画家ヒエロニムス・ボスの怪物の本、ボスのモンスターブックを購入しました!【感想】 | メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

画家ヒエロニムス・ボスの怪物の本、ボスのモンスターブックを購入しました!【感想】

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 最近、ヒエロニムス・ボスの怪物に関する本「ボスのモンスター・ブック」を購入しました!
 こちらの本は2016年9月に小学館から発売されたもので、ボスの怪物のアートブックになっています。「快楽の園」「聖アントニヌスの誘惑」「最後の審判」「干草車」の四枚の絵画に登場する、約90体の怪物たちが図鑑風に紹介されており、ボスの怪物を知っている人でも、知らない人でも楽しめる内容になっています。
 早速詳細を見ていきましょう!

 

表紙と裏表紙

 本はハードカバーになっており、一枚一枚の紙が分厚く、想像していたよりかなり上質な紙を使用しています。表紙の英語の文章が金文字となっています。手触りもさらさらしていて、ちょっとリッチな気分。
 帯の文章は完璧にポケ〇ンの影響ですね・・・。街角にボスの怪物がいたら襲われるので、本当だったら逃げましょう。フクロウとかだったらお持ち帰りしたいかも。

 本書は、レオナルド・ダ・ヴィンチと同時代に活躍した画家ヒエロニムス・ボスの代表作から抜き出した約90体の魅力的なモンスターを、美術史の文脈にこだわらず、いわば自由に「キャラクター化」し、その生態や特徴を生き生きと解説した「キャラクター・ブック」感覚の「モンスター図鑑」。インスタグラムでフォロワー15万人の人気イラストレーターPantoviscoも参加。
 ボスのファンはもちろん、普段あまり美術に縁のないような読者にも広くアピールする、遊び感覚あふれる内容のアートブック。ハロウィンだけではなく、イラストレーター、アニメーター、デザイナーなどのためのアイデア集としても最適。

―引用「小学館公式HP」より

 説明に書いてあるように、ボスの怪物を見た目と勘で判断し、生態や性格を面白く紹介する内容になっています。、怪物たちが平和に人間たちと共存している世界になっており、美術史の宗教性、象徴性、ダブルイメージなどは完全無視で、見た目だけのモンスターワールドを作り上げています。「これはおかしいw」と思うような記述もありますが、それはご愛敬。大人でも子供でも楽しめる、ボスの怪物図鑑になっています。
 本の中から三体を抜粋して、紹介したいと思います。

 

伝書犬

郵便配達員。鳥のような顔をしているのに犬の身体をもっていて重くて飛べないので、自慢のスケート靴で地を軽々と滑りながらモンスターたちに手紙を届ける。
だが、方向音痴のため、彼に手紙を届けると三か月は届かない。

―引用「ボスのモンスターブック」より

 ボス界の中では「レターバード」として紹介されている怪物が、伝書犬になっちゃいました。身体が犬?犬かな・・・?でも、確かに彼に手紙を預けると、一向に届かなさそうです。届いたとしても手紙がすり替えられていたり、穴が空いていたりと何かとトラブルがありそう(笑)

 

メタレオン

金属オタクが高じて全身を鉄の甲冑に身を包んでしまった鋼鉄職人。彼に頼めば、ハサミから剣からアクセサリーから、金属製品なら何でも作ってくれる。ただ、支払いは硬貨でしか受け取らない。

―引用「ボスのモンスターブック」より

 豚の尼僧にインクを運んでいる、鎧を身にまとったグリロスさんはメタレオン。メタルとカメレオンを合わせたのかと、個人的に解釈。この設定は可愛くて好き。あらゆる金属製品を作ってくれて、硬貨が対価ということはワンコイン500円で仕事をしてくれるんでしょうか。いや、沢山欲しいと言いそうだから、5円玉や10円玉を大量に持って行った方が喜ぶかもしれませんね。こつこつ貯めた貯金箱をプレゼントするのが一番かも。

 

