寓意画 | メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

寓意画

図像学・技法

美徳と悪徳の寓意(アレゴリー)12点。快楽か厳粛か。己の葛藤を具現化する命題

美徳は元々人間らしさ、人間としての価値を意味します。キリスト教支配における時代、「信仰」「希望」「慈愛」の三つと「正義」「賢明」「剛毅」「節制」の四つの、七つの美徳があるとされました。一方、悪徳も「吝嗇(りんしょく)」「憤怒」「淫欲」「嫉妬...
中世・ルネサンス

医療占星術についての写本14点。12星座の生物が人体に乗っかるシュールな挿絵

中世の時代、、病気の患者に医療と占星術が結びついた治療を行っていました。それは医療占星術(メディカルアストロロジー)と呼ばれ、患者の星座と現在の星の位置を考慮したうえで、診断や治療が為されたそうです。 星座は人体の部位と関連しているとされ、...
中世・ルネサンス

アンドロギュノス(両性具有)についての写本挿絵13点。錬金術における完全体の象徴

古代ギリシャやエジプトで興り、中世ルネサンス時代に発達した、卑金属から金を錬成する術を探る錬金術。 錬金術師の目標は金を生み出すだけではなく、対立している両極性の統合、完全性の入手にありました。男女や善悪、太陽と月。世界の全ては両極性を含ん...
古典文学

イソップ童話(寓話)の絵画14点。ギリシャのアイソーポスが紡いだ、ためになる寓話集

イソップ寓話(童話)は、紀元前6世紀頃の古代ギリシャ時代の人物アイソーポス(イソップ)が作ったとされる寓話集です。(寓話は例え話によって人の生活に馴染みの深いできごとを伝え、学ばせることを目的とした物語) アイソーポスは元々奴隷でしたが、話...
中世・ルネサンス

キリストの五つの傷 (聖痕) の絵画14点。救済の概念を絞りすぎてシュールな姿に

中世時代において、宗教画は「リアルであってはならない」ものでした。 現世に生きる私達が、神聖なるキリストや神、聖人達を表現できる訳がない、聖なる存在を現実的に描くのは冒涜的である、という理由からです。それ故、中世の作品は象徴性が重視され、ヘ...
中世・ルネサンス

運命の女神フォルトゥナの中世絵画13点。全人類の車輪を操る、表裏一体の女神

フォルトゥナはローマ神話における運命の女神です。ギリシャ神話ではテュケーに相当し、幸運の女神ともされています。 フォルトゥナは元々豊穣を司る女神で、ローマの東にあるプラエネステという土地で信仰されていたそうです。ローマ王がその信仰を自国へと...
図像学・技法

若さの泉の絵画14点。老人が入ると青年へ。願望から伝説が生まれた若返りの泉

「若さの泉」は、入るだけで老人が瞬く間に若返るとされた伝説の泉です。「若返りの泉」「青春の泉」とも呼ばれています。 西洋でいつ頃伝説が普及したかは定かではありませんが、中世時代にはあったようです。元々、水は不思議な力を持つと考えられており、...
図像学・技法

寓意画(アレゴリー)の絵画13点。複雑な概念を擬人化して伝える、美術的技法

寓意(ぐうい)(英語:アレゴリー)は絵画や文学において、抽象的で曖昧な概念を、具体的な物事に置き換える技法です。 絵画では寓意を描いた作品を「寓意画」と呼び、難しい概念を擬人化したり道具を使うことによって、対象者に明確に伝える図像学の一つで...
生と死

【作品13点】半分人間で半分骸骨。絵画や彫刻で流行った、メメント・モリの一形態

メメント・モリはラテン語で「死を忘れるな」という意味の、宗教、美術的スローガンです。 始まりはローマ時代とされていますが、キリスト教が普及するようなってから、このスローガンは重要視され、様々な作品形態が生まれました。それはヴァニタスであった...