マンドレイク (マンドラゴラ) の中世挿絵10点。伝説の人型植物の悲鳴を聞くと死ぬ | メメント・モリ -西洋美術の謎と闇-

マンドレイク (マンドラゴラ) の中世挿絵10点。伝説の人型植物の悲鳴を聞くと死ぬ

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 マンドレイクは根が人型をした伝説上の植物であり、引き抜くと恐ろしい悲鳴を上げるとされています。
 魔法学校を舞台にした某児童書も、マンドレイクを登場させていました。その歴史は古く、15世紀の中世ヨーロッパの文献にも記述があります。マンドレイクは錬金術や呪術、不老不死の妙薬の材料となると考えられています。マンドレイクの悲鳴は凄まじく、聞いた者は即死すると言われています。採取する方法として犬とマンドレイクをロープで括り付け、飼い主は遠くから犬の名前を呼んで引っ張らせる、というものがありますが、犬が犠牲になってしまいます。単に長いロープを付けて引っ張るだけという手法もあるので、そちらの方が簡単で手っ取り早いので、マンドレイクを採取したい方はそれをお勧めします。
 マンドレイクを描いた中世の挿絵10点をご覧ください。

 

「写本 Hortus Sanitatis より 1491年」
こんなにやけたおじさんが出て来たら、おののきますって。
頭の葉っぱを見るとピクミンを想像しますが、
これが大量に背後にくっついてきたら絶対に走って逃げます。

「写本 Hortus Sanitatis より 1491年」
マンドレイクは性別があります。たまにご夫婦のマンドレイクもいるらしい。
妙薬として使用されるとのことですが、調理するのがためらわれます。

「作者不明 中世写本」
水を舐めている犬とマンドレイクが結びつけられています。
おじさんがまだ遠くへ行かぬ内にマンドレイクが出ているような。早く逃げて!

「作者不明 中世写本」
上記とほぼ同じ構図。中世では犬に括りつけて採取する挿絵が数多くあります。
今だったら「動物虐待!」ですが当時は普通として考えられていたのでしょう。
まさか、本当におこなった人が・・・?

「写本 Medicinal herb book より  1520-1530年」
右の人が角笛を吹いています。その音で悲鳴をかき消す算段でしょうか。
ナイスアイデア!しかし、犬は同じ憂目に・・・。
ていうか、マンドレイクの頭の手は一体何!?

「ロバート・ベイトマン作  19世紀」
こちらは近代の画家ですが紹介させていただきます。
マンドレイクをロープで抜こうとする奥様方。ちょっと短すぎやしませんか?

「写本 Bodleian Library, MS. Ashmole より  1462年」
ターザンのようなマンドレイク。足部分にロープがついており、
犬と繋がっております。大きさやバランスはフリーダムで、
中世の「伝わればいいや」の精神が大いに感じられます。
 Ashmole 1462

「写本 中世動物寓話集 より 年代不明」
赤いお顔がチャームポイントのマンドレイク。
身体が人体模型みたいになっており、中世の絵は不思議だなぁと再認識。
Medieval Bestiary

「ウィーンの写本挿絵  13世紀」
きりっとした表情のマンドレイク。頭の丸い飾りが可愛い。
素早い筆のタッチが潔くて好きです。

「写本 Pseudo Apuleius より  9世紀」
頭が、頭が葉になっている・・・!
交差させている手も合わさり、他にはないシュールな御姿となっております。

 今まで伝説上のマンドレイクを紹介してきましたが、知っている方もみえますよね。
 この名前の植物は実在するんです!マンドレイクはナス科のマンドラゴラ属の植物で、幻聴、幻覚を伴う神経毒があり、食すると最悪死に至る場合もあるそうです。紫色の可愛い花を咲かせ、根は太く長いので引き抜こうとするとぶちぶちっ!と音がするそうで、それがマンドレイクの由来になったとされています。古代エジプトや旧約聖書にもこの植物を用いたとされる記述があるとか。紀元前レベルの歴史とか凄い!

マンドレイクの花。可愛い!(wikiより)

マンドレイクの根。他の植物より太く、人体に見えなくもない。
たまには人間そっくりさんも現れるのでしょうか?(wikiより)

 毒、魔術、錬金術という言葉に目のない管理人はマンドレイクを育てたいと思い、検索してみました。
 しかし、アマゾン、楽天には売っていませんでした。ヤフオクでしたら種が売っていました。個人店の通販では苗がありましたが、お高めなのでヤフオクで種を購入した方がいいかもしれません。私は貯金して購入しようと企んでおります。興味を持たれた方は、ぜひ自宅でマンドレイクを育ててみてはいかがですか? 根を引き抜く際は充分にご注意を・・・。

 

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【 コメント 】

  1. 管理人:扉園 より:

     >> 木を愛する人様へ
    こんばんは^^
    いえいえ、こちらこそ感謝しております。
    ドボーンは落語のお話からなんですか!
    落語は小難しくて知識がないと理解できない印象がありましたが、かなりシュールな物語があるんですね。
    このような落語なら楽しめそうです^^
    頭の池に入る見解として、全部がめくれあがってひっくり返えるという考えには妙に納得しました。
    「犬夜叉」でいうと、弥勒の風穴に近い感じでしょうかね。
    (手のひらにある穴が広がっていき、最終的には自分自身を呑み込む)
    恐ろしや…です^^;

  2. 木を愛する人 より:

    扉園さん、こんにちは。
    いつもお返事くださってありがとうございます。
    頭の池にドボ〜ンのお話はこんな感じです。
    どうやって飛び込んだのか「?」ですよね。
    人生の大先輩の見解も読めますので、参考になさってください。
    http://senjiyose.cocolog-nifty.com/fullface/2004/10/post_12.html
    ではまた‥‥。

  3. 管理人:扉園 より:

     >> 木を愛する人様へ
    こんばんは^^
    頭に生えた木を抜いてできた池に飛び込んで自殺しちゃうとか、かなりの怪奇譚ですね^^;
    頭に飛び込むって一体どうやってやるんだろうと悩んじゃいます…。
    私も木を伐採してまでは「オ」をやるべきじゃないと思います。
    神木を中心にして作られた村もあるのだから、どうにか伐採せずに作れないものですかね。
    愛・地球博でも木が切られたと聞きますし、なんだか矛盾した世界です。

  4. 木を愛する人 より:

    扉園さん、こんにちは。
    絵を見ていたら・・
    頭に桜が生えて大騒ぎ。面倒だ 桜を抜いちまえ!
    抜いた根っこの後に池ができてまたまた大騒ぎ。
    もうヤケになって自分の頭の池に飛び込んで自殺しちゃう話、
    思い出しました。
    東京ではオリンピックのために大きな木が切られたとか切られるとか。木の悲鳴が聞こえてきそう。要らないのは「キ」じゃなくて「オ」の方だと思ってしまう私です。
    またお邪魔しますね。

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