来る…怪物の絵画が。2017年より、ボスの流れを汲んだ異形の展覧会が始まる! | メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

来る…怪物の絵画が。2017年より、ボスの流れを汲んだ異形の展覧会が始まる!

スポンサーリンク

  「ベルギー 奇想の系譜 ― ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」というタイトルの展覧会が、栃木と兵庫県、東京の三つの美術館で開催されます!
 宇都宮美術館は2017年3月19日(日)-5月7日(日)まで、兵庫県立美術館は2017年5月20日(土)―7月9日(日)まで、東京のBunkamura ザ・ミュージアムは2017年7月15日(土)-9月24日(日)まで行われます。
主にヒエロニムス・ボスやピーテル・ブリューゲルの流れを受けた、ベルギーの奇想に満ちた作品が展示されるそうです。1500年頃のボスから現代まで500年以上の月日が経っておりますが、怪物や異形を描くシュールな作品は今なお生まれ続けています。16世紀のフランドル画、19世紀の象徴派、現代美術と、500年の時代を追いながら、ボスの追随者たちを見ていくことができるのです。 
 ボスの流れを汲んだシュールな展覧会の詳細を見ていきましょう!

 

「ボスの工房作  トゥヌグダルスの幻視 1490-1500年頃」
まだこの作品が出展されることしか分かっていません。
ボスの画集にも登場するほどの、ボス派としては代表的な作品。
正面の顔が何かを訴えかけているよう。

(2017年2月13日追記 以下の三作品が出品されます!)

「ピーテル・ブリューゲル(父)作  大食  1558年」
ブリューゲル(父)の生作品に会えます!
七つの大罪「大食」を表した怪物たちをびっしりと描き込んだ作品。
右手前のお魚や、右奥の風車おじさんが気になります。 

「ジャン・デルヴィル作  レテ河の水を飲むダンテ  1919年」
ダンテ「神曲」より。旅を終えて楽園へ到達したダンテ。
レテの水は忘却の力を持っており、女性マテルダにいざなわれて
ダンテはそれを飲もうとしています。怪物というより美しい作品。

「トマス・ルルイ作  生き残るには脳が足らない 
2009年」
現代におけるブロンズ作品。ぱっと見そこまで大きくないように見えますが、
物凄く大きな作品です。賢者になろうと頭に情報を詰め込みすぎ、
肥大化して耐え切れずに首が折れる。情報により自滅する様を表現して
います。題名が逆説的でシニカルですね・・・。

(追記)
出品される作品が公式HPにて公開されています!気になる方はぜひ見てみてください。ボス工房やブリューゲルの作品が目白押しとなっております。兵庫県の前売りは終わってしまいましたが、東京の前売りは絶賛販売中です!

→ 兵庫県立美術館の公式HPはこちら
→ Bunkamura ザ・ミュージアムの公式HPはこちら

――――――――――――――――――――――――
以下の作品はあくまでボスの流れを汲む作品であり、
実際に出展される訳ではありませんのでご了承ください。
良ければ怪物に満ちたボス派の作品をご覧ください。
――――――――――――――――――――――――

「Jan Mandijn作 聖アントニヌスの誘惑 16世紀」
正面にでかい顔がある作品仲間。怪物が好き放題暴れ回っています。

「作者不明 キリストの辺獄降下  1575年」
大口が門になっていて、そこへ憐れな犠牲者が押し込まれています。

「作者不明 聖アントニヌスの誘惑 16世紀?」 
アントニヌスの周囲をマイムマイム状態の怪物たち。
形や色の重ね方がボスそっくりです。

「pieter huys作 聖クリストフォロス 16世紀」
聖人を虐めているわけでもなく、自然に溶け込んでいるような怪物たち。
ここで怪物は毎日暮らしているんでしょうね、と思える作品。

「作者不明 聖クリストフォロス  16世紀?」
上記の作品を参考にして描かれたのかなと思います。
怪物がほのぼのとした感じとなり、ますます牧歌的に。

「アーノルド・ベックリン作  戦争 1896年」
象徴派の画家。国から国へ起こる戦争の恐怖を描いた作品。
生々しく現実的です。

「オディロン・ルドン作 サイクロプス(キュクロプス) 1914年」
ギリシア神話の逸話より。
一つ目の怪物サイクロプスは乙女ナーイアスをじっと見つめています。
16世紀にはない、ナイーブな内層を表しているように思えます。

「サルバドール・ダリ 柔らかい時計 1931年」
教科書に載っているダリお馴染みの絵画。ボスはシュールレアリスムの
先駆者とも呼ばれています。ダリの作品も不可思議な怪物だらけです。

「ルネ・マグリット作 共同発明 1935年」
タイトルにマグリットの名があるから、一つくらいは来るかもしれません。
上半身が人間、下半身が魚という人魚のイメージを覆してしまった作品。
人魚なら反対だっていいじゃないか!という考え方です。

「ヤン・ファーブル作  豊穣神 2015年」
ベルギー出身の現代美術家。生き物の死骸で作った作品を多く作成
されているそう。彼の作品もどれかは出展されそうです。
以下は鳥の剥製と骨をとり入れた作品。緑色はおそらくコガネムシの
一種の翅を使用しています。シュールでなんだか可哀想・・・。

 ボスの真作の作品は残念ながら来なさそうですが、ブリューゲル(父)の作品が来るのでびっくりです。2017年はブリューゲルの年ですね! 怪物、異形だらけの展覧会ということで、どんな作品が来るのかものすごく楽しみです。ダーク方面に興味がある方は、ぜひ足を運んでみてください。管理人は行く気満々ですから!

 

【 コメント 】

タイトルとURLをコピーしました