そこで40日間断食をしたのち、悪魔(サタン)の誘惑を受けます。キリストは三つの誘惑を見事跳ね除け、悪魔は悔しがりながら退散していきました。その後、救世主は天使達から奉仕を受けたとされています。
 悪魔による誘惑を受けるキリストのシーンは印象的で、多くの画家に描かれておりますが、その一方で天使に奉仕を受けているキリストの作品も数多く存在します。40日間断食をして飢えているキリストの為に、天使が数多くの飲み物や食べ物でおもてなしをしているのです。
 では、天使の奉仕を受けているキリストの絵画13点をご覧ください。

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中世の悪魔についての絵画13点。西洋人が描きだした、シュールでゆるい悪魔の姿

Hellmouth, 1461, Jacobi de Ancharano (alias de Teramo) -

 神に反逆し人間を誘惑する者、悪魔。
 悪魔という概念は古くから存在し、キリスト教が成立する以前のゾロアスター教などの宗教でも、神に敵対する邪悪なる者がいると考えられてきました。キリスト教における悪魔は「神に謀反したルシファー側に付いた天使が地獄に落とされて堕天使となり、悪魔となった」と一般的にはされていますが、キリスト教に反する土着信仰や多神教の神々なども悪魔として数えられるようになりました。中世時代の人々は悪魔を「山羊のような角とコウモリのような羽、身体の所々に顔が付いている人間と獣が混じったかのような姿」と考え、様々な個性的な悪魔を描きだしたのです。
 では、中世時代の悪魔の姿13点をご覧ください。

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イスカリオテのユダの絵画14点。キリストを銀貨30枚で売った裏切者の悲しき人生

Benoît-Hermogaste Molin - 1810-1894 -

 イスカリオテのユダはキリストを銀貨で売ったとされる、キリスト教最大の裏切者と知られている者です。他にもユダと言う名の者がいる為、出身地カリオテからとって「イスカリオテのユダ」と呼ばれています。
 「マタイの福音書」によると、ユダは十二使徒の一人でありながら金銭目的でユダヤの祭司長たちにキリストの引き渡しを持ちかけ、銀貨三十枚を得る約束をしました。その後、キリストと十二使徒は過ぎ越し祭の日に晩餐を行いますが、キリストは「君達の内誰かが私を売り渡すだろう」と言い、ユダにパンを与えました。ユダはその場を素早く離れたのでした。

 そして遂に運命の時が訪れます。ゲッセマネの園でユダは救世主に親愛の接吻をしました。接吻は「この者がキリストである」という敵への合図だったのです。現れた兵隊はキリストを捕らえ、ユダヤの祭司たちは裁判に掛けてキリストを処刑してしまいました。ユダはその罪深い行為が恐ろしくなり、銀貨三十枚を祭司たちの足元に投げ付け、自ら首を吊って命を絶ったとされています。
 では、裏切者の代名詞となっているユダについての絵画14点をご覧ください。一部閲覧注意がございますので、お願いいたします。
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「神曲」の絵画14点。イタリアの詩人ダンテ・アリギエーリが書した中世最大の詩篇

Dante and Virgil Flown by Ceron 1893 Roberto Bompiani - コピー

 「神曲」は13、4世紀のイタリアの詩人、政治家であるダンテ・アリギエーリが書した作品です。
 自分自身を主人公とした、一万以上の韻文から成る長編叙事詩であり、煉獄篇、地獄篇、天国編の三部に分けられています。中世イタリアの代表作と言っても過言ではなく、文学界でも特に有名な存在です。原題はLa Divina Commediaであり、英語だとThe Divine Comedy。日本語だと「神聖喜劇」と訳せます。だからと言って笑える話という訳ではなく、俗語で書かれたハッピーエンドの物語という事から付けられたそうです。

 内容としては、1300年の金曜日にダンテは深い森の中へ迷い込んでしまいます。そこで彼はローマの詩人ヴェルギリウスに出会い、地獄、煉獄、天国と三つの世界に案内されるのです。地獄の九圏には有名な英雄や歴史人が罰を受けており、彼等の物語を訊き、地球の中心部には魔王ルチーフェロが封印されております。ダンテは煉獄の頂上でヴェルギリウスと別れ、山頂でかつて愛した女性の現身である淑女ベアトリーチェと再会します。彼女の導きで天国へと昇天していき、天を巡って至高の天上へと昇りつめていき、天使や聖人達と出会いました。ダンテは永遠なる存在を前にして、見神の域へと達したのでした。
 では、「神曲」にまつわる絵画14点をご覧ください。

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キリストの誘惑 (荒野の誘惑) の絵画15点。救世主は悪魔サタンの甘言を拒否する

Fernando Gallego  1480-88 -

 キリストの誘惑(荒野の誘惑)は、イエス・キリストが悪魔の誘惑を退けた新約聖書のエピソードです。
 ヨルダン川でヨハネから洗礼を受けた後、キリストは聖霊によって40日間荒野に送られました。その間何も口にすることはなく、救世主は酷く飢えていました。そこへサタンが現れ、こう言います。「ここに石がある。お前が神の子ならばパンに変えてみせろ」と。それに対しキリストは「人はパンだけで生きておらず、力を使うのは誤りだ」と答え、拒否します。次にサタンは高い場所へ連れていき、国々を見せました。「もし私にひれ伏すというならば、これら全てをあげよう。権威、栄華、全てお前のものだ」しかし、キリストは「私は神にしか仕えません」と退けます。
 更にサタンはエルサレムの宮の頂上へと連れていき、こう囁きます。「ほら、お前が神の子だと証明すべく此処から飛び降りてみろ。神はお前を守る為に御使いを寄こすのだろう?」キリストは「神を試してはならない」と断固拒否します。誘惑に失敗したサタンは悔しがりながら離れていきました。こうして救世主は聖霊の力に満ちあふれながら、ガラリヤへと帰宅したそうです。
 堕落させようと必死なサタンと、色々な表情でNOと言うキリストの姿15点をご覧ください。

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中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
師匠はヒエロニムス・ボス。
神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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