メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

ダークサイドの西洋美術にまつわる絵画や展覧会、グッズ情報をご紹介。

肉体美

光と闇の幻想画家サシャ・シュナイダーの絵画13点。世に逆らい描く肉体美の追究

Illustration for Karl May’s Von Bagdad nach Stambul  1904 -

 サシャ・シュナイダー(1870-1927)は、ドイツ出身の画家&彫刻家です。本名ラドルフ・カール・アレクサンダー・シュナイダー。
 サンクトペテルブルクで生まれた彼は、父親の死によりドレスデンに移り、19歳の時にドレスデン美術大学の学生になります。1904年にベストセラーの作家であったカール・マイと出会い、彼の作品の挿絵を手掛けるようになりました。その翌年にはWeimar Grand-Ducal Saxon 美術学校の教授に任命されました。

 しかし、シュナイダーは秘密を抱えていました。彼は同性愛者であり、画家のヘルムース・ヤーンと同居していたのです。二人の関係は悪化し、ヤーンが「同性愛者である事をばらす」と脅した為、シュナイダーは当時同性愛が犯罪とされていなかったイタリアへと逃亡しました。その地で画家のロバート・スパイと出会い、共に様々な場所を旅しました。その後、ドイツへと帰国し、第一次世界大戦がはじまる時にはドレスデンの近くのヘレラウに住みました。1918年になると、「Kraft-Kunst」と呼ばれるボディービルダーの育成所を立ち上げました。ここの訓練生の何名かは彼の作品のモデルとなっています。
 糖尿病を患ったシュナイダーは、船旅中に発作を起こして倒れ、命を落としてしまいました。彼はドレスデンのロシュヴィッツの墓地に埋葬され、永遠に眠っています。
 では、聖と悪、罪と許し、肉体美に彩られたサシャ・シュナイダーの作品13点をご覧ください。

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ギリシャ神話のエンデュミオンの絵画13点。恋した女神セレネは彼を永遠に眠らせる

Francesco Trevisani  1656–1746 -

 エンデュミオンは月の女神セレネの愛により、永遠に眠ることとなった美青年です。
 ある日の深夜、エンデュミオンは山頂で睡眠をとっていました。そこへセレネが偶然居合わせ、彼の寝姿を見るや否や恋に落ちてしまいました。美しい寝顔を見たい一心でセレネは毎夜そこを訪れるようになります。始めこそ寝姿を見るだけで満足していましたが、次第に耐え切れなくなった彼女は抱擁や接吻をしてしまいます。エンデュミオンはそれを現実ではなく、夢だと思っていました。毎夜毎夜、夢の中で美しい女性が現れて自分を愛してくれる、と。エンデュミオンも次第に女神に惹かれるようになっていきます。

 しかし、彼は人間。寿命は限られた存在です。老いと離別を恐れたセレネはエンデュミオンに囁きました。「貴方はこのまま老いて死ぬのと、美しい姿のまま永遠の眠りにつくのと、どちらがいい?」と。彼はためらわずに後者を選びました。セレネは主神ゼウスに頼み込み、願いを叶えてやりました。こうして永久の眠りについたエンデュミオンはラトモス山の洞窟へと運ばれ、セレネと夢の中での永遠の愛を築いたのです。
 眠る美青年エンデュミオンと、恋する女神様の絵画13点をご覧ください。

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ギリシャ神話のヒュアキントスの絵画11点。円盤が当たって絶命したアポロンの愛人

death of hyacinth benjamin west 1771 -

 ギリシャ神話のヒュアキントスは、事故によって亡くなったアポロンの愛人です。
 彼は相当の美青年で、アポロンは非常に可愛がっていました。男色は全然OKの時代、神だって気にしません。アポロンは漁や狩猟に行く時も、スポーツをする時も、山登りをする時も、いつもヒュアキントスを伴っていました。ある日、二人は円盤投げをして遊んでいました。アポロンが空高く投げた円盤をじっと見つめ、ヒュアキントスはそれをやりたくなり、円盤に駆け寄っていきました。しかし、運悪く地面に跳ね返って来た円盤が彼の額に直撃したのです!瀕死で倒れた少年の元に、アポロンは真っ青な表情で走り寄ります。どんな治療をおこなっても徒労で、ヒュアキントスは死んでしまいます。「ああ、なんたることだ!お前の立場と替わることができるならそうしたのに!お前の存在を美しい花に変えてあげよう・・・」そうアポロンが言うやいなや、ヒュアキントスの姿は深紅色の百合のような花に変化したのです。
 悲劇の青年ヒュアキントスの絵画、11点をご覧ください。
 
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プロフィール
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管理人:


中世ルネサンスのシュールな絵画をこよなく愛する。
師匠はヒエロニムス・ボス。
神秘とダークな作品情報を皆様と共有していきたいと思います。

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