グリけん

足跡を見た人間から巨大なモンスターだと恐れられているが、実際は1.5頭身の彼が歩いた跡。
足が大きいだけで凶暴性はなく、歩いて旅をすることが趣味なので、さまざまなところで足跡が発見され、いわれない恐怖を広めている。

―引用「ボスのモンスターブック」より

 1.5頭身のグリロス君はグリけん。グリロスけんけんの略だと個人的に解釈。このフリーダム設定もいいな、と思いました。彼が旅をして歩いたところに「イエティだ!」「ビッグフットだ!」という噂が広まっていくと思うと、ギャップがあってとても面白いです。一緒に散歩したいな、と思ってみたり(笑)

 

まとめ

 木男が女の子になっていたり、ミカエル様が女の子になっていたりと、ツッコミどころはたくさんありますが、ところどころに皮肉やブラックの効いた文章があって、楽しく斬新な設定を読む
ことができます。また、約90体の中にはマイナーなモンスターも登場しますので、「こんな怪物いたんだ!」「この子、どこにいたっけ?あ、ここにいる!」といった楽しみ方もできると思います。
 この本は、ボスの世界観を楽しむ新たなアプローチになるのではないでしょうか。私はお勧めの一冊になります!

 

【 コメント 】

  1. ショパン より:

    ありがとうございます!高校生になってもよろしく🤗(返信不要)

  2. 管理人:扉園 より:

    >> ショパン様へ
    こんばんは^^
    合格おめでとうございます!
    頑張りが実を結びましたね。
    これからも夢に向かって突き進んでください。
    応援しています^^

  3. ショパン より:

    第一志望合格! 励ましの言葉ありがとうm(_ _)m

  4. ショパン より:

    ありがとうございます!作文の練習がうまくいかない” 🤣 

  5. 管理人:扉園 より:

    >> ショパン様へ
    こんばんは。
    受験勉強、大変ですよね…。
    私もずいぶんと苦しめられました^^;
    ですが、ここで辛かった経験は全てご自分の力となりますので、めげずに頑張ってください!
    疲れてリラックスしたい時には、このブログを訪問してくださいね。
    (リラックスできるかどうかは分かりませんが…^^;)

  6. ショパン より:

    受験勉強 辛いっス

  7. ショパン より:

    受験勉強 辛いっス😂

  8. 管理人:扉園 より:

     >> ショパン様へ
    来た、見た、買った。
    こちらこそありがとうございます!^^

  9. ショパン  より:

    買った
    ありがとう

  10. ショパン@×84(このコメントは返信しなくていいす) より:

    すいません・・・。ちょっと、ていうかとてもうるさすぎましたね
    このサイトはとても役に立ちました。おかげで美術に自信がつきました。名古屋で会えたら言いですね!いろいろと長文ありがとうございました@@@
    では、さいなーら@@@@@@@@@@@

  11. 管理人:扉園 より:

     >> ショパン@×84様へ
    こんばんは^^
    「ベルギー 奇想の系譜展」へ行ってきたのですね。
    教育もそうですが、「ちゃんと生き方を正せよ!」という風刺や警句が込められているのではないでしょうか。
    人っぽい怪物が多いですが、、怪物達は悪魔のような存在だと思います。
    地獄に落ちた人は悪魔に拷問を受けるとされているので。
    また、怪物達は人の醜い心を表現していると思います。
    人が変身したというよりも、欲望や暴食、暴力などの概念そのものが怪物となった感じです。
    それらの罪深くて悪い感情に人間はおとしめられ、いじめられているのだと私は解釈しています。
    ボスの「快楽の園」の解釈は神原正明著の「快楽の園を読む ヒエロニムス・ボスの図像学」に詳しく書いてあります。
    色々と他の知識が必要で難しい内容ですが、よろしければトライしてみてください^^
    勝手な事で申し訳ありませんが、返信はこれで最後とさせてください。
    色々と手が回らなくて…。
    明日から学校頑張ってくださいね。
    大変な事もあるかと思いますが、今身につけた知識はきっとタメになりますから!

