
隠者は世俗との関係を一切断って生活する人の事を指します。
キリスト教で一番始めに隠者となった人物はテーベのパウロとされ、「初代隠者聖パウロ」と呼ばれています。使徒の聖パウロとは別の人物となります。キリスト教に根差した隠者たちは多くの場合、砂漠や森、洞窟、建物の中に住んでいました。そのような隠遁場所は「隠者の庵(いおり)」と呼ばれ、そこで祈りや懺悔を行って神への信仰を深めたり、神学を勉強して思想を深めたり、聖書の翻訳などを行っていました。
修道院で飲食や会合して、付近のあばら家で最低限の暮らしをしていた隠者もいたそうですし、貴族の領地にある装飾用の建物に住んでいた隠者もいたそうです。隠者の知恵を求めて訪ねてくる来訪者は多くいたようで、隠居といえども厭世的な孤独とは無縁な人がほとんどだったようです。沢山弟子をとって大賑わいの隠者もいたとか。
では、隠者に関する絵画13点をご覧ください。
