2017年4月22日~6月25日まで、損保ジャパン日本興亜美術館にて「フランス絵画の宝庫 ランス美術館展」が開催されております!(東京の展覧会は終わってしまいましたが、巡回展があります。詳しくは記事下にあります)
ランス美術館で保存されている大切な作品約70点を借り、17世紀―20世紀までの華麗なるフランスの歴史が語られます。ダヴィッド、ドラクロワ、クールベ、ピサロ、コロー、ゴーギャン、ミレー、フジタなど、一度はどこかで聞いた有名な画家たちが展覧会へ集結します!早速内容を見ていきましょう。
東京の駅で見つけたポスター。写真なので、見辛いのはご愛敬でお願いします。
レオナール・フジタの黒人のマドンナの作品が表紙で、白いシンプルな構成となっています。概要は以下のような感じです。
フランス北東部シャンパーニュ地方にある、ランス美術館のコレクションをご紹介する展覧会です。ランス美術館は、歴代のフランス国王が戴冠式を行った大聖堂で知られる古都ランス市に位置し、初期ルネサンスから現代まで、幅広いコレクションを有しています。本展覧会はランス美術館の所蔵作品から、17世紀から20世紀まで、選び抜かれた作品約70点を展示、華麗なるフランス絵画の歴史をたどります。また、ランス市に縁の深い日本出身の画家レオナール・フジタ(藤田嗣治)の作品群も併せて展示します。
-ランス美術館展公式HPより
「作者不詳 アデライード夫人の肖像(?) 18世紀」
フランス国王ルイ15世と王妃マリー・レクザンスカの娘である、
マリー・アデライード夫人の肖像。フランス革命時代を生きた女性。
「作者不詳 ルイ13世 17世紀」
ブルボン朝の国王であるルイ13世は、決闘禁止令や新教徒弾圧、
三十年戦争の参戦などを行いました。宰相リシュリューと共に国力の
増大に力を入れました。
「ジャック=ルイ・ダヴィッド(及び工房)作 マラーの死 1793年」
美術の教科書にも載っていた、新古典主義の有名な作品です。
真作だと思っていたのに、工房かもしれないんですね。
(この作品はプロパガンダの為、幾つか同じものが存在するようです)
フランスの革命指導者マラーの暗殺を描いた作品。マラーは入浴中に
シャルロット・コルデーという女性に暗殺されました。
→ マラーの死についての絵画を見たい方はこちら
「ギュスターヴ・クールベ作 カスティリオーネ・コロンナ公爵夫人 1870年」
この婦人が何者かは分かりません。写実主義の巨匠クールベは
皆が描かないことを描いて、何かと問題事が多い画家であるものの、
作品には確かな力量が表れています。
「ジャン=フランソワ・ミレー作 男の肖像 1845年頃」
落穂拾いで有名な写実主義の画家ミレー。ゴッホも彼の作品を尊敬し、
何度も模写をしたと伝えられています。
「ウジェーヌ・ドラクロワ作 ポロニウスの亡骸を前にするハムレット 1854~56年」
シェイクスピアの戯曲ハムレットのワンシーン。亡き王は王子ハムレットに
弟に毒殺されたことを告げ、彼は狂気を装って恋人オフィーリアを
傷付け、彼女の父である宰相ポロニウスを刺し殺します。
背後では母ガードルードが頭を抱えているのが描かれています。
「カミーユ・コロー作 川辺の木陰で読む女 1865~70年」
人物画や風景画を描き、後の印象派に大きな影響を与えた画家。
静かな木々や湖畔などはモノトーンに近い色に包まれ、
澄んだ空気を表したかのような独特な色調を用いました。
「アルフレッド・シスレー作 カーディフの停泊地 1897年」
牧歌的で穏やかな風景画を多く手がけた、印象派であるシスレー。
彼はこの作風にこだわり続け、900点近い作品を残しました。
「カミーユ・ピサロ作 オペラ座通り、テアトル・フランセ広場 1898年」
印象派の中で中心的な人物であり、八回の印象派の展覧会すべてに
出席した巨匠。パレットナイフや大胆な筆遣いで風景や人物を描きました。
「ポール・ゴーギャン作 バラと彫像 1889年」
異国情緒に憧れてタヒチへ旅行したり、ゴッホとの因縁があったりと
日本でも超有名な印象派画家。
「モーリス・ドニ作 魅せられた人々 1907年」
預言者という意味の「ナビ派」を先導した画家。ナビ派は19世紀パリで
活躍した前衛的な芸術家たちであり、リアルさを排して色彩の装飾性を
重視しました。ゴーギャンやルドン、スーラなどから影響をうけました。
「レオナール・フジタ作 死せるキリストを嘆く人々 十字架降下の素描 1965年」
日本名は藤田 嗣治(つぐはる)で、フランスで洗礼を受けると
レオナール・フジタと改名をしました。始めは絵が売れずに貧乏であった
フジタは、フランスで次第に絵が売れ始め、超人気の画家となりました。
「レオナール・フジタ作 マドンナ 1963年」
乳白色の肌の女性で人気を得ていたフジタでしたが、この作品は
黒人のマリア様と天使を描いています。戦争や差別を経験している
フジタは、黒人の方の救済を願っていたのでしょうか。
開催期間:2017年4月22日(土)~6月25日(日)
休 館日:月曜日
会場:東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
〒160-8338 新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン日本興亜本社ビル42階
開館時間:午前10時-午後6時、<金曜日は午後7時まで(入館は閉館30分前まで)>
観覧料:( )内は20名以上の団体料金と前売り料金
一般:1,300円(1,100円)
大・高校生:800円(650円)
65歳以上:1,100円
中学生以下:無料
また、6月12日には抽選で20名様に、美術館貸し切りでギャラリートークアートがあるとのことなので、応募してみるのもいいですね。今のところ巡回展の情報はないため、このまま終わってしまうと思います。興味を覚えた方はお早めに展覧会へ足を運んでみてください!^^ 個人的にはダヴィッドのマラーの暗殺と、ドラクロワのハムレット、フジタのマドンナさんを生で観てみたいです~。
(追記)
東京の展覧会は終わってしまいましたが、2017年7月6日~8月27日までは山口県立美術館にて、2017年10月7日~12月3日まで愛知県の名古屋市美術館での巡回展が行われます!中国、東海に住んでみえる方、東京での展覧会を見逃してしまった方はぜひランス美術館展へ足を運んでみてください!
【 コメント 】
>> ちょっと気になったので様へ
こんにちは^^
私は都合が合わず、結局ランス美術館展に行けずじまいでした…(泣)
ご指摘本当に感謝です。
調べてみたところ、ガートルードが正しいです。
ポローニアスがオフィーリアの父だったので、勘違いをしてしまいました。すぐに訂正します。
そうなんですか!ナポレオンの絵画だけではなく、マラーの死の絵画も幾つかあるんですね…。知らなかったです。ちょっと気になったので様のお陰で知識が深まりました。
分かりました!いつになるかは分かりませんが、マラーの死についての記事を書きますね。
こんばんは。
ランス美術館展、行ってきました。もう 2ヶ月も前ですが。
ドラクロワの絵の後ろの人、あれ、オフィーリアなのでしょうか?
ガートルード(王子の母親)だと思ってました。確信はないのですが、戯曲では確か、彼女が同じ部屋にいるはずなので。
ダヴィッドの絵は、プロパガンダのために量産されてたとか? ネットで真作(?)を調べてみると、書き込まれている言葉が違ってたり……。
ダヴィド以外の『マラーの死』も観てみたいです。
ちょっと気になったので