  12. ショパン@×84 より:

     モンスターはもとは人だったのでしょうか?人をモデルにしたような生き物が、たくさんでてきます。
    夏休み最終日

  13. ショパン@×84 より:

     こんちは!回答ありがとうございます。ヒエロニムスはバッハみたいな人なんですね。この人の絵は栃木の美術館で最初にみました。そんで、この人は教育の様な形でかいたのでしょうか?王族に気に入れられる理由も一目で分かりますね!
     この人にとって、世界は僕とは、かけ離れているか
    もですね。
     木男も怪物(?)の一種だったのですか。僕はてっきり地獄に落とされたヒトだと思ってました。
     変なことばかり書いてすみません。あなたと、直接あって語り合いたいという変な好奇心があったばっかりに。&メタレオンに鉄製の机が欲しい。

  14. 管理人:扉園 より:

     >> ショパン×84様へ
    こんばんは^^
    綺麗な作品よりダークな作品の方が「どうしてこれを描いたのだろう」「どういう物語だろう」「何を表わしているんだろう」と想像が広がりますよね。
    ボスの祖父も父親も画家で、画家の一族でした。
    当時、画家は貴族や王族などから依頼を受け、弟子と共に絵画を描いていました。
    ボスが深く信仰していたキリスト教は、神を信じて善行を行うと天国へ、罪を犯すと地獄へ行くという思想でした。
    ボスは「罪を犯した者はこのような恐ろしい地獄へと落とされる」という厳しいメッセージを込めて、絵画を描いたとされています。
    また、王侯貴族には「宗教や伝承における象徴や謎が含まれた絵画を鑑賞し、内容を読み解く」という遊びが流行っており、ボスはそれを取り入れた部分もありました。
    ボスの絵画は王族に人気があり、「象徴を沢山入れてくれ」という要望もあったようで、地獄の情景と不可思議な怪物や象徴を盛り込んで描いたのだと思います。
    (もともとボスは怪物に興味を持っていた部分もあると思いますが…)
    よく出てくる巨人は「快楽の園」の地獄編の中央にいる木男のことですか?
    木男は色々なイメージを含んでいて一言では言えませんが、生命の樹が朽ちた姿とされ、中がパブになっているので、酒を飲む愚者達を入れる「愚者の船」の姿ともされています。
    後は、ボスの生きた時代と土地の作品は、遠目から見た風な情景で作品が描かれており、その影響で近景の人物が巨人のように見えたのかもしれませんね。
    ブログは趣味でやっていて、あまり積極的に外へ出る方ではないので、個人的に会う事はお断りすると思います。
    ただ、12月に名古屋のクリマに出店する予定なので、その時は会場にいますよ。

  15. 11.11.11.うるさい時は言ってね! ただいま!ショパン×84 より:

    回答ありがとうございます!1人で運営なんてすごいですね。僕はこういう少しグロテスクな名画が大好きなんです。(特にヒエロニムスの絵は)好奇心と恐怖心が絡み合い神秘的な気になります。何度も問い詰めてしまってすいませんが、
    質問
    ・この人は何故地獄の様なえばかり描くの?
    ・絵によく出てくる巨人は何?
    ・あなたに会うことは出来る?
                                
    以上
    ヒエロニスムが花を見たときどう思ったのか詳しく知りたい。

  16. 管理人:扉園 より:

     >> ショパン@×84様へ
    こんばんは^^
    喜んでいただけて良かったです。
    ヒエロニムス・ボスを宿題の題材にしたのですね。
    ナイス選択だと思います!自分の事のようになんだか嬉しいです^^
    はい。サイト(ブログ)は一人で運営していて、「メメント・モリ」の由来は「死を想え」となります。
    前々からダーク路線の絵画や物語が好きで、そういった絵画などを紹介しようとここを立ち上げました。

  17. ショパン@×84 より:

