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 ヴァニタスはラテン語で「空虚」という意味であり、人生の虚しさ、虚栄の無意味さを静物画で表した寓意作品のことを指します。16~17世紀の北ヨーロッパ(フランドルやネーデルラント)で盛んに描かれ、多大な影響を周囲に与えました。描かれる静物は頭蓋骨、腐りかけの果物、枯れかけの花、時計、楽器などすべて死や空虚の象徴とされるものばかりです。
 日本にも諸行無常という言葉があり、それに似ています。人生はいつかは終わるもの。永遠に変わらないものなどない。というニュアンスです。ただ、ヴァニタスの方はキリスト教の観念があるので、「罪」といったものと結び付けられ、世の中の財産や物欲は罪づくりなだけで、死んでからは徳にならない。地獄に落ちるだけ。虚しい足掻きはやめて神に祈るがいい。という考えの方が近いと思います。
 虚しさの盛り合わせ作品を見ていきましょう。


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