2017年11月3日から、福岡の福岡市博物館、東京のBunkamura ザ・ミュージアム、滋賀の佐川美術館で「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」が順番に開催されます!
16-17世紀の神聖ローマ帝国の皇帝、ルドルフ2世は不思議なもの、珍しいものが大好きで、世界中から芸術家や魔術師、占星術師や錬金術師などを呼び集め、様々なコレクションが集められました。収集したものは絵画、工芸、科学機器、動物の骨、外国の品など、珍しくて持って帰れるものなら何でも収集したのです。その数は膨大なものとなり、それらを収めた「驚異の部屋」は当時のヨーロッパの芸術の拠点となりました。
この展覧会ではアルチンボルドの代表作とも言える「ウェルトゥムヌスに扮する皇帝ルドルフ2世像」を筆頭に、皇帝が愛した絵画や工芸、魔術めいた作品の数々をご紹介します。では、続きを見ていきましょう!
チラシ
こちらが福岡市博物館のチラシです。ドドーン!と中心にアルチンボルド作のルドルフ2世が載っております。全体的に現在開催中の「アルチンボルド展」に似せておりますね。キャッチコピーは「美と妖の境界へ。」なんともそそられる短文じゃないですか!
こちらはBunkamura ザ・ミュージアムのチラシ。福岡のものよりポップな感じで楽し気ですね。お子様にも楽しめそうなイメージです。同じ展覧会を紹介しているのに、この差が出てくるのは面白いですね。きっと出展される作品は妖しくもあり、美しくもあり、驚きもあり、楽しくもあるのでしょう!
何点出展されるかはまだ分かりませんが、個人的に100点くらい来ることを期待しております。では、出展される作品の一部をご覧ください!
出展される作品
「ジュゼッペ・アルチンボルド作 1591年」
ウェルトゥムヌスはローマ神話に登場する果物の神です。
ルドルフ2世を神に見立てて、果物にしちゃった!と言った感じの作品
なのです。ルドルフ2世も愉快そうですし、茶目っ気溢れる絵画ですね。
「ハンス・フォン・アーヘン作のコピー 16世紀後半-17世紀前半」
こちらがルドルフ2世の本当の肖像。ふくよかな感じで、顎のお肉が
ぷるんぷるんしています。アルチンボルドの果物って美化されているのね。
「ヨーリス・フーフナヘール(ヘフナゲル)作 1591年」
人生の短さの寓意と題されたこの作品は、髑髏を筆頭に儚げな
虫や幼虫が描かれています。フーフナヘールはオランダの画家、版画家、
製図家、商人だった方で、多彩な精密なイラストを残しました。
こちらの作品は日本初公開のようです。
「ルーラント・サーフェリー作 1625年」
一見動物と自然、建物が描き込まれた平和そうな作品ですが、
神話画なんです。右下に小さく吟遊詩人オルフェウスが描かれています。
彼の演奏は非常に巧みで、動物や樹々でさえも音楽を聴いていたそう。
→ オルフェウスの物語について詳しく知りたい方はこちら
「ヤン・ブリューゲル(父)作 1607年」
ピーテル(父)の息子ヤンは「花のブリューゲル」と呼ばれたほど花の
表現が細密で見事でした。花を一つ一つ描き込んでいくことを想像
すると、気が狂いそうですよね・・・。
→ ブリューゲル一族についての絵画を見たい方はこちら
「ルーラント・サーフェリー作 1611-12年」
先ほどのオルフェウスを描いたサーフェリーさんの作品。
一見普通の花を描いた静物画ですが、虫が描き込まれており、
ヴァニタス(虚無の寓意)をテーマにしていることが分かります。
→ ヴァニタスについての絵画を見たい方はこちら
「フェッランテ・インペラート作 1599年」
ルドルフ2世のコレクション室「驚異の部屋」を模写した作品の一つ。
天上のどでかいワニの剥製が気になりますね。
こちらは残念ながら滋賀会場のみの展示となるようです。
「パルミジャニーノの作品のコピー 17世紀前半」
弓を作りながら振り向くキューピッドの首は異様に長く、
マニエリスム時代の無理しちゃった体勢と言った感じですね。
こちらの画像は真作のものになります。出展されるのはほぼ同じ構図に
なりますが、コピー作品になりますのでご注意ください。
「ハンス・フォン・アーヘン作 1588年」
不和の林檎のせいで喧嘩になったヴィーナス、ヘラ、アテナの三女神は、
王子パリスに誰が一番美しいかを決めさせます。美女ヘレネを授ける
という誘惑によりパリスはヴィーナスを選び、トロイ戦争が起きるのです。
→ パリスの審判についての絵画を見たい方はこちら
「バルトロメオ・スプランヘル作 1577-80年」
「三日後に復活する」と予言を残して処刑されたキリストは、その宣言通り
復活を果たします。その後、彼は神の御許へ昇天していきます。
キリスト最大の奇跡とされ、数多くの絵画が残されています。
→ キリストの復活についての絵画を見たい方はこちら
「作者不詳 1596年」
デンマークの天文学者、占星術師であるティコ・ブラーエの肖像画。
彼はカシオペヤ座や彗星を観測し、天動説が誤りだという証拠を作り、
天体に関するケプラーの法則の基礎を生み出しました。
他にも美しいからくり時計、船の形をした杯、天文時計などの工芸品の出展もあります!
まとめ
2017年の6月から始まった「アルチンボルド展」は東京の西洋国立美術館でのみ開催で、なかなか行きづらい環境ですが、この展覧会は三県を巡回してくれるから嬉しいですよね。
現在、福岡市博物館の公式HPで前売りチケットの情報があるものの、ネット販売は行っておらず、セブンイレブンのみの取り扱いとなるようです。ペアチケットが二枚セットで2222円のものと、アルチンボルドの3Dファイルがついて1600円のものの二種類があります。当日券は1500円で、前売り券が1300円なので、二枚セットのものはかなりお得ですね!前者は500組限定でなくなり次第終了となりますので、お早めにセブンイレブンへGOです!
展示の詳細はまだ更新されておらず、9月上旬の更新となるようです。東京と滋賀の情報はまだほとんど分かりません。さらなる情報を待ちましょう!チケット情報、値段、休館などは会場によって異なるので、以下の公式HPよりご確認ください。
福岡会場 : 2017年11月3日(金)~12月24日(日)
場所 : 福岡市博物館
→ 公式HP http://rudolfukuoka.com/
東京会場 : 2018年1月6日(土)~3月11日(日)
場所 : Bunkamura ザ・ミュージアム
→ 公式HP http://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/18_rudolf.html
滋賀会場: 2018年3月21日(水)~5月27日(日)
場所 : 佐川美術館
→ 公式HPはまだのようです
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