     ありがとうございます!このサイトのおかげでやっと宿題が完成しました。今日から3日間、福島に行くので、これからの質問はゆっくり書いてもらってかまいません。
     昨日は、本当に浮かれておりました。自分のためだけの文字をかいてくれて(@o@)このサイトのおかげでコメントの発見がありました。
    【質問】
    ・このサイトは一人で運営しているのですか?
    ・「メメント・モリ」の由来は「自分がいつか死ぬことを忘れるな」ですか?
                                 以上
    人生で初コメが@@@@って・・・
    宿題の題名「ヒエロニムスボス」ではなく「ヒエロニ【スム】」にしてしまった。

  18. 管理人:扉園 より:

     >> ショパン13歳 生徒会 演劇部 男様へ
    こんばんは^^
    私もボスの作品を始めて見た時は、凄いオーラで輝いて見えました。
    「なんだこの鮮やかで細かい作品は!?」って思いましたよ。
    「ボスのモンスター・ブック」は怪物の画像はあるものの、作品の紹介や解説はほぼ皆無なので、ボスの絵画をじっくりと見て学ぶのなら「謎解きヒエロニムス・ボス(とんぼの本)」の方がお勧めです。
    「モンスター・ブック」はボスの怪物を使ったジョーク本だと思ってください(笑)
    いただいたコメントにはできるだけ返答するようにしています^^
    フルートの鼻をした怪物は「最後の審判」や「干草車」にも出ていましたね。
    あくまでも推測ですが、ボスの生きた15~6世紀では娯楽目的の音楽は罪あることと考えられていました。なので、「快楽の園」の地獄編に音楽地獄というものがあるんです。
    また、この当時はまだ世界は未開で、東方には怪物が沢山いると考えられていました。
    その為、写本には不思議な怪物が描き込まれ、ボスはそれを参考にしたのではないかともされています。
    あとはボスはたぐいまれなる想像力で、手短の人物や物を組み合わせて怪物を沢山考えて描きました。
    それらが総合的に合わさり、ボスはフルートの鼻をした怪物を描いたのではないかなと思います。
    このサイトは運営してじきに二年なので、さすがに沢山のコメントをいただいております^^;
    この記事にコメントをしたのはショパン様が最初ですね。
    他の方も自由に閲覧ができ、コメントを投稿することができますよ。
    夏休みあと少しだと思いますが、エンジョイしてください^^

  19. @@@@@@@ より:

    ただいま夏休み。 キモブサかわ。 

  20. ショパン13歳 生徒会 演劇部 男 より:

    ありがとうございます。では、感想と質問を書かせていただきます。
    【ボスのモンスター・ブック】 とてもおもろそうですね!個人的に、この人の絵を見たときは、地獄の作品なのに天国に等しいくらいに美しいと感じました。機会があったら是非購入しようとおもいます。
    そんで、こんなふざけた内容にも真面目に答えていただいて、昨夜から、とても浮かれております。&ネット対話なんて初めてですから少々緊張してるます。
    [質問](回答えられる範囲で)
    ヒエロニスム・ボスの作品で必ずと言っていいほど、
    鼻がフルートの様な形の生物が出てくるのですが、
    あれは何なのですか?あと、コメントしたの僕が
    一番?

  21. 管理人:扉園 より:

     >> ショパン13歳様へ
    SNSと違って、ほとんどのブログのコメントはそのまま投稿できてしまうんです。
    大丈夫ですよ。気になさらないでください^^

  22. ショパン13歳 より:

    すいません。ログインしてないから、絶対コメント送信できないと思って遊び半分で@を。気に触りましたか?

  23. 管理人:扉園 より:

     >> 美術を愛する人様へ
    こんばんは^^
    怪奇現象が起こったと思って、一瞬おののいてしまいました(笑)
    人生で初コメの栄誉を「メメント・モリ」にくださりありがとうございます!
    これからもよろしくお願いします^^

  24. 美術を愛する人 より:

    失礼しました。 おもろです。 人生で初コメです。

  25. 美術を愛する人 より:

    @